嗚呼！　やる夫道

　　　　　　　　　　　_　 |　　　＼　　　　　　　｀＼
　　 　 　 　 　 　 /　`く|∧　　　　　　　　　＼}　 ヽ
　　　　　　　　 _/　　　!ﾍ仏. ＼ｰ､＼　　　　　＼ ハ
.　　　　　　 ／　　　|　ﾄ'"""＼ ＼ヽ､＼／　　　 ＼j
　 　 　 　 /／,′　 |　|＿＿,　ヽ ｝　ヽ'´＼ 　 　 ＼＼
　　　　　〃　 |　 　 |　|　　　 　 V　 　 ⊂⊃ ､ 　:|_, 〉､＼
　　　　　　 　 |　 　 | 小　⊂⊃／／／／ﾊ　 |＼| Y　 ￣　　　　　　オイコラスレ主、
　　　　　　 　 |　ﾊ　∨ﾚﾍ　ﾊ　 　 　 ,--､Ｕ　 | l ヾﾉ＿
　　　　　　 　 ∨ハ.　　 | j ∪　 /⌒′　^　 , | |￣.:.:.:.:）　　　　　　　私の出番はこれだけかい！
　　　 　 　 　 　 　 ',　 　l人 ＿_＿_＿__ , イ.:.:| |.:.:.:.:.:./
　　　　　 　 　 　 　 ヽ　 |ヽ∨.:.:.:.:.: |ﾍ|__/　＼V⌒`＜
　　　　　　　　　 　 　 ＼|くV.:.:ｘ─〈　 }-ヘ 　/　　　/｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　 ∨　 　 ヽ∧　/Ｖ　／⌒{　　|＼
　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　　 {⌒}　 (／`Y⌒ヽ∨ ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　|　 ∨￣　 |　| ／　　　　　 } ∨＼＼
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 /　　 ヽ|　　|　l（　　　　_, イ　　〉　 ＼＼

　　　　　　　　　　　　【黒井ななこ（アイルトン・セナ）】

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　1994年５月１日。イタリア・イモラ。

　「史上最速のＦ１ドライバー」「史上最高のF1ドライバー」と呼ばれた天才、
　アイルトン・セナが、コンクリートウォールに激突し、帰らぬ人となった。
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　　　　　　　　　　　　ｒ‐- 、
　　　　　　　　　　　　|　　 ＼／￣ ¨ヽ
　　　　　　　　　　_,.．''´￣｀`ヽ､　　　 |
　　　　　　　,.-‐'´　　　　　　　　 ヽ　.ﾉ
　　　　　　 ｛　　　 ﾄ､.　　　　　　 　｀く＼
　　　　　　　 >､____{_ ヽ.　ヽ 　　 　 　 'r‐'
　 　 　 　 　 |　|.､ﾆ、 　￣＝､i　　　　 .i
　　　　　　　 |　! {:ﾊ　 　｀7'y. i　　　　　|
　　　　 　 　 |　|　´ﾉ 　 　`'　 |　 　 i　　|
　　 　 　 　 .!　 | 　`　　 　 　 |　　　| 　 .|
　　　 　 　 .l　 λ　 ﾏフ　　 ,ｲ　　　i:i　　.l
　　　　　　 |　,' ,へ　｀　_. イ::.i 　　 :i:::!　　|
　　 　 　　 !　{. {::.:ﾉ｀て___,ｲ:::! 　 　.|:::|　　 i
　　　　　　| 　i .|:人.　 /＾):ﾉ::i 　 　 ﾄ､:|　　 |
　　　　 　 ゝ　`ｰ'.） ｰ'　ﾟ/しﾉ 　 　 !　｀ス_ﾉ
　　 　 , '´ . `‐z‐'.　　　 { 　 　　　 ﾉ／　　＼
　　　〃 　　　　＼.　　 ｡`ｰ---‐'´

　　　　【クララ（フランク・ウイリアムズ）】

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　アイルトン・セナがその年、所属していたのはウイリアムズというチームだった。
　下半身不随のチームオーナー兼監督、フランク・ウイリアムズに率いられていたチームである。
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　　　　　　　　　　　.　-―‐-ミ
　　　　　　　　　 ,: ::, -‐-ﾐ: :: ::｀　、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＿＿
　　　　　　　　　/ 〃[i∨i］ Y: :: :: ::＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「￣￣`' "　　　　ﾞ` ､＿＿_
　　　　　　 〃´￣ ‐-ミ　､_ﾉ: :: :: :: :: :丶　　　　　　　　　　　　　　　　　　.|.|￣" r―､二_　　　　　＿￣|
　　　　　　 {: :: :: :: :: :: : ＼＼:: :: :: :: :: :: ::、　　　　　　　　　　　　　　　　　./　//／　　　`ﾞi　　　　　 .丿
　　　　　　　、: : ,ィ＿ﾄ､＿＼ ＼:: :: :: :: :: :.　　　　　　　　　　　　　　　　 /　/"　 ,,　　､＿_|　　iﾍ　 <
　　　　　　　　Y ﾚ'　　｀ニ¨￣＼_ヽ: :: :: :: :}　　　　　　　　　　　　　　　 .{ ､ { ,.／ヽ,　　　　.|　 i.| |　 |
　　　　　　　　┌ヵ　 ┬‐┬┐　　ﾄ､: :: :: ::ゝ-､　　　　　　　　　　　　　 .| .| .|　 ＝　,　 ＝　|　 |.|.|　 {
　　　　　　　 j_｣_Uj 　 |∪ﾘ ,ﾉ　 ,ノニヽ :: :: :: :: :.　　　　　　　　　　　　　.ヽ} .}　　　 ＿　　　.|　 巛丶ミ､
　　　　　　 r〃⌒｀　 ゝ-'　ィ （ﾆﾆﾆﾆﾉ⌒ヽ　 ﾉ　　　　　　　　　　　　　 ./ （ ,,　　　　'　　 ,..|　 ヽ ） .)
　　　　　 （ﾆ乂　　ノ-‐=ﾆニ）　て_ノ⌒　厶イ　　　　　　　　　　　　　 -"'lノl `''-〃-`‐ '"　〉".ノ"`"
　　　　　　 辷_ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆr‐' 　 　 _＿_,ノ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　`(　　　, ≡　, " `ヽ,
　　　　　　　丶`ｰ＾ｰ＾,ニ´ 　　　-ﾆろ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .￣ |　　　　　 |￣
　　　　　　　　　≧=‐--‐=≦ｱ＾ヾ¨´　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.|　 ,-ﾍ､　 |==二⊃
　　　　　　　∠ア´: : ∠ﾆﾆｱ: :: :: ::ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.| ζ＠γ .|
　　　　　 〃う/ﾆﾆア/⌒Ⅵ: :: :: :: :: :}　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.V"ヾ～"V

　　　　　【マリオ（ナイジェル・マンセル）】　　　　　　　　　　　　　　　　【フランス（アラン・プロスト）】

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　ウイリアムズは、1992年のナイジェル・マンセル、1993年のアラン・プロストと、
　2年連続でワールドチャンピオンを輩出していた。
　1990年代前半、もっとも調子に乗っていたチームといえよう。

　そのチームと、天才アイルトン・セナが組んだのだ。普通ならばドライバーズタイトルの大本命だといえた。
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　　　　　　　　　　,f"　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾞl:､
　　　　　　　　　 ,f"　　　　　　　　　　ﾋ,,__;:-'" ﾉ　〃　　　　　　　　　　小 ﾞl:､
　　　　　　　　　 { i /ﾉ　（　　　〃　　 ､_,,,二ﾌﾞ　　　　 }, , i　　　　　　　|小 .,}
　　　　　　　　　 i; y/　　 ゞ　　　　彡 ）,/,ィ',イ,/　　　ﾉ,ﾉ,|; i;　　　　　 :l | |l,i'
　　　　　　　　　　7　,;f 〃ゝミ三彡,ノ,;ｲf ﾞv' (/〃'彡'彡ｯ'ﾞいﾐ:､　:i　　　ﾍﾂ
　　　　　　　　　 ,{　;{　　,,　　_,;f"ー-ﾆ,,,__　　い'''"￣"__,;:=-‐'''''i; :|　ﾐ:、 :ﾄｧ
　　　　　　　　　..ﾞi､ {　 ,i',i'.,k"　-─ﾓ・ﾅ=ﾐヽﾐヾゝ::-=ﾆﾓ・ﾃ'ｰｧ''ｿ人　い　ﾞli
　　　　　　　　　　 `'ﾝ　{ ﾚl小　　　　￣　　　 ﾞ　`　　`　￣　"　￣ﾉ,ﾄ､ l i ,ﾉ
　　　　　　　　　　　 '{ :､V､ﾞ:|{ﾞi　　　　　　　　　l ::.　　　　　　　　 ,;{ｿﾉl ﾂ,ﾉ
　　　　　　　　　　　　ﾞi､l､ ﾞヽﾞiﾞl;　　　　　 　 　 l ::::..　　　　　　　,i'ｨ'" ﾑ'"
　　　　　　　　　　　　　`:ゝ､　ﾞﾐi　　　　　　　 ､　,,;::''　　　　　　/f'{ il（,　　　　　　　　　余はあの者ほど顎は長くはない。
　　　　　　　　　　　　　　　,ｿﾉ ,∧　　　　...._____..____.....　　　　/〃) ）i
　　　　　　　　　　　　　　　（:i| :;i _lﾞ､　　　　　.,,,__,,,...　　　　 /|〃〃'"
　　　　　　　　　　　　　　　 ﾞi|ﾍ,,ﾆ|　`:､　　　　　　　　　　,r'":l　ﾐＬ_
　　　　　　　　　　　　　　　　　,f　'､,, 　ﾞヽ、　　　　　_,,r''"_,,;-'二l''"
,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,__　　　　　　　　　　j_,fﾞ''-ニー-ﾐﾆ====ﾆ彡'''":-''"l |　　　　　　　　＿＿＿＿＿＿
　　　__,ｨ''''"￣ヽ　 　 　 　 　 ,} ,i`i　,r'二`''ｰ:､`Y",;='ﾆ二ﾐ、 f''"i　　　　　 .／￣ﾞ'''=;zL＿＿＿
￣￣　ﾞli　　　_,,,L---r‐r--f"ゝ{. ﾞナ'"　 `)　|　| .l| f"　　ｲ､_j.l^;＞-ﾆr:,,,∠,,,,,,__ 　　）
　　　　 'li_;;＜　　　　 i､ i､　ﾞヽ､ﾞヽ､,,,,＿_,,.ﾉ .l . | :| ﾞ-,,＿,,ﾆ=''"ノ￣　ﾌ,ﾉ─　 _,,>､　/
'''""l"￣l　 、ﾞ''ｰ-:;,,_　 ﾞi､ﾞi､　　ﾞヽ､　ミ-ー'"j　:| .lﾞ''ー-;ｧ　,／　　　ノノ_,,ﾆ-''"　　>ﾞ'iｰ┬‐┬─
. 彡| 彡|　　＼　　　 ﾞ''ｰ-ﾐ_ヽ　　　ﾞヽ ﾞヽ,r''",,='=､ヾ､,r' ,r'"_,,:ﾆ-ー"￣　　　_,,,r''"　 ト 1　 1

　　　　　【ラインハルト・フォン・ローエングラム（ミハエル・シューマッハ）】

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　その大本命が消えた。
　タイトル争いは一気に混沌としてくる。

　この年、この時点でドライバーズランキングトップだったのは、ベネトン・フォードのミハエル・シューマッハ。
　1991年デビューのこの若者は、ウイリアムズよりも微妙に劣るマシンながら、
　ここ数年何度も上位に食い込む走りを見せていた。
　この年２戦２勝しており、セナ亡き後のチャンピオンの座にもっとも近い男といえた。
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　　　　　　　　　　/.:／　　　　｀ヽ
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　　　　　　　　　　!{　　 _ _ _　　　　　 _
　　　 　 　 　 , .-:'':":´: : : : : : ｀:`: :.':´:.ヽ. __
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　　　　 ,'　　　　　　　　　　　. . . . /: : ::i::. : i:::::::｀、 　 ｀`
　 　 　 i. . . . . . . : : : : : : : : : : : :./: : : ::!:: :.i !:::::::::ﾞ:.
　 　 　 !: : : : : : : : : : : : : : : : : :./; : : .::i:::: ,|:.|::i､:::::::i
　 　 　 !: : : : : : : : : : : : : : : : :.//: : : :/::::/:|:|:::!｀､:::::!
　　　　 i: : : : : : : |: : : : : : : : :/ｲ : : :.ｲ::::/i::l;!::j　 ヾ::!
.　　　　 l: :: : : : : :|: : : : : : : :/'┤: :./ !:;ｲ:ﾊ:ﾘ::l　　 ｀:!
　　　 　 !:.:: : : : : :j: : : : : : :/'{. !: ; ':.!j/ |/　!:/
　　　 　 l ::: : : : : :j: : : : : : :.:: |7ｲ: : |　 ,!　 !'　　　　　　　　　　　あー……やっぱり私がやらなきゃいけないわけだよね。
.　　　　 l:.::: : : : : :.|: : : : : : .:: |'_!|: : :|‐'′
　　　　 j: ::: : : : : :.!: : : : : : ::: !/7 ヾ:|
　 　 　 i: :::: : : : : :|: : : : : : ::::.|/ /´`:!
　　 　 ,!:.::::: : : :.|: l: : : : : : :::::ｌ' /　　｀、
　　 　 !.:::::::: : : l: :!: : : :.: : :::::l /　　　 i
　　　 j ::::::::: : :.i.:.l.: : : :.: .:::::::l ｌ　　　　|
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　そして、もう１人……
　この年、セナと同じマシンに乗っていた男……
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　　　　　　　_,. ニ＝.-:､`:ヽ.、 ＿_　　　　 j!
　　 　 ,. :'':´: : : : : :,:-'': :./: : : : : : : :｀:`:ヽ<､
　 ,.r:'ﾞ: :_:,,: ;　'"／: : : : /: :j: : : : : : : : : : : : :.＼
／'"´　 ／　 , '　 :./: : j: : l : :,: : !: : : : : : : : `:､:`.、
　　　, ': : : : /: : . .i-‐仆: :j: : : : l: !: : :i:. : : : :　｀､:｀､
　　,.': : :/: .:j: : .::::i: :./ |: :.j!: : : :l:ハ:,:-:!:‐ ､　　　｀､｀.
.　/: : :./: .::j: : .::::l: :/　j: :i.|: : : j/　∨: l::::::. : : i .　 ﾞ; i
　': :／j: :.:::|: :.:::/j:./-‐_!:l. !: : :.j! 　 ∨:.!:::::::. : :l: : :! ',|
/, '　　|: .::::l: :::/ヤ示亦ｌ|　i: : :i!　　　V:lＶ::::::. : !:. :.!: i
'゛　 　 !: :::::l: ﾊ　ﾞrＪ::V　l　 Ｖ: !　､　　ヾl.ﾞi;:::::: :j:::. :ﾄ､!
　　　　l: :::::}:l::::!　Lﾆﾉ　　 　 ヾ!　ﾐミニ ﾞ'j::V: : |:V: !ハ
　 　 　 V:/Ｎ::::!　　　　　'　　　　　　￣．l::::::V: !: :V|
.　　　　 ﾞ'　|:| ::l.　　 　 ｰr ､___,　　 　 　 l:::::: |Ｖ|: :.Ｎ　　　　　　　　　　ま、できるとこまで、頑張ってみるっしょ。
　　　 　 　 |:,!: ::`:...、　　ヽ　ノ　　　 　 ,ｲ::: ::l:::i＾ヾ!
　　　　　　 |':l: : ::::::l:::`i:.. 、　　 _,,... イ::::l::: : j::: }　 |
　　　　　　 j: :!: : : ::l::;/´iﾉ ￣　i! ヾ､|::::j:: : :.!::./　 '´￣二､ヽ
　　　 　 　 ｉ: : !: : : :.!　　l.　＿　|　　 ｀i|: : :.l:: l　　　　　-―-'､
　 　 　 　 ,': : ∧､: : i　　 ｢　　.｀| 　 　'!: : :.!:::ﾍ　　　　 ´￣_,)'′
　　 　 　 ,': :.∧:ﾍ:､: |　 　l.　 　 !　　 /: : ∧:: :.|　　 T ´￣
　　　 　 ,': :/　ヾ､ﾍ: |.　　 l.　　j　　 /: :,/　 V::| 　　 |

　　　　　　　　【泉こなた（デイモン・ヒル）】

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　デイモン・ヒル。カーナンバー０……

　この男もまた、チャンピオンの座に近い男……
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　　　　　　　　　　　 ＿　　　 　 　 　 ,､　　　　 .ﾉｿ
　　　　　　-一＝ﾆニ　,,￣ ﾞ'一T￣~!　ヽー- '´'',,_
　　　　　　 　　 　 ,, -‐ ﾞ´: : : : : : : :i!: : : : : : : : : : ::｀ﾞ:.､
　　　　　　　　,／: : : ;; : : : : : : i: : ::|: : : : : : : : : : : : : : ､ヽ
.　　　　　　 ／: : _／　　　　　:i!::: /|: : : : : :i : : :　　　　 ヽ｀,
.　　　　　 /:,, ィ／　　　 /: : : | : / .|: i: : : : |:ﾊ,: : : : . . .　 ﾍi!
　　 　　 /／ ./　. : : : :/: : : ,,|-‐ﾄ､.|: |: : : ::|!_⊥ _ : i: : : ::i: ﾊ
.　　　　/　　/: : :/: : :::i!: :／/|: /　 |::|i; : ::::|　　ヽ｀ヾ|: : : :i!: :|
　 　 　 　 　l: : ::i: : : ::l: : : ./ |/　　 !:| l! : : :|　　　Y: :|:::: : ::| : |
.　　　 　 　 l: : /l: : ::::l: : :/　 | 　 　 !|　l.: ::::|　　　 ヾ:}::: : : |};: |
　　　　　　 l: :/ |: : :::::l: : !　＿＿_,　i! 　ﾍ: ::|＿＿＿i!;:: : ::l::i!::|　　　　　あーはいはい。
.　 　 　 　　!/.　l: : ::ﾊ:!: i!. ━━━　　　 ヽ:|━━━ i!::::: l:::|ﾍ!
　　 　 　 　 l. 　 !: ::{::!,X:|:i 　,,,, 　 　 　 .　 ｀　.,,,,,　・i!::|::::l::::|　　　　　　どうせみなさん、
　　　 　 　 　 　 ﾍ:::|!:｀ﾍ| l　　　　　 　　　　　　　　 l::::|::i!:: |　　　　　　 私が実力不足の二世ドライバーだと思ってるわけね。
　　　　　　　　　　ヾ||:::::|:::::ﾞ's､.,　　⊂ﾆニ⊃ 　 ,..ィﾞ:::::ﾚ' : :|
　　　　　　　　　　　 | ::::|: : : .|::::≧=‐----‐=≦::::|::: : :|:::::::|　　　　　　 ま、あちらさんに比べたら実績も何もないけどね……
.　　 _y⌒ヽ-一ｯ　　|:::::::l: : : :i!´　 {~ 　 　 ~}　　｀|::: : :|:::::: |
　　´　　 　　 <´ 　 .|::::::::}: : : :|　.　ﾍー-一ﾉ　　. l: : : i!､::::::|
　（　　　 　 　 }　 　l:::::::ハ: : : lヽ　　',　　 /　 　 |: : : l /,:::: |
　　ヽ　　　_,,ノ　　 l ::::/　ﾍ: : ::l ､ヽ　ヽ　/ 　 .ノ|: : ://:ﾊ :: |
　　　ゝ一'' 　 　 　|:::::!　　 ヽ: ::l ヘヽ　V　 ／´l: : /' 　 ﾊ:: |
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　……のはずなのだが、誰もがあまり信用していなかった。

　おそらく、今後のＦ１界は、シューマッハを中心に回っていくのだろう。
　誰もがそのように考えていた。

　そんな彼が、今回の話のキーパーソンの一人である。
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. ノ'　 /: : : /: ::/: : : |∧{　　!.:,'　∨: :|　｜∧: : : : :|: : :|＼: :.
　　　,: : : ,ｲ: ::/:∧: :|'　ヽ　 i/　　∨::! 　i/　∨ : : :ﾄ､: :!.　ヽ: ::.
　　　:: : / {: :/: :{∧ |.､_ 二ｘく 　　ハ!,ｲ::.､二,∨: :::|:∧:|　　ハ:!　　　　 あずにゃんは世界一のバンドの
　 　八::{　ヽ:{厶:! : ヽ ゝ-―'''　　　　　｀ ー-' ∧: ::!::ハ!　　　ﾘ　　　　　　　　　　　　　　　　　ギタリストだったようです。
　　　　ヽ. 　/: : ヽ: :{ 　:::::::::　　 _ ' _, 　 :::::::　ﾉ:∧: !: : :|
　　　　　　 ,: : l: : :｀ ＞　._　　　　　　　　 . イ::::::::リ!: : :|　　　　　　　　 S t o r y 1 9 　 「 F r e e 　A s 　T h e 　B i r d 」
　 　 　 　 〃: :l: : :::::Ⅵ: : ｌ＞　..　_ 　 ≦ｌ: : |::::::,': :l: :i: :|
　　　　 ／ |: : :|: : ::::::∨: イ: ソ : : : :〈_}｀ヽ.:,'::::: : :,' : |: :|
　　　 /　　|: : ハ: : ::::::〈: : :､{__ : : : : __|: : :/:::: : :/::: : |: :'.
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　　 ,　　 /|: : i/＼:,: :: : :∨: :|ｲ　,ｘ　ﾌ,':/::: : : /彡' ∨| : '. ＼
　　 i　／ .!: : :　　∧:: : :: ∨:/）/ /　, _,::: : : /,ｲ　　 Ⅵ::::∧　ヽ、
　　_乂　 ,': : ::i　　 ∧: : : ::∨{/ /／, ｲ: : : /〃　　　 }:|: : ∧ 　}
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　　 /　　 {////l//,l下示云',l ∨//!　下示云オ///!/ﾄ､l
　 　 　 　 !////l/,ﾊ　 {ﾊ心　　∨/|　 {ﾊ.ﾃ心 ﾄ,///l//l}ヽ　　　　　　　
　 　 　 　 |////l/l ﾊ　∨zﾃ- ､_∨,!_,-∨zｿﾄ､j∧//lヽ/!､　　　　　　　 ラオウさん死んじゃったから……
　 　 　 　 |//ｲ/l/!/ }（　　 _,.ノ 、∨ヽ､　　　 ）/∧/l'/VI ヽ
　 　 　 　 |/,j ∨ﾘ/八 ｀￣ 　 　 _　　 　｀￣´l///l∨|/,|　　　　　　　　 やっぱり、セカンドの私が頑張らないと。
　 　 　 　 ∨　 　 !//l/＞　. _　　 ｀ 　 _,....＜j///|/∧/!
　 　 　 　 　 　 　 |/∧//-'　　 ､T　 ´ ／ 　,'///{ヽ //|
　 　 　 　 　 　 　 |//∧!､　　　 }　　／　　 ,////l: : }//!
　　　　 　 　 　 　 〉,///l: :＼　　∨´　　＿/////: : :∨∧
　　　　　　　　　 //:∨,∧- ､_:ヽ､,..-:_:´:_:///ｲ/-―-:.∨/',　　　　　　　
　　　　 　 　 　 //: : :＼/l: : : : ヽ: /´: : /イ//: : : : : : :.}///ヽ

　　　　　　　　　　【黒こなさん（グラハム・ヒル）】

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　さて、みなさんは、グラハム・ヒルという人物を覚えているだろうか。

　1968年、チームメイトであったジム・クラークの死によって、ロータスのエースドライバーとなり、
　ジャッキー・スチュワートを打ち破ってワールドチャンピオンになった人物である。
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三/∧　　　 　 　 　 ／:::::::::::::/:::::::::::::/::::/| :::::::::::::: |'.:::::: l::::::::::::::::::':::::::::}:::'.
Vﾊ　∧　　　　　　 /::::::::／::/::::::::::::::;′/ .!:::::::::::::::::|. '.::::::l:::::::::::::::::::':::::::l::::::.
..Vﾊ　∧　　　　　./:::::／}:::/::::::::::::::::l::::/ ,. V::::::::::::: |　､'.::::l::::::::::::::::':::':::ﾘ:::::::!
　Vﾊ　∧　　　　/::／　/:::l:::::::::::::ｰ十/ ´　.V:::::::::::::|　 ｀ー-r:::::::::::::':::V::::::: !
ﾑ Vﾊ　∧　　　 }:/　　.′l::::::i::::::::::::|/　　 __.Vﾄ､::::: | ＿＿ヽ}ﾍ:::::::::::{:::';:::::::l
':ﾑ.Vﾊ　∧　　　j′　 .!:::,l::::: |:::::::::/ｵ三并ｲ V! V::::| 示だ笠ｵﾊ::::::::|::::V:::ﾘ
..':ﾑ.Vﾊ　∧　　　　　　|/.|::::/|::::::::ハ { lo::::::l　}!　V::L ﾋｧ::::::ﾘ {:::ﾊ::::::h::::}:::{　　　　　　　　強引にでも今飛ばないと、
　':ﾑ.Vﾊ　∧　　 　 　 .|　|:/　V::::|:::∧ か少 .ヽ==/ﾍ L_:::::/　ﾊ::∧:::|jヽ|:::l　　　　　　　　予定通りに進まないから……
　 ':ﾑ.Vﾊ　∧　　　　　　 |′　.V::}:::ゝ}　￣　　ﾉ　 '.　　　￣ ・ﾉ/:::::ヽ|::::::::::|
...　':ﾑ.Vﾊ　∧　　　　　　　　　 ヽ|:::::::ヽー‐ '´　　　`ー--‐　}/:::::::::ﾊ!::::::::::l　　　　　　　 って、えっ、あっ、あれっ？
. 　 ':ﾑ.Vﾊ　∧　　　　　　　　　　 }:::::::::::＞-　..__r‐_､＿..　イﾘ:::::::::,'::{:::::::::::::!
..　　':ﾑ.Vﾊ　∧　　　　　　　 　 　.|:::::::::l:::::::::::::（: ー┴‐= ¨´ﾊ:::::::/ハ:::::::::::::',
　 　 ':ﾑ.Vﾊ　∧　　　　　　　　　　!::::::::l::::::; イ/ﾊ: : : : : : : :/!::::::::}´:.:.:.丶::::::::.
. 　 　':ﾑ.Vﾊ　∧　　 　 　 　 　 　 '::::::::l:／:.///f: :ー- : : //!::::::/:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:::::
　　　 ':ﾑ.Vﾊ　∧　　　　　 　 　 　 '.::::::|:.:.:///,/: : : : : : //ﾘ::::::,′:.:.:.:.:.:.:.:.:':::::
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　　　　':ﾑ.Vﾊ　∧　　　　　　 .{　｀Vﾊ:::l: l///l: : : : : : :,/V　　 ｀¨ヽ:.:.:.／:.:.:.:.:'.:}
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　しかし、そのグラハム・ヒルは、1975年、操縦していた飛行機の操作を誤り……
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＞　　==　　＝=　＜　 《　　 　 　 ｜ 　｜ 　 　 　　 　 　 ┌┐
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o ;@｡(@);; ∴o｡oﾟ｡oﾟ@ ;; o( ∴@7三三＝―　　　　　　　　》　　　　　　　　ミ､､`(＠):o｡o:'｡o ;; ﾟ:o｡o';; ﾟ:o｡o';; ﾟ:o｡o'
｡oﾟ@ ;; o(＠)｡,,0｡｡ﾟ.,｡o @)oﾟ;;`゜《三＝　　　　　　　　　　　′ 　　　 　　　　》@)oﾟ;;`゜(＠(＠)'.:o@)ﾟ.`゜(＠(＠)'.:o@)ﾟ.
｡oﾟ@ ;; o(＠)｡, ;; ∴o｡ﾟ(＠)'.:oﾟ.,｡o ,､三三三三＝―　　　　　　　　　　＿.ノ(＠)'.:oﾟ｡o ;; ﾟ:(＠):ﾟ｡o ;; ﾟ:(＠):o｡o.,｡
0｡(＠)o ;; ∴@ o(＠) (＠)(＠)｡o::)｡,(@)oﾟ:(＠):(＠)o0｡ﾟ(＠)o ;; oﾟ:(＠):(＠)o0｡ﾟ(＠)o ;; :(＠):＠∴＠)o ;; :(＠):＠∴
ヽ|〃ヽ|〃ヽ|〃ヽ|ヽ|〃ヽ|〃ヽ|〃ヽ|ヽ|〃ヽ|〃ヽ|〃ヽ|ヽ|〃ヽ|〃ヽ|〃ヽ|ヽ|〃ヽ|〃ヽ|〃ヽ|ヽ|〃ヽ|〃ヽ|ヽ|〃ヽ|〃ヽ
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　……飛行場の近くのゴルフ場に墜落死してしまう。

　この飛行機には、当時ヒルが率いていたチームの主要なメンバーが全員乗っており、全員死亡。
　チームは消滅してしまう。
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／ 二ニヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 /.:／　　 　｀＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 |:/
　　　　　　　　　　　　　　 _ , ;; -―――‐--'-、',{　　　　.-;
　　　　　　　　　　　 ,.　''´: : : : : : : : : : : : : : : : : : ‐--'´: : |､------- ..__
　 　 　 　 　 　 　 / : : : : ／: : : :／: : : : : : .: : : : : : : : : : : /　: : : : ＜´￣￣
　　　 　 　 　 　 /: : : : :/ : : ;／. . .: : : : : :/:: : : : : : : : : : /:::. : : :ヽ: : :＼
　 　 　 　 　 　 /: : : : :/: .: :/ : : : : :.: : : /:: : : : : :./: : : /|: : : : : : : :＼: : ＼
　　　　　　　　 !: : : : :/ : : :/ : : : :λ:: :/:.: : : : : ;ｲ: : : :/ .|:: :|､:l: : : : :ヾヽ : ＼
　　　 　 　 　 .l: : : : :/.: : /:.: :/: /　|:.:/:::＼:;／ /: : : :/　 |:: :|:｀!: : : : :ヽ ＼ ヽ
　　　　　　　　| : : : /: : /: : / ::（__,ﾉ:/:_:_;／＼/: : : :/　　,|;イヽ |: : : : : :ヽ　＼!
　　　　　　　　|: : : |: : /: : / :: : : :;:ﾏﾃ弐ｧ､　/: : : :/　, ∠ｊ:;/∨'.!､ : : : : 丶
　　　 　 　 　 .|: : : |: : |.:.:/|: : : : :./'´f‐':ﾊ;;:}` !: : :/　 ,ｨﾁ弐テ7: : :| : : : : :ﾉ
　　　 　 　 　 .|: : : | : :|/:.:.| : : :.ｲ 　 Vゞｨ:;ﾘ /: ／ 　 .ん';ｭ:} ,'ﾊ: : : |.: : : :/
　　　　　　　　ｊ: : :::|: : :|.:.:.:|: :/V´ , 　｀-‐'"/／　　　 V:ｨ:;ﾘ,/:| |: : : | : : :/　　　　　えっ、保険に入ってないって！！！！！！
　　　　　　　　|: : :.:|: : ::{|/.|;/　　（ｊ　゛　　./'　　　　｀　`ｰ"/:::| ,|: ::/} : :/
　　　　　　　　|: : :.:ヽ: ::ヽ､__,,　　 　 　 /´￣`ｰ--､,　　 ・ .{:::|　|:;/　|:./　　　　　　無理無理無理無理無理無理、
　　　　　　　　|: : : ::|:ヽ､:.: : : :ヽ｀ゝ.､__ ヽ､_＿＿_:;;ﾉ　　　 ｊ:::|　ｊ/ 　ｊ;/　　　　　　 そんな莫大な賠償金、払えないって！
　　　　　　　　|: : :.::|::::::::;>-──-､:ヽ ＞‐-､_ 　 　 　 ,.ィ´::::|　　 　'´
　　　　　　　　|: :.:.::|:;ｒ,'´　 　 ｒ-‐､ ＼.:.:.| :::::∧:::爪:::.:/|::::::::::|
　　　　　　　　|: ::::;/'´　　　　　 　 ｀~⌒＼:.:.:ヽﾍ:::ﾉ:::/ .|:::::::::| 　 　 　 　 　 　 　 ,r‐‐､
　　　　　　　　|::／{　　　　　　　　　　　　　＼:.:.:ヽ ￣￣￣￣￣￣｀ヽ┬┬､　_,ﾉ ,/二__
　　　　 　 　 ／　 ｊ　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ＼:.:.:ヽ　　　　　　　 　 ﾍｉ　|　|~　　 ｒ‐-‐'
　　　　　　　 ＼　 ｀ヽ　　　　　　　　　　　　　　 ＼:.:.:ヽ　　　　　　　　 }　|　|　　 ﾒ､

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　その結果、グラハム・ヒルの遺族は、莫大な賠償金を支払うことになるのだが、
　グラハム・ヒルは飛行機事故を保障するための保険に入っていなかった。

　そのため、グラハム・ヒルの遺族は、その賠償金を全額、自分たちの財産から用意しなければいけなくなった。
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ／´￣ヽ､／　∧　 ￣｀ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　 　 　 ／　 　 ,､／　　（_,ﾉ　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 / 　 　 ,/　　　　　　　　　　　 ヽ､l　　　　　　　 　 　 　 　 ﾉ|　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　 　 　 |　　 ／|　　　　　 　 　 　 　 ,　　 ＼　　　　　　　　　　　（_ﾉ
　　　　　こーなった以上、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　∠/ :|　　　 　 　 ＼::...　 (ﾉ　　 　 `ｰ-.､＿__
　　　　　私も働かなきゃいけないよね……　　　　　　　 　 　 |　:|　＼_＿__　　 ､二ﾆ=-　　　　　　　　　`ｰ-､＿,ノ〉
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　:| :|　＼　 .＼＿,＞ュ:::＼　　　　　　　 　 　 　 ｀ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　 　 　 　 　 | ,∧ﾄ､　 ﾄ､__,|　 |ﾉ7'´　ｉヽ:::､　　　　　＼ﾆ==‐-､＿_ ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∨　　 ＼|　　|　 |　|　　|､ ＼V　 　 　 　 ＼　　 ＿__|￣`
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 |ｉ　| 〈_＿,,〉､＿∨ :|..::::|ﾊ　　∧／::::ﾊｊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ﾉ| 　 　 　 　 ||　|　 |　 | 　 | ::|∨|‐-|　|＼　 | ::::|:::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（_ﾉ 　 　 　 　 |'|/ 　 |　 | 　 | ::| | |＼|　|　/＼|　:|:::::l__r=,ュ=,ュ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 <^'＿,ﾉ　 r'__,〉|ﾉ　 |ノ_,/|　　￣￣￣| |=={|=={
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　デイモンは、グラハムの息子である。当時15歳。

　このような状況になってしまった以上、生計を得るために、彼は学校に通いながら働かざるを得なくなった。
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　　　　　　　　　 , :': : ／ : : : : : : : : : :.j: :.|: : : : i::i: : : : : : :､: : :＼
　　　　　　　 .／:_;.／　　　 . . . . : : : :.i: : |: : : : |::;i　　　　　:＼: : ヽ
　　　　　　／ ''",:': : . . : :／: : : : : /: ;j: : ;!: : : :.|::| i:.V: : : . . 　｀､: :ﾊ
　　　　　／　　/: . : : : :/: : : : : :;;/-/:|: :j !: : : :.l::|　i:‐:-. ､: : : : :ヽ: :j
　　　　　　　 ./: : : : :::/:/: : : ／:/:/　.!: j. i: : : : l:|　 ､:.Ｖ::. :＼: : : ﾍ:.!
　　　　 　 　 i: : : :::／:.i: : : : :.:::;ｉ:/　　l: l.　V: : : i! 　 ﾞ､:.V::. : : : : i: :ﾍ
　　　　　　　i: : :／ /: l: : : : :::/ｌ/　 　 l:| 　 V: : :.!　　 ﾞ:､∨: : : : : i: :ﾊ
　　　　　 　 l :/　　i: ;ｲ: : : .::〈 / -―￢!　　 Ｖ: :.| ―‐- ﾞ ∨: : : : ﾄ､: :i
　　 　 　 　 l/　　 l:/ .l: : : :::ハ ZZニニ　　　 ＼:l.ニニ二Zヾ:.: : :.|,!ヾ:.!　　　　　こんちわ～っ
　　　　　　　　　　/　 .l: : : /l::ﾊ　　　 　 　 　 　 ヾ　　 　 ･ ハ: : : |　 ヾ
　　　　　 　 　 　 　 　 l: : ,!:i::::::i　:::::::　　､__,,､＿,. 　 :::::::　/:l:::V: :.|　　　　　　　 「らき☆すた」印のバイク便で～す♪
　　　　　　　　　　　　　V:lj:j: ::::ﾄ､　　　　 {　　　} 　 　 　./:::!:::::V:.i|
　　_,,.､,r－､．‐ ｖ⌒i　　V;:l: : ::!:j:::`:i::.-...,,_ﾞ_ ‐ '_,,. ...-r:'"::|:l::::. :lＶ:|
　〈　　ヽ　　ﾞ:,　 ﾞ:　 |　　/::!: : :l::l:::::::|:::::::_丿　　ﾞ:､:;::::::|:::i:::|:!: : :j:: :.|
　 ヾ:､　 ﾞ:、　:,　 「￣￣￣￣￣￣￣￣|　　　　　 |｀`''‐i､:|l: : :.!:: : |
　l￣`ﾐ､ｰ' --'､__,!　　　　 　 　 　 　 　 |　　　　　 |　 　 ! ﾞ!: : :l:::: : |
　ﾞ､丶､ノ　　　　　　　　　　　　 　 　 　 |　　　　　 |　　 .l /: : /:::: : :|
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　　　 |　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 |　　　 ｀`'i　 　 l/: :/::::::::: : :|

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　まず、デイモンは、バイク便の仕事を始めた。

　どうやら、モータースポーツを身近に感じる人は、生計を得るための仕事も、乗り物関係になりがちなようである。
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.　　　　　　　　　　　　 　 | !
　　　　　　　　　　　　　　乂＿＿＿
　　　　　　　　　　　　 . ‐　　 　ノ＼｀´￣＜´
　　　　　　　　　　　／　　　 ﾊ　 　 }　　　　＼
　　 　 　 　 　 　 　 　 / ＼/∧ 　ｿ∧./ 　`ミﾍ　 　 _
　　　　 　 　 　 　 |　.//　./＼ ∨ /_ノ{　i .ﾊ .!｀　 ./ｿﾌ
　　　　 　 　 　 　 |　i/!　/ _＿_,∨　＿Ⅵ } リ　 _///{/)_
　　　　　　　　　 ノ 八{ ∧ 三三　 　三・|/　　／乂_,/_ノ
　　　 　 　 　 ∠イ´　.リ八　 　r─ｭ　 ,ｲ′／}＿二う
.　　　　　　　 　 /　 　 | 　 ＞ . ＿　イ ﾙ ´L＿／　　　　　　　　あとやっぱり、手っ取り早く金稼ぐには、
　　　　　　　　 /　　爻{＼　＼＿ﾄ-r |　|　 ／　　　　　　　　　　 何かで賞金稼ぐことだよね～
.　　　　　　　 / 　　艾⌒ ､ 　 i::: |: :|_从j ´
　　　　　　　/　　　/:∧　　.＼}::::|: :|　 人　　　　　　　　　　　　　私も乗り物好きだから、バイクのレースでも出よっかな。
.　　　　 　 　 /　 〃: :∧　　､ .:::::!: :! ´　 |
　　　　　　| /{　　｀ﾌ: : ∧＿_＼/: /　.!　.|
　　　　　　| | |　 ′〉===ﾊ三三} 〈 　 |　 !
　　　　　　| | | ./ ./! : : : :∧/二L:::.　 !　.|
.　　　　　八{ ∨ く : : : : /::::}ﾆし_|::::::. j　 |
.　　　　　　 ｀ .|　./￣￣|＿{ li l　',￣ ､ У
.　　 　 　 　 　 ､/ : : : : / /.Vﾚしｿ.:: : :＼
　　　　　　　　 / : : : : / / 　 　 ＼ : : : : : :.
.　　　　　　　 /! : : :.:./ .i{　　　　　|＼: : : : : :.
　　　　　　　/ :}: : :.:∧　|　　　 　/　∧ : : : : ::.
...　　　　　 / : : : :イ　乂{　　　∠__ノ 　､ : : : : ::.
..　　　　　/: : : : : /　　　｀　　　 　 　 　 ＼ : : : ::＼
.　　　 　 ′ : : : /　　　　　　 　 　 　 　 　 ＼: : : : :＼_
.　 　 　/ : : : : :/　　　　　　　　　　　 　 　 　 ｀L二ﾆ="L_
　　　 ム＿＿_{　　　　　　　　　　　　　　　　 　乂三三寸L
.　　　　}三三ｽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ヾう_)_)ｿ

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　一方で、バイトで稼いだ金を少しずつ貯めてバイクを買い、
　賞金を稼ぐために、レースに出ていたようだ。
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　　　 　 　 　 　 　 　 　 ＿＿＿
　　　　　　　　　　 　 　 ＼;:;:;:;:;:;:;:;:＞-,,
　　　　　　　　　　 ＿ 　 　 `.＜;:;:;:;:;:;:;:;:＞┐
　 　 　 　 　 　 ／;:;:;:ﾍ　　 　 　 二|;:;:;:;:;:;:;7
　　　　　　　／;:;:;:;:;:;:;:ﾊ　 　 　 ｀ヾ:!;:;:;:;:;V
　　 　 　 ／;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:ﾄ,　　　　　 !;:;:;:;V
.　　　 ／;:;:;:＞''´ _`＜;:;:;:ヽ/:＼＿,,!;:;:;V
.　　　 ￣￣　　 ｲ ',._-_:‐:‐:|: : : : : : : : ､:｀: .、
　　　　　　　 r‐ ._'.,.'／´: i.:,!: : :|:i!: ､: : :丶: : ヽ　　　　　　　, -_ _
　　　　　　　　｀''‐ﾌ= , ７:ﾚ‐!: : |:!'⌒､: : : :＼: :i　　　 　 .／ 　＞"
　　　　　　　　　　ミー j ;1! ∨: l|　ヽﾄ､: : : :ﾄﾞ:､. 　 　 ／ ＞‐"
　　　　　　　 　 { Yー‐!:{ |Lz,,Ｖ:.{ ﾆ弐ｬ:､: : !: :!　-=< r￣
　　　　　　　　 　 ト　 」iﾊ｢l､,l　ﾞ､:. ﾄイl' ハ: l ;! ノト,. Y
　　　　　　　　　　j　Tﾊl:::i└'　　` ￣ ・i: :ﾍ:|;/ﾄ ヽ ｙ'
　　 　 　 　 　 　 !　 | ノ: :ﾄ;::._ ｰｰ' .;;;;;ｲ- 、／ｲ- ┘
　　　　　 　 　　 | ,, -'': ／ー‐´￣,.:':/　 ／人 .t- ィ
　　　　　　　　 ,,イ: :／_　＿,;-;,／ ;'　／／　 `‐!　ﾊ
.　　　　 　 　 _ ,,-ヽレ: r"/ !;:;:;,.'/;:;Y´／: '' ‐-__ 　ノ_＿__
　　　　　　,..'　　 ／, ーﾌ: :j;:;/ /／,イ: : : : ﾄ,＜:_:_: : : : : : : ‐: .、
　　　　　,.'　　／／　／: : :ﾚ ／／;:;! -''' フ: :＼,.　￣￣￣'''┐;:}
　　　　 ﾘ　　.{: レ:'': : : : ノ ￣,--￣.　／ノ :_: : : : ＞. ._ 　 ／／
　　　　　　　,. ': : : : :/ L,　 j　／ , -'／-_, '　ヽ; : : : : : ￣く、
　　　　　 ／: : : : : : !　_ >< ,.' ／／:￣ヽ;:ﾄ,_ ノー'''￣ '''ヾ: :トヽ
　　　　,.' : : : : : : : : :! j `　ﾚ //: : : : : : : : : : }　　　　　　ノ: : ! ﾘ
　　　　 イ: : : ＞‐"　!　　　//: : : : : : : : : : :ﾉ　　　　 ／: :,ィ:ﾚ''
　　　　　 ﾘト; L -ー !.　　/.,.': : : : : : : : : ,.:',--ーｺ''´ : :／　!!
　　　　　　ヾ__ ￣　 ゝ-ノ./: : : : : ＿ ;_／ノヽ;;;r'': : :／　　ノ
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　　　　　　　　　　　 　 ﾊ: : : : : :_ -‐''"￣ ｀ヽ: !ﾊ
　　　　　　　　　　　　　ヽ:_:_＞ｲ__. 　 　 　 　 ';;;;;|
　　　　　　　　　　　　　　ゞ ; : : : : `丶　 　 　 ﾍ;;!
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　`＜: : : ヽ‐ト、
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　一方で、デイモンはギターをよく弾いていて、プロ級だったといわれている。

　一時期、「セックス・ヒトラー・アンド・ホルモンズ」というパンクロックバンドで演奏していたという。
　おそらくこれも演奏料を稼ぐための手段だったのかもしれない。

　しかし「セックス・ヒトラー・アンド・ホルモンズ」とは……
　どこかの４人組とどこかの６人組の影響を受けてるのが、なんとなく分かるようなネーミングセンスである。
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　　　j: : l/: : .::j: : : :':´: :./l:./`ﾞ　!j: : : : :.!: : l`'゛V: :.!::::::. : :.V::.: : V:ﾍ　 ＼ﾞ、
　　　l: :./: :.::::j: : : : : : :/.j:/　　 :||: : : : ﾊ: :.j　　∨:.|V::::. : :.i!:::. : :.!､:ﾞ',　　 `
　　　!:./: .::;:イ: : : : : :/_/ﾞ-―　 |!: : : /　!: !--- V:.| V::::. : :.!::::. : :!｀、!
　 　 !:l: :／_:l: : : : r主圭王羊　.|: : :/　 :|:.E玉圭主ｮ∨::. : j:::::. : :!　Vi
　 　 lj:/|:./ i: : : : :У.|:::::;;;;::::|　 l: :./　　 !:,!|::::;;;;::::,!/ λ::: : :!:::::: : l 　 ﾞ}
　 　 }': j: ﾍ !: : : :∧　!V　 С　 !, '　　　j/ lV　С　 /:::i::: : l::::::: :.j
　　　l: :l: : :ﾞ|: : :∧::l　ヾ、__ﾂ　/'　　　　　 ヾ､_,ﾂ　 ,'::::::ｉ:: :ﾊ:::::: :,!　　　　　バイクのほうでも優勝できるようになってきたけど、
　　　.!:.!: : : |: :/:::ﾍ::i　　‐''"´　 　 　 、 　 ｀`'''‐ ・ i:::::::::!:/　!::: /　　　　　 レースやるなら、やっぱり４輪のほうが楽しそうだな……
　　　 !j: : : :.|∧: :::ﾍ:j.､　 ' '　　　　　　　　 　 ' '　,ﾉ::::::: l/　 |:::/
　　　 li: : : : .::|ﾍ: : ::ﾍi:::;＞:...,_　 　 ´｀　_ ,,. ,-::''ﾞ:|:|:::::: : :! 　 !/　　　　　　　でも、今でもお金、ギリギリだし……
　　　 }: : : : : :|::ﾍ: : : ﾍ . 　 {'゛｀` ''''' {´| `ヾ{::::::::::!|:: : : :.| 　 '′
　　　.!: : : : :,:-＜ﾞ､: : :.ﾍ　　l ｰ-､　　,-l　 　 ｀ﾌ7||: : : : l
　　　l: : :.／　　　ヾ､: : :ﾍ.　 !'´￣￣￣|　　　// |l: : : : l
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　そんな中で、徐々に自動車レースのほうへの興味が強まっていた。
　父グラハムが登りつめた頂点……F1のワールドチャンピオンになりたい。
　そんなことをデイモンも思ったようだ。

　しかし、参戦するには、金がなかった。
　スポンサーになってくれるような企業もなければ、自分の家に金があるわけでもない。
　彼にはレース用のマシンを買うことすらできなかったのだ。
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,../´ ヽｰ―――--　､
　　　　　 ､ｰ-　..__　　 ＿＿,. ‐'´:/: : : : : : : : : : : : : : : : :｀ヽ､
　　　 　 　 ｀丶､　 ￣ ,..　'´: : : :/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ＼
　　　　　　　　　,.＞ '´ : : : : : : /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ＼
　　　　　　 ,.　'´／: : : : : :/: : : |: : : : : : : |: : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ
　　　　　／ ,／: : : : : : : /: : : ,.!: : : : : : : :l : : : : : : : : : : : : ＼ : : : : : ';
　　　 ／:,. '/: : : : : : : : /: : : / | : | : : : : : |､: : : : : : : : : : : ヽ: ヽ : : : : |
　　／:／ / : : : : : /: : :l : : /　 |: :l:!: : : : : | ヽ:__: : : : : : : : : :!: : ',: : : : |
　 /／　 /: : : : : :/: : : :!:,. /-､　l: : !: : : : : l ''´＼｀ 丶: : : : : :l: : ﾊ: : : l
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　　　　 |: :/ |: : : |: : : : :!:| ヽ!￣｀ヽl:! ヽ : : |. ´!￣￣ l'７、: : :| ,!: : | : |
　　　　 | /　|: : : ,!: : : /|' ヽ 'r'､__,|　!　 ヽ: :l　 r'､__ﾉ | l:|ヽ: : |´ヽ: ! : |
　 　 　 |/ 　 !: :/ ヽ: : ! |: : '､ヽ___,! 　 　 ヽ: !　ヽ.＿,ﾉ |:|: ヽ: |-‐ﾍ|: : |　　　　　へぇ～っ、この人、F1が好きだったんだ……
　　　　 ＿＿ヽ:|　 ヽ: | |: : : !　　　　'　　　ヽ!　　　　 ･|:|: : ヽ|: |: : : : :|
,. -‐ ' ´＿＿ ｀ 丶､ ヽ! !: : : ヽ､,. -‐ '"￣￣￣ ｀丶＜!:!: : : :|: :l: : : : :|
‐　'"´　　　　｀ヽ､　 ＼ |: : ,. ''´ ,. -‐ ''´￣￣ ｀ '' ‐- ､｀ヽ: : ト ､! : : : |
　　　　　　　　　　＼＿∨´　／　　　　　　　　　　　　　｀'ヾ. |／＞ ､: |
､　　　　　　　　　　　ヽ　 ｀ヾ 　　 　 　　　　　　 　 　 　 　 |:l／　／ ヾ、
ヽ　　　　　　　　　　　ヽ　 　ヽ　　　　　　　　　　　　　　r--┴､／　　　',
(｀丶､　　　　　　　　　 ヽ　　 ヽ　　　　　　　 　 　 　 r--｀=-　 ヽ　　 　 !
.〉-｀､´._ 　　 　 　 　　　ヽ　　 ヽ　　　　　 　　　　　　( ' ｰ-　 　 ヽ　　　ヽ
ヽ ---‐'､　　　　 　 　 　 ヽ 　　ヽ　　　　 　 　 　 　 　 ｀丶､　　　 ＼　 　＼
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　そんなある日。
　デイモンは趣味の音楽雑誌を読んでいた。

　その雑誌にはあるミュージシャンの記事が掲載されており、
　その人物が、F1が大好きなんてことが書かれていた。
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　　　　 　 　 　 ／ '´　　｀ヽ
　　　　　　 　 //
　　　 　 　 　 !i　　　　　／:ヽ-.‐: : :ﾆ二＝‐
　　　　　　　　ﾞ､　,. : ':": : : : : : ､: :、　_ .｀.ヽ､
　　　　　 　 　 ゝ゛: : : : : : : :　. .:i、:ヽ: :｀ヾ､_:.＼
　　　　　　　, ':i: : /: : : : :ﾄ､: i: : :.i x-ﾞi: : : :.ヽ　｀`
　　　　　　 /: :.!:/　. .,.-|:.| ∨!: : :l　ヾ:i,: :ヾ:. ｀､
.　　　　 　 i　　}l. : : /: i'| |　 !|、: | _,,⊥!: : i;::: :｀､
　　　 　 　 !. : :l: : : : : :! |:|,,.、l|ヾ:| 彳ﾊ`ﾄ､:.|｀ヾ:.i
　　　　　　 l: : !: ;l: : : :!ｯi"､ﾊ 　 ﾘ　 ､_j! l ヾ!　 ヾ
　　 　 　 　 V:|:/:.!: : :!ﾍ' ､__j!　　　　`゛ ･|i　　　　　　　　　　　 ……この人、スポンサーになってくれないかな？
　　　　　　　ヾ": : !: :,! i　`''"　　　。　 ／:|
　　　 　 　 　 i: : !: l ハﾊ.＿＿＿,.／）|:: : |
　　　　　　　　|: :!: : {: : :ヾ;|　r く,/　ﾑ:.!: : |
　　　　　　　　j:/: : :∧: : : :＼ヽ＿　｛.:ﾄ: :.!
　　　　　　 　 l/: : /==`ｰ､: ＜!三ﾐﾐヾj Υ
　　　　　　　 /: : : |=＝==≧ｼl二`ヾﾐﾐ｝｜
　　 　 　 　 /: : : : !、　　 　 |　　　｀ヾﾐ!　!、
.　　　　 　 /: : : : : :}ヽ 　 　 |　　　　　ﾉ`ヽ｀、
　　　　 　 !: /: : : :.∧｣:､　　 　 　 　 /　　　,l
　　　　　 l: /: : : : ;': /.ﾊ ＼　　　　,/　　 ／
.　　　　　l.:,!: i : : :i!:.(　　＼_〕ト､_ノl_,.ィ'｢
　　　　　l:.!|: :!: : :.!|: ;>､　 　 |`ァ''＾ヽ |く
　　　　　|:l l: l: : : l／ / `ｰr-l∠ィ"＾ヾ、ヽ

　　　　　　　　　,,=＝ニ＝､､
　　　　　　　　//　　　　　　ヾ
　　 　 　 　 　 l|　　　　　　,､ `
　　　　　　,.-.‐┼.──‐´: ├─.-.-､._
　　　　／::.::.／::.::.::.::.::.:l::.::.::l:.::.::.￣ヽ￣￣`
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　　|:.:://:l.::.::.:〃/　　l |.:/　　l|ヽ:.::.l.::.::.::l　ヾ､
.　　l:.l/:.:l.::.::./ /　　 ´l.:/　　 ll　l.::.l.::.N:.:l
　　 l.::,r┤:./l 三三　 l/　　三ヨﾍ人/ ヾl
　　│ヽ l:/::.l　　　 　 　 ,　　　・l:N:.:/　 `
　 　 l:l:.::.ﾚ:.:丶_"　　 ｰ'ｰ　　"_人l:./　　　　　　　　　　　　 とりあえず、手紙書いてみよう。
　　　ll:.::.::.l::.::.l:.＞┬-,､..-‐:T:l:.::.ﾊ/
　　　l.::.::.:ヽ.::.Y　Y　　'┤､::.:l.l:.::.l
　 　 l.::.::.／l:.::ヽ　「￣｀l　　>l:.::.:l
　　 /.::./ミミﾐ､:.l　 l　　l　 彡|:.:/
　　/:.:/　｀｀ ﾐヾ:l､､ヽ　l 彡/l.:∧
　 /:.:/　　　 l　lVミミヽl彡/l l/ ヽ
　 l.::.l　　　　 l, `､＿ヽl／ノ |　　ヽ　〃
　/::.l　　,　　‐L　／　 l　 ヽ.l　　　 〉/
　l:.::l ／　 ,─,,ュ'､､_　ﾊ　　l|　　,-l/-､
│:.:|´　　// /　､ ､ V　ヽ　 l　/､/, ,　｀l
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　もしかしたら、この人、私のスポンサーになってくれるんじゃないか？

　そう思ったデイモンは、その人物あてにスポンサードを依頼する手紙を送った。
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　　　　　　　　　　　　　　＿＿
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　　　　　　　 ,　':: :: :: :: :: :: ::i :: :: :: :: :: ::｀.. .､
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　　　 ':: :: :: :: :: :!::,' ' ::! :: :: ::|, :|:: :: :: !:: :: :|:: :: :: i´ :',
　　　i:: :: i :: :: :,'リ　 ' |', :: :: :!' :i,:: :: ::| :: :: |:: :: :: |:: ::i
　　　|:i :: |,:: :: :!　　　ﾘ ヽ :: :| '､!ヽ :: !:: :: ::!:: :: :: ! :: |
　　 .,ﾘ:', :|::, :: :|　 ､　　　'.,:: :!　ノ ヽ,:|:: :: ::|,-, :: :|:: ::|
　　.,' :: :V! ::ヾ,|　　｀　　　ヽ,| ´　　 ｀!:: :: :|　 , :: !:: ::!
　　i:: :: :: |::: :::|｀ 　 ._　　　　 　 _　　 |:: :: :|　.}/ .| :: :|
　　|:: :: :/!:: :: |　　 'J　　 　 　 'J 　 .|:: :: :|／ 　.! :: :!　　　　　　　 こなたさん、ねえ……
　　|:: :: i. |:: :: |　　　　　　　　　　　　' :: :: !　　　.| :: :|
　　|:: :: |. |:: :: :ヽ,　　　　　　　　　　/|:: :: ,' 　 　 | :: :|　　　　　　　 またいきなり手紙送ってきたけど……
　　|:: :: |　ﾘ:: :: |　> ,　　_ -　 　,.／　!:: ::,'__.　 　| :: :|
　　|:: :: i　, ! :: :!´　| ／ ｀‐ヽ_´　./ .,'!:: :'　　｀ ‐-　､!
　　|:: :/´　 ヽ, |　／　　　　　｀_/　,' | :,'　　　　　　 i|
　　|:: :i　　　　｀ /￣￣ ＼　　,ﾉ /　 !/　　　　　 　 |
　　|:: :',　　　　 ,　　　　　　ヽ<､/ 　 |'　　　　　　　/!
　　|:: :: i　　　 !　　　　　　　//ヾ, /i　　　　　　　,':: |
　　|:: :: |}　　/　　　　　 　 /i' 　 | /　　 　 　 　 / :::|
　　|:: :: |i　 /　　　　　 　 //|ヾ_.//　　　　　　 /|:: ::|
　　|:: :: |{　i　　　　　　　/,'　| 　 ,'　　　　　　 / .|:: ::|
　　|:: :: |ヽ.|　　　　　／　i　　　/　　　 　 　 /　 !:: ::!

　　　　　　【中野梓（ジョージ・ハリスン）】

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　その人物とは、ジョージ・ハリスンのことである。

　確かに彼はF1好きで、よくサーキットに出入りしていたが、
　デイモン・ヒルのことは知らなかったようである。
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　　　　　　　　 ／:.:.:.:.:/:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼
.　　　　　　 　/:/:./:.:/:.:/:.:/:.:..:.:.:.:.:.:i:.:.:.:.:.:..:.:.::.:.:.:.:.:ヽ　　　
　　　　　　　/:.:.:/:./:.:.,':.:./:ｌ:.:..:.:.:.:.:.:!:.:.ｌ:.:.:|:.:.:.:.ヽ:.:.:rｰト､　
　　　　　　ィ}:.:./:.:.':.:.:.::.:/:.:l:.:.:.:.:.:.:l:.l:.l┼:.:l|:.:.:.:.:.:i:.:.l:.:.:.:.:..ヽ
　　　　　/:.:.:l:./:.:.:!:.:.:.:./斗l:.:.:.:.:.:.:l:.l }小j:.:l:.:.:.:.:.:|:.:.ｌ:.:i:.:.:.:.:|
　　　　 /:.:.:.:!,':.:.:.:l:.:.:.:.:l /j:l∧:.:.:.:.l:.l　ｨfﾗﾟ抃:.:.:.:}ｶﾘ.::l:.:.:.:.:|　
　　　　/:.:.:.:.ｌl:.:l:.:.:!:.:.:.:lf刋ﾟ圷'.:.:.:.;ﾘ　弋zツ}i:.:..:.|ﾉ:.:.:.i:.:.:.:.:|　
　　　　|::.:.:.:.ll:.:l:.:.:l:.:.:.:.l弋ｚツ　∨　　　 ::::::: |:.:.:.:!:.:.:.:.ｌ:.:.:.:.:{　
　　　　|:.:.:.:.:l:.:.l:.:.:l:.:ﾍ:.l　:::::::: 　 　,　　　　　ﾉ:.::.八:.:.:.l:.:.:.:.:|　　　　　まあ、手紙の文面からだと熱心そうな人だし、
　　　　|:.:.:.:.:l:.:八∧:.:小　　　　　　　_,　　　/:.:/l:.:.:.:.:.l:.:.:.:.:|　　　　　スポンサーになってあげてもいいかな？
　　　　}:.:.:.::.i/:.:ﾊ:.:.ｌ:.:!:.:.丶　 　 ￣　　 　ｨ.:.:.ｲ:.:|:.:.:.:.:.!:.:.:.:.|
　　　　|:.:.:.::.i.:.:.:.:|:.从l:.:.∧l ≧　 　 　＜７ ﾍ |:八:.:.:.:.:!::.:.:.:|
　　　　|:.:..:.:.l:.:.:.:.i/ _ lﾉL＞.ｲ|}　　　　　 l　〉Y｀ー─､j:.:.:.:.:|
　　　　|:.:.:.:.:j:.:.: ／: : : : :./　ﾍ　　　　　 ／　 〉: : :l: 丶＼:.:|
　　　　|:.:.:.:.:l,ィ': : : : : :./:ｌ　　 ＼ヽ　 ／　　 .}: : : |: :.ﾊ: : ヽ
　　　　|:.:.:.:.:|: : : :}: : :./: :ｌ 　 ／ 介Y｀ヽ　　/: : : :l: : :.l: : : :|
　　　　|:.:.:.:.:|: : : :l: : /: : :レ'　／ｧｶjﾄ､　＼/: : : : ': : ::l!: : :/
　　　　|:.:.:.:.:}: : : :!: /: : : :ﾍ／／,'∧ﾄ､＼. ｝: : : : {: : : |: : :{::|
　　　　|:.:..i:.:|: : : :}:/: : : : 〈　./　{l　 l}ﾊ　}/: : : ／: : : :|: : l:.:|
　　　　|:.:.:l:.:|: : : :!:＼: : : : ∨　 {!　 l}　∨: ﾍ´: : : : : : }: : }:.:!
　　　　|:.:.:i:.:ﾍ: : :ﾊ: : ＼: : : '.､_ {!　 l} _/: : : l: : : : : : /: :.∧:l
　　　　|:.:.:l:.:.∧: : :}: : : :く: : :ﾍ　.!　／: : : : :_!: : : : : /: : /　}:!
　　　　|:.:.:l:.:.:.:.}::::/: : : : : ＼: :∨ /: : : : :／: : : : : : |: : /　 ｌ:l
　　　　|:.:.:l:.:.:.:ﾍ:::}へ: : : : : : ＼ﾄ/: : : ／: : : : : : : .ｲ: :/ 　 ｌ:|
　　　　|:.:.:l:.:.:.:.∧j: : :丶: : : : :ヽ::::::＜: : : : : : : :／::ｌ: ;′　 !:!
　　　　|∧!:.:.:/　 }: : : : 〉: : : : :/:::: : : : : : : : : : : : : {:.j　 　 |:ｌ

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　しかし、グラハム・ヒルの息子であることと、
　なによりもその文面から感じ取れる熱心さから、スポンサードすることを決めたようだ。
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　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ,ィ二三､:｀:ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　 ヽ:.|
　　　　　　　　 _,. .-.‐.―.-. . ､.　/ヽ__ 　 !/
　　　　　　　　￣ ｀ ＞.:'':":": : .::!:: : : : :｀:`: :∧、
　　　　　　　　　／　　　..:　 /:::;!::: : : :i:. : : : {_ﾉ:丶
　　　　 　 　 . '　／ u　. . . /...,'|::::. : : ﾄ､: : : : : :､: ヽ
　　　 　 　 / .／: .::::::/: : ;.-:､,' !::::. : :.|‐-､: : : : ,ヾ: :',
　　　　　 /:, '/: :.:::::::/: : ':/l::;'　!:::i:: : :| |:|ヾ:､: : lj :i; : i
　　　　　/'　/: .:::::::::i: : :./ |:ｌ　｜j､: : |　!|. ヾ: : : i: i: :.l
　　　　　 　 i: :,!::::::::|: : /__｣Ｌ__ |:! V: | _,jL__ヾ: : :|: i: :!
　　　　　 　 !:/.!::::::::l: :.ﾊ下不｢ l|　V:|下ﾌﾈトｫ: :.|: :!:j
　　 　 　 　 !′i::::::ｲi: ﾊ　トイ!　 　 ヾ トイ/ ,':i (｀ヾ!|　　　　　　　　　　 ま、まさか本当にスポンサードしてくれるとは……
　　　　　　　,-､_!:::j |:V:::l `"´　　'　　 ｀`'"．'::::i:j>.、＼-､
　　　　　 ／(ノノ）二つ::ﾄ､ ∪　T＾ア　　　/::::::ﾘ::/　　 　 !　　　　　　　私にビートルズのスポンサー……こりゃ責任重大だわ。
　　 　 　 !　　´‐'／）:l: :::l:|:::丶,.､ __　,._イ:::;!:: :j::::{　　　　 |
　　　　 /　　 ＿,/´ !:|: :.:|:レ'" ノ　　 'ｿ ヾi: : :i:::::::`Tｧ　　,!
　　 　 /　 ／ 　 　 i: ;!: :.l|　　「￣｀ヽ/　 /: : /〉:::::::l/　　 !
　　　〃 /　　　 　 j:/ !: :.|＼　|_,,._　/　,ィ: : /ﾞ ＼::/　　 /
　　　 〈〈　　 　 　 /　 l: :.|>'"´ ￣二ﾆ⊃: :./　 　 / 　〃
　　　　　　　 　 ｒ'′　／　　　　_ノ'"／/: /v'　　彡 "
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　そんなわけで、デイモンは四輪の世界に足を踏み入れることができた。

　1985年に一番下のフォーミュラ・フォードでデビュー。
　1986年にはイギリスF3にランクアップ、1988年にはシーズン3位となる。
　さらに1988年後半からは国際F3000に参戦、1991年まで乗ることになる。
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　　　　 　 　 　 ／ '´　　｀ヽ
　　　　　　 　 //
　　　 　 　 　 !i　　　　　／:ヽ-.‐: : :ﾆ二＝‐
　　　　　　　　ﾞ､　,. : ':": : : : : : ､: :、　_ .｀.ヽ､
　　　　　 　 　 ゝ゛: : : : : : : :　. .:i、:ヽ: :｀ヾ､_:.＼
　　　　　　　, ':i: : /: : : : :ﾄ､: i: : :.i x-ﾞi: : : :.ヽ　｀`
　　　　　　 /: :.!:/　. .,.-|:.| ∨!: : :l　ヾ:i,: :ヾ:. ｀､
.　　　　 　 i　　}l. : : /: i'| |　 !|、: | _,,⊥!: : i;::: :｀､
　　　 　 　 !. : :l: : : : : :! |:|,,.、l|ヾ:| 彳ﾊ`ﾄ､:.|｀ヾ:.i
　　　　　　 l: : !: ;l: : : :!ｯi"､ﾊ 　 ﾘ　 ､_j! l ヾ!　 ヾ
　　 　 　 　 V:|:/:.!: : :!ﾍ' ､__j!　　　　`゛ ･|i　　　　　　　　　なんかクララさんのところの、
　　　　　　　ヾ": : !: :,! i　`''"　　　。　 ／:|　　　　　　　　　テストドライバーが空いてるとか聞いたけど……
　　　 　 　 　 i: : !: l ハﾊ.＿＿＿,.／）|:: : |
　　　　　　　　|: :!: : {: : :ヾ;|　r く,/　ﾑ:.!: : |
　　　　　　　　j:/: : :∧: : : :＼ヽ＿　｛.:ﾄ: :.!
　　　　　　 　 l/: : /==`ｰ､: ＜!三ﾐﾐヾj Υ
　　　　　　　 /: : : |=＝==≧ｼl二`ヾﾐﾐ｝｜
　　 　 　 　 /: : : : !、　　 　 |　　　｀ヾﾐ!　!、
.　　　　 　 /: : : : : :}ヽ 　 　 |　　　　　ﾉ`ヽ｀、
　　　　 　 !: /: : : :.∧｣:､　　 　 　 　 /　　　,l
　　　　　 l: /: : : : ;': /.ﾊ ＼　　　　,/　　 ／
.　　　　　l.:,!: i : : :i!:.(　　＼_〕ト､_ノl_,.ィ'｢
　　　　　l:.!|: :!: : :.!|: ;>､　 　 |`ァ''＾ヽ |く
　　　　　|:l l: l: : : l／ / `ｰr-l∠ィ"＾ヾ、ヽ

　　　　　　　　　,,=＝ニ＝､､
　　　　　　　　//　　　　　　ヾ
　　 　 　 　 　 l|　　　　　　,､ `
　　　　　　,.-.‐┼.──‐´: ├─.-.-､._
　　　　／::.::.／::.::.::.::.::.:l::.::.::l:.::.::.￣ヽ￣￣`
　　　/:.::.::.//:.::.::.::.::.::./l::.::.::l.::.::.:::.::ヽ::.ヽ
　　/:.::.::./:/.:.::.::.::/.:/.::ll.::.::∧l:.::.::.::l.:.ヽ:.::ヽ
　　l.::.::/.::l.::.:.:／7７‐ /l.::./　lA､_::.:l:.::.:ﾐヽ:ヽ
　　|:.:://:l.::.::.:〃/　　l |.:/　　l|ヽ:.::.l.::.::.::l　ヾ､
.　　l:.l/:.:l.::.::./ /　　 ´l.:/　　 ll　l.::.l.::.N:.:l
　　 l.::,r┤:./l 三三　 l/　　三ヨﾍ人/ ヾl
　　│ヽ l:/::.l　　　 　 　 ,　　　・l:N:.:/　 `
　 　 l:l:.::.ﾚ:.:丶_"　　 ｰ'ｰ　　"_人l:./　　　　　　　　　　　　 とりあえず、手紙書いてみよう。
　　　ll:.::.::.l::.::.l:.＞┬-,､..-‐:T:l:.::.ﾊ/
　　　l.::.::.:ヽ.::.Y　Y　　'┤､::.:l.l:.::.l
　 　 l.::.::.／l:.::ヽ　「￣｀l　　>l:.::.:l
　　 /.::./ミミﾐ､:.l　 l　　l　 彡|:.:/
　　/:.:/　｀｀ ﾐヾ:l､､ヽ　l 彡/l.:∧
　 /:.:/　　　 l　lVミミヽl彡/l l/ ヽ
　 l.::.l　　　　 l, `､＿ヽl／ノ |　　ヽ　〃
　/::.l　　,　　‐L　／　 l　 ヽ.l　　　 〉/
　l:.::l ／　 ,─,,ュ'､､_　ﾊ　　l|　　,-l/-､
│:.:|´　　// /　､ ､ V　ヽ　 l　/､/, ,　｀l
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　1990年。ウイリアムズ・チームのテストドライバーがチームを離脱した、という話が入った。

　その年の年末、デイモンはダメモトでウイリアムズ・チームに連絡をとった。
　「私をテストドライバーとして雇わないか？」。
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 （ヽ,　, ﾉi
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ノ"⌒ノ＿＿＿_
　　　　　　　　　　　　なんか泉こなたっていう、二世のショボいドライバーが、　　　　　　(ェ__・,ノ　　　　　 "ミ
　　　　　　　　　　　　うちのテストドライバーになりたい言ってますが……　　　　　　　　　　　 ヾ　　,,　　,,　,/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 〕〕,} "''''>">,〉




　　　　　　　　　　/⌒ヽ　　　 ／￣ヽ
　　　　　　　　 ＿|＿＿ヽ,-／　　　 |
　　　　　 ,,-'"....:::::::::::::::::::::::ヽ､　　　 |
　　　　／..........:::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ＿ﾉ
　　 ／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽヽ.
　 /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ ヽ
　 |::::::::::|ヽ（＼（ ＼__ヽ_ヽ､::::::::::::::::::i　ヽ.
　 ヽ::::::::i -‐-　　　 -‐‐-　ヽ::::::::::::::::i ／
　　　＼::i`'⌒　　　 `⌒　　　|::::::::::::::::i
　　　 i::::::i　　 ﾉ　 　 　 　 　 |::::::::::::::::::i
　　　 |:::::::i　　ヽ＿＿　　　 /::::::::::::::::::::i　　　　　　　　　　　　　　　 契約するわ。
　　　 |:::: ::ヽ　 丶　ノ　　　/::::::::::::::::::::::::i
　　　 |:::: :::::＼　　｀　　 , /::::::::::::::::::::::::::::i
　　　 |:::　:::::::::｀`.　-　´　|::::::::::::::::::::::::::::::i
　　　 i::::: :::::::::::::::ト､_,,／´ ヽ::::::::／‐､:::::/
　　　/lヽ::::: :::::::::::|／ヽ　　　/￣　　　/ヽ
　　/　 | ヽヽ:::::::::|　　　＼／　　　　/　　ヽ
　 /　　ヽ　　｀ T ｀>lｺ<￣|　　　 ,／　　　 ヽ
　/　　　 ヽ　　 |／|| || ＼|　　,／　　　　　　ヽ
　　　　　　 ＼＿__| |_| |＿_／
　　　　　　　　　　| |　| |
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　連絡を取ったことが功を奏したのか、それもと別の事情なのか……

　なぜかデイモンはウイリアムズチームとテストドライバー契約を結ぶことができた。
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　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ,.ィ二_`丶、
　　　　　　　　　　　　　／´　　　｀ヾ: :.
　　　　　－=ニ_￢‐-. .､_　 ,、 　 　 !:.}
　　　　　　　　_,,ﾆ-‐: : : : `/ ヽ'': :‐.∠
　　　　　 ,　'"　: : : .:: : : :::::::: : : :i: : : : :/!ヽ
　　　　／　／　...., '. . . .:::::::: : : :!i::. : : ∪: :｀:、
　　 ／;. イ: : .:::::/: :,-/､:|:::::: : : j i_i: : : . .　､: ヽ
　　/'"　/: .::::::::,': :/:/ !:/|::::|:. : j'"l::!ヽ: :,、: i: : i
　　 　 /: .::::::::::i: : :/　l:l　|:::!l: : l　 l:|.i: : !j : : i: :|
　　　 /:/l ::::::::l: : /　 |l　 l::| !: :l　　|! i: : : :|: :l :|
　　　〃｜:::::::;!: :/-‐―　 !| l: :l ￢‐- i: : :.!: :l:.i
　　　{'　 |::::::i.|i.:λ==＝　　　V ＝== ,':!: :ｈ: :!i＼　　　　　　　　　　　なんかこのパターン、
　　　　　.l::::i. |:V::l 　 　 　 '　　　　 ．,':::i: |ﾉ:V、　丶、
　　 　 　 ∨　!':|:::l､ 　 　 ｰ' -' 　 　 ,!:::::ﾘ:::: :! ＼　　 ＼　　　　　　　どこかで経験したこと、あるよーな……
　　　 　 　 　 }!|: ::::l|`:::....,,_　　.,､.-:'ﾞi:::: /:::::::|__　_ヽ.　　 ＼
　　　　　　　 i: |: : ::|-‐'"lﾉ ￣ L/ヽi:: :/,.-''" ,ｨ7{{ { ﾞ　　　 〉
　 　 　 　 　 !: ;!: : :|　　 |ｰ―-/　/: :./　　.:　 | ll ll i.　　／
　　　　　 　 l.:/.!: : :|ﾍ　 |　　 /　ｲ: :./　 .:　 　 ! ll ll rf'"
　　　　　　／　 i: : :|ﾏﾍ｜　/／ｲ: :/　 .:　　　 ヾ＞ '゛
　 　 　 　 l.　　　i: :.|＼ﾏ|　/／ｲ: /　 .:　　　　 /

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　デイモンはなぜか、突如として突拍子もない変な行動をとって、
　しかもそれがプラスに働く傾向があったようである。
　ジョージのとき然り、テストドライバーのとき然り。

　しかし、そう動くことによって、なぜか彼の運命は開かれていったのだから、不思議としか言いようがない。
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　　　　　　　　 /＼　　　 _,.-‐,
　　　　　　　　,i -‐‐'ﾆ' ､　　　i
　　　　 ,.- ''":::::::::::::::::::::::＼　 |
　　　／　....:::::::::::::::::::::::::::::::ヽ/
　　/::i:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヾヽ
　　i:::::ゝi＼(＼ヽ_-_､_:::::::::::::::::i_,.ゝ
　　 ヽ i ,ﾆ　　　 ,ニ_　ヽ:::::::::::::|
　　　 i｀:l｀り）　　,り｀　 i:::::::::::::::i
　　　 l::::l ｀、 __ ,　　　 i:::;::::::::::::::i　　　　　　　　　　　　　こなたさんの開発能力はすばらしいわ。
　　　 l::i:ヽ　 ヽﾝ　　　/::;;;:::::::::::::::i
　　　 |::l:|::｀ ､　　_　' /::::;;;;:::::::::::::::|　　　　　　　　　　　　これは……いい買い物したのかも。
　　　 !::l;ヾ::;;::::i　　　（::::::;;;;;::::::::::::::!
　　　 .!i;ヽ:;;;;;i/丶_／ ヽ::::::;;;.:--;::ﾉ
　　　/ゝ;;;;;;;;/i／ ＼ ／ ｀ｰ '　　ヽ.
　　 /　y｀ｰ'__　___　　　 ,.　　　　　i
　　i　 /　 i riﾆi-, i　　　i　　　　　 |
　　l　 i　 　ゝハ r'　　　l　　　　　 l
　　l　::i 　 //　 り　　 /　　　　　/
　 / ..:::i 　　　　　　　/　　　　　/




　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 （ヽ,　, ﾉi
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ノ"⌒ノ＿＿＿_
　　　　　　 （そうかなぁ……やっぱりショボい人にしか見えないけど……）　　　　　　　 (ェ__-,ノ　　　　　 "ミ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヾ　　,,　　,,　,/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 〕〕,} "''''>">,〉
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　このテストドライバー時代に、デイモンの優れた能力がいろいろと分かってきていた。

　特筆すべきはやはりその開発能力である。
　彼は、自分のマシンを分析する能力を持っていた。
　そしてその分析から、マシンをどのようにすべきか、それを的確に指摘することができた。

　この開発ドライバーとしての有能さは、
　1992年のドライバー・コンストラクターのダブルタイトル獲得に大きく貢献したといえる。
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　　　　　　_ . ＿
.　　　　／.:.:.:.:.:.:.:.:ﾞ:. 、
　　　 /:.: " ￣　`ヾ:.:.ヽ
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　　/.:/　 , ....':.:.:.:.:.:.:.:.`:.:.:.:.:.:.:.:.:.:._:.:.:.`. ､
　　|/　 / /´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ﾞ丶、:.:.ヽ
　　　　/.'/.:.:.:.:.:.:.:.:.,:.:,|.:.:.:.:.､:.:.:.:.:.:､:.:.:ヾ.:.:ﾍ
　　　　 /.:.:.:.:.:./.:.:/|:小:.:.:.:.:|､､:.:..､:｀ヾ:.:.ﾞ:.:ﾊ
　　 　 /.:|.:.:.:.:.|.:.:/_|'_|ヾ:.:.:.:.!.|弋､:ﾞ:.､:.ヾ:.|:.:.:|
　　　　|:.:|:.:.:.:.:|:.'/ .|/|　ヾ:.:.| |/ ヾ､ヾV|:.:|:.:.:|., ､
　　　　|/.!:.:.:.:.:!:弋ｆﾃ〒　ヾ|.　二_ !｀､:.:V:.:／,/
.　　　　　|:.:.:.:.:|:.ﾊ l::::ﾘ　　　　￣｀ |/:.!:√(´　^ヽ　　　　　　　　　　　　　 やったね！
　　　　　 ヾ:.:.:.N:.ﾊ｀´　､_,､_,　""　N:.| | 　`､　ノヽ
.　　　　 　 ﾄ､:.|:.:|.:.:ﾄ""＿_　 __,　 ' l,:.| |　　　<:.:.:.ヽ
　　　　　 /:.:.｀|:.:|:.:.| <　,>'^ヽ./　 / !/. ヽ　　 /:.:.:.:ヽ
　　　　 /:.:.:.:.:.:.:.:>､| ( 丶|　 / ／> |'＿ , ＞.'.:.:.:.:.:.:.:ヽ
. 　 　 /.:.:.:.:.／｀'.　　 <ヽ.天<--'´ ､ ):.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ
　 　 /:/:.__,|　.|　　　 > (.ﾉ　| )　　 ヽ >:.:.:.:.:.:ﾊ:.:.:.:.:.:.:.:.:.|
.　　/:.:|:.:`ｭゝ ヽ - ,' /､ _　　 , ,-‐､‐<｀､:.:.:.:.l |:.:.:.:.:.:.|､:.!
　　|:.:.ﾊ:.:.:.:.:｀ ｫ.- ' /　',-､7.^ﾃ‐ 7 ヽ ヽ.｀>:.| |:.:.:.:.:.:.|ヾ|
　　|.:/ |:.:.:.:.:.:.| |:.:.ｲ^､/　｀ 7|　 '"个ゝ弋´:./ .!:.:.:.:.:.:.!
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　1993年。
　チームの正ドライバーとして、F1に参戦。

　もっとも、報道関係は、その力量をあまり信頼していなかったようである。
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　　　　　　　　　　　　 _ - ‐ ､
　　　　　　　　　　 r'´　　　 　 ＼
　　　　　　　　 　 ,' ﾉﾒ^^( (ヽヾ　 !
　　　　　　　　　 ﾉ　! = 　＝ .〉 l ヽ
　　　　　　　 　 (ﾊ八""､ ""（ (,人)
　　　　　　　　　　　) ＼－／) 　) ）
　　　　　　　　　　　ゝヽ,ﾊ　 ´´＼´
　　　　　　　　 , - ‐ ' ´　 　 　 　 ｀ ､__
　　　　　　　 /　　　　　　　　　 　 　 　 ヽ、
.　　　 　 　 /　´,'　　 　 !　 　 　 　 　 _ 　 !
　 　 　 　 /　　 !　　　　l　　　　　　　　｀　|
　　　 　 / 　　/l　 　 _　　 　 　 　 个　　 l
　　　　/　　 /　l　　 　 ￣ ｀　　 　 ﾊ.　 　!
　　　.〈　　 〈. 　!　　　　　　 　 　 ./　', 　　',
　　　　ヽ　彡ヽ.|　　　　　　　　　,'　　 !　　 l
　　　　　ヽ.　彡l　　　　　　　 　 |　 　 〉　　.!
　　　　　　 ヽ.　l 　 　 〉 　 　 　 l.　　 lﾐ 　 ,'
　　　　 　 　 > .!　　　　　　　　　', 　 ,'ミ　 i
　　　　　　　} . ! ､　　i!　　　　　　ヽ　!ミﾐ. l
.　　 　 　 　 L_|　,r'⌒ｿ⌒ヽ／ 　　ヽlミﾐ. l
　　　　　　　　 !　７ノ |!ヽ N｀.　 　 　 !ﾐ.　l
　　　　　　　　　　　　↑
　　　　　　　　　　　タイヤ





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　　　　　　　　　　　　　〃´　　　　　 ＼:ヽ
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│　　　　　 　 　 　 |lll|三　ヽ ::.:|三三7:ヽ|.::.::.｀ヽ
│　　　　　 　 　 　 |lll|"　 　 ＼|　""･l.::.::|⌒ｌ:ド､l　　　　　　　フランスさんって、
│　　　　　 　 　 　 |lll|、　‘ｰ'ｰ' 　 　 j.::.::|-ｲ.:|　　　　　　　　 タイヤやエンジンにやさしい走りしてるね～
│　　　　　 　 　 　 |lll|:l＞ー‐rーt＜ ﾘ .::|.: ｌ :|
│　　　　　 　 　 　 |lll|:|_j;斗＜＿,＞/.:: /! ::.: |　　　　　　　　 こりゃ徹底的に学ばないと。
│　　　　　 　 　 　 |lll|:|　＞､ ＿＿/.:: / ヽ.::. |
├‐tｭ‐‐┬‐tｭ――|lll|:| /　　　　 /.:: /　　 ｉ.::.|
│ ∥　 ∥　ll　　　 |lll|:V　 　 　 ,'.::.:/　　　.|.::.|
│ ∥　 ∥　|!＿___ |lll|.::ヽ　　　 i/.:/ｌ　　　 |.::.|
_j￣|!￣｀|!￣|!　/　￣ l＼{ 　 　 Ⅳ /　　　 |.::.|

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　デイモンはこの年、チームメイトであったアラン・プロストの走りを徹底的に研究し、
　自分のものにしていく。

　一方で、プロストとの力量差を知っていた彼は、
　プロストと争うことなく、二番手ドライバーとして、プロストをワールドチャンプにするべくアシストしていく。
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　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ＿
　　　　　　　　 --=. - ､　　　　　　　　'⌒ヽ＼
　　　　　　　　　　　｀ヽ,:＼　　　　　　　　　 }: |
　　　　 __,. -‐__''￣￣￣｀ /ヽ―-　..__　　 /: ,!
　　　　　￣,. -‐'"´: : : : : /: : : : : : : : : ｀ヾ-‐'
　　　 　 ／: : :／ : : : : // : : : : : : : : : : : : ＼
.　 　 ／ : , ｧ' : ／:__／/!: | : | :l: : : : : ヽ : : : ヽ　　　 　 , '´｀)
　　 /: :／ / : /: : / ｀/ |: :! : |: :!ヽ : : : ﾊ: : : : :}　,. ‐-;'´ ,. '´
　　/／　/: : /: : /__/　 |: :! : |:/⌒!:､: : : l: : : : !/!　,ノ　ヽ.＿__
　　　 　 l: : /|: :/!´!｀ヽ　!∧: |'　　ヽ､: : : |/,. /::::!　 ,-- ､　　　｀)
　　　 　 |: /,.!:/: ｌ r'ｰ'|　|!　!: lT'ｰ-､∧: :,./　!::::::＼ﾄ--　)￣￣
　　　 　 |// |': /:! ゞ-'　　　∨r'ｰ'/／／　　l:::::::::::::ヽ､_ノ
　　　　　 /: ／/ ヽ、　 ､_,､_,　ゞ'/' ／/　　　＼:::::::::／　　　　　　　　　　 いえ～い！初優勝～っ！
　　 　 ／／: /-r‐'1｀丶'､__,）／ /´ /　　　　　 ｀'ノ
.　　／,イ ;イ´　 !　|:::::::::/,／: : :/　/　　 　 ,.. ‐ '´
,. '´: /　|/　ヽ｀ヽ　 〉:::::／／ : /　 　 　 ,／ : |
ヽ､__,ゝ　 __,. ＼／/:::!/,イ : ／　　　_／: :＼: :|
　　,. -‐'´: :_:＿|、_ゝ:|／!::/　　,. '´ヽ }ヽ : : ＼!
／: ,. -‐　'／: : ;ゝ'´::::::ヽ/　　 　 　 ,!'　',: : : : :＼
／　 　 ／: : : : |::::／|:::::::|　　　,.　<:￣7 !: : : : : :ﾊ
　　　 /: : : : : <:!/:/:::ヽ::::|-‐ ':ヽ:::::::｀ヾ､l: : : ヽ: : :}
　 　 /: :,.. --‐:ヽ/:::::::/ヽ|:|::::::::::ヽ::::::::::/ : : : /!: :/
　　 l:／: :∠ -‐<:::::::::!:::::::::i::::::::::::ヽ､／ : : ／ l／
　　 |: : :/　　　　 ｀ー|::::::::::|::::::::__,ゝ＼ :／
　　 ヽ:/　　　　　　　 ｀',￣',｀ｰ-ヽ、　ヾ
　　　　　　　　　　 　 　 ﾄ-':!　　　 ＼-'ヽ.
　　　　　　　　　　 　 　 l;:;:;:| 　 　 　 ヽ;:;:'､
　　　　　　　　　　　　　 〉=,|　　　　　　':,:;:ヽ.
　　　　 　 　 　 　 　 　 {ｰ'/　　 　 　 　 '､ｰﾍ
　　　　　　　 　 　 　 　 ｀´　　 　 　 　 　 ゞｰ'
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　シーズン前半こそさほど調子が出なかったようだが、
　後半に入ってから3回連続優勝するなど、シーズン前の予測を覆すような活躍を見せた。
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　　　　　　　　　 　 　 　 　 ,.ｨ──--.､
　　　　　　　　　　　 　 　 /γ´￣￣`}:}
　　　　　　　　　　　 　 　 |/　　　　　j:ﾉ
　　　　　 _,.-‐─::─::‐-..､_/:｀ヽ-─┴--..､__
　　　　 '´￣＞:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::|.:.:.:.:.::::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::｀ヽ、
　　　　　 ／ : : : : : : :/ : : :|:.ｉ:.:.:.::::|.:.: : : : : : : .:.:.:.:ﾍ
　　 　 ／:.:,ｨ' : :/: :.::/.:.:.:.:/|:.:|:.:.:::::|､:.:ヽ.: : : : :ｉ:.:.:.:.::ﾍ
　　　/::／ /:.:.:.:|.:.:..:|::.:,ｨ'⌒|::|:ヽ:.::| ヽ⌒ヽ:.:.::.:|::ﾍ:::.:.:.}
　 　 |/　 /:.:.:.:.:|.:.:.::|:.:.:/　　|::|∨:::|　　 ＼:.ヽ:.::|:.:ﾍｉ:::.:|
　　　　　ｊ:.:.:.:.:.λ:.::|::;/_＿__.|:| ∨::|　_＿__∨:|::|:::.:ﾍ:..:|
　　　　　|:.:.:.::/::|::.:;|;ﾊ ≡≡ `　 ヽ|　≡≡ ∨:.:|､:::.:.ﾍl、　　　　　 F1に来て、ある程度稼げるようになったから……
　　 　 　 |:.:./ヽ:|:.:.::|:::} 　　　　　　　　　　　・|ヽ:|ﾉ:::｀ヽl
　　　　　 |:/　　ヽ､:|:::ｊ　　 　 ゝ‐'ｰ'l　 　 　 ,|::::::ｉ:::.:.:ｉ:|　　　　　　　そろそろ返さないといけないよね。
　　　　　 ´　　　 |.:::::::ヽ、 　 ´ｰ-‐'　　　 イ:|::::::|::::.:.:|ｊ
　　　　　 　l´|　　|.:.::::|::ｉ:::｀＞‐-　-‐＜´::::|::|.::::|:|:::.:.:|
　　　　　　 | .|　　|ｉ.::::|::|ィ´　 {::,ｊ 　 {::::〉　＼|:::::|::|::.:.:.|
　　　　 ,-ﾍ' .(´|､ ||.::::|:| 　 　 |-‐‐-､./　　　|:::.:|:::|:::.:.:|
　　　 r'ヽ｀> .〉　}ｊ::|.::::||. 　 　 |　 　 / 　 　 ,|:.:.:|ﾍ:|:::. :|
　　　 ｀ゝ'´ '´ ,ｨ' {::|.:::|＼.　　 | 　 /　　 ／,.|:.:.:ｊ　ﾊ:::..:|
　　　　{二二二}./"|.:::|＼＼　 |　/　 ／／ｊ:|:.:/　 λ::.:|
　　　　{二二二}:　 ヽ::|{　＼＼|./ ／／ 　 }|:/　/　 |:.:.|
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　さて、そこまで活躍できるようになったある日のこと。
　デイモンはふと、ジョージからスポンサードされていた金銭のことを思い出した。

　あれはそもそも借りていたものだ。そろそろしっかりと返そう。
　そう考えた彼は、ジョージの元を訪れた。
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　　　　　　　　　{l　　　　＿＿／ヽ　　　 ＿
　　　　　　　 　 ,.ﾞ:':":´: : : : : : : : : i'':":´:-=、｀ﾆ'＝-
　 　 　 　 　 ／: :,: : : : : : : :i: : : : : l: : : : : : :｀丶､
　　　 　 　 /: : :/: : : : :,: : :/: : : : :|:.l: : : : :､: ＼　 丶、
　　　　 　 ' 　 /. . : : : :!: :/!: : : : :ｌ: :l: :i: : :.ヽ. . ヽ｀丶:＼
　　 　 　 '. : :/: : : : : :,j: /｜: : : :,{: :|ﾞ､:.i.: : : i. : : .｀､　 ｀ ヽ
　　　　　i: : /: : : :＼/!/　 !: : : :/.|.:j　ﾞ､／: : i.: :i: : ｀、
　　　 　 |: :/:/: : : :/_≧ｯ､j: : :./　|:jｨ≦Vﾄ: : :l: :.l: : : ﾞ:.
　　　 　 !:./ｲ: : : r'T〒丁.|: :./　 .|厂广ｶ| }､: l: : l: : : :.!
　　　　　l,!/j: : :,ｨ| |__人|　:./　　/|_人｣ |∨ﾄ､j: : |ヾ.: : !
　　 　 　 !':.|: :/::::l ヽﾞYﾞj ,!'゛　　　l｀Ｙ´"'/:::|ﾞ､!: :.l　 ﾞ､:.l
　　　　　 |:.|,.（|.:::::l　"´　　 　 '　　 ｀` ・l::::.l : |: :.l　　 ヾ
　　　　　｜: : :!: ::::l、　　　`ｰ‐'ｰ'　　 ,ノ:: :l: : |i:.l　　　　　　　　と、いうわけで、以前借りたお金を返しに……
　 　 　 　 !: : : !: : :.l:｀i:::....、__ ,.　-＜::l:: : :l :i: :!ﾘ
　　　　 　 | : : ﾍ: : :.l:｣r''',ﾌ　　!､｀'ヾ:;;|: : :l::. :i :!
　　　　　　|: : : :,〉; : :l　　l　__　 l　 　 !: :,!､::: :i: !
　　　　　　l: : :/ﾐ､〉_:_l,..、l´　 ｀j　　 r;ｘ'‐ヾ､: :i:j
　　　　 　 l: : ∧ｼ′ｒ ｀Y l　　 l　　 l'‐- 　 !ﾞ!: :!l
　 　 　 　 l: :/ ,八 　 'ﾞ　ﾞ! l 　 l　　,仁　　 j＾'}: :li
　　　　　 ,!: ﾚ'ﾞﾄヽ＼　　人.l　,!,:彡ハ　　 ,ﾚ∧､:.i.
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 -――――-　　　　　　　　♪
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　　　　　　いいわよ、別に。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 /::::::|:::::::i::Ⅳ　|:八::::::i:::::/ j/　V|:::::i::::|::::::＼
　　　　　　あれはあげたものだし。　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 / :::::::|:::::::Ｎ,ｨうﾃミﾊ :::!::/ｨうｉﾃﾄ│::::::/＼:::::::ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:::::::::/ﾊ:::::i:::.、V::.ｿ　ヽﾚ'　V::..ｿ　:::/Ｖ　　ヽ::::::::::.
　　　　　　お金儲けするつもりでお金出したわけじゃないし。　　　　. 　 　 　 /:::::::::/　 ﾚ:V^7ゝ　　　　, 　 　 　 /:ｲ ::|　　　 '::::::::::,
　　　　　　私が楽しいと思ったことに使っただけ。　　　　　　　　　　　　　　　/:::::::::/ 　 {;:::{ { い、　　 ､　,　　　∩/h::ｉト 、　　i:::::::::,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ::::::::::;′／∨ﾄヽ丶.＼　　　　　_ ノﾉ // ﾘ　 ＼　|:::::::::i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｉ::::::::::|　{　　　l::＼ 　 　` ､‐‐／　　 ／:::/ 　 　 }│:::::::|
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　ジョージは、デイモンからの返済の申し入れに対し、笑ってこういったという。

　「あれはあげたものだから、別にいいよ」
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　　　　　　/::::::!:::::::l::::|:::::::::::!:::::l/｜:ｌ:::::::::::::: ハ:::l:::::::::|
　　　　　 ,′::::|::::::::!:::|:::::::::::!-┼ -､l､::::::::::/_⊥ﾊ::::::::!
　　 　 　 !::::::::::!:::::::|::::!::::::::::|ヽl__- ､{ ヽ::::/　 l/　!:::::,′
　　　　　l:::::::::::ﾊ::::::!:::::ヽ::::::l/!_,ﾉ｀iヽ　 Ｖ' ｨ'ﾌiヽﾊ::/　　　　　　　お金やものに執着したら、いけないと思うんです……
　　　 　 !:::::::::::! ヽ:{ヽ:::::::＼{ ﾋ＿ｿ 　 　 　ﾋ.ｿ /:::!'i
　　　　 l:::::::::::::!　 丶i:::::::::::|　　 　　　　 .　　　i:::::ｌ::|　　　　　　　 お金は人に喜捨すれば、
　　 　 ｲ::::::::::::l　　　 l:::::::::::!　""　　　　 　 " ,′:l::l　　　　　　　 めぐり巡って自分に返ってくると思うし。
　　　　l::::/::::::l　　　　l::::::::::ﾄ､　 　 　 ｏ　　,.ｲ:::::::l/　　　　　　　　物も同じだと思うんですよね……
　　 　 l::/::::::::!　　 ,.イ!:ﾊ:::::!、｀　 ､ ＿,　ﾍ:::::::::::::!
　　 　 !′::::/　／:.:.:l.:′i::::| ｀丶_ノiヽ/:::::::ヽ:::::i::|
　　　/::::::, -‐':.:.:.:.:.:.:!:.:.:.:.ヽ!　/ﾞ介i !:.iヽ:::::::;ﾊ:::Ｎ
　　,/:::／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:i／//l i.ヽ:.!:.:ヽ/　ヽ!
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　ジョージの物や金銭に関する考え方は、普通の人と少し変わっていた。
　彼はあまりお金や物に執着することはなかったのだ。

　彼は持っていたお金や物を、どんどん若い人に与えていたようである。
　もちろん、アップルのときと異なり、その人がちゃんとそのお金を有益に使うかは調べたようだが。
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　　　　　　　 　 　 　 　 　　 _ _＿_＿
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　　 　 　 _ノ.:.:.: l.:.::|.:.|.:.:|.:./__」_l_ V.:l.:.:.:.:.:.:ト､.:.:.:.|.:.: : |:.ヽ｀ｰ'
　　　 ／.:.:. }.:. :.l.:.::|::.|.:.:|/´　 l/　 V.:.:.:.:./:l⌒ヽ. |.:.: : |..:::|
　　／.:.:.:.:.:/.: : .l.:.::|.::|.:.:{　, ﾃﾐヽ　 |.:.:.:./ ﾘ _ﾆl/ |.:.:.:.ﾉ.::.:}
　　.:.:.:.:.:. ∧ ミﾐ.:.: ﾄ､ﾄ､V´んﾊ` 　 |:／　ｲんﾊ V:::::::::::::/
　　.:.:.:.:／　 ヽﾐ{.:. {.:.:＼|ヽV:りﾉ 　　　 　ﾋｿﾉノ}.:.:/.:/l/{
　　::／　 　 　ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.|　////　　　, 　 ////レ'.｀Y´.:.',　　　　　　　こなたさんと知り合いになっておけば、
　　　　　　　　　|.:.:.:.:.:.: :|　　　　　　　　　 　 　{.:.:.:.:.:l.:.:.:.:',　　　　　　 いつでもF1見にいけますしｗ
　　　　　　　　　|.:.:.:.:.:.: :|　　　　 `ーｰ'　 　 　ﾉ.:.:.:.:.:l.:.:.:.:.i
　　　　　　　　　ヽ.:.:.:.:.:.::ﾄ､　　　　　　 　 　イ.:.:.:.:.: ∧.:.:.:.l
　　　　 　 　 　 　 ＼.:.:..:|〈 丶､ _＿_,　＜ノ |.:.:.:.:.:.,'　i.:.:.: l
　　　 　 　 　　 　,. イヽ::|　 ｀丶､　 ∧　　　|.:.:.:.:./　 l.:.:.: l
　　　　　　__,.　'´. : :.|: : :.{　　　 ,r V　 ',｀ヽ |／|/　　l.:.:.:..l
　　　　／. ヽ: : : : : :.|: : : ﾄ､　 / >ⅩくVi: : ',:.ヽ､　　 l.:.:.:.:.l
　　　/. : : : : ＼: :.:.:.:|: : : :ヽ V　//l l ﾄ､l:. く: : :i: ｀ヽ､.:.:.:.:.|
　　 /. : : : : : : : ＼: :.￣フ: :.|　//　l l V｝: : 〉: :|: : : : }.:.:.:.::|
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　もっとも、楽しいこと大好きのジョージのことだから、
　単に楽しいことのために金銭を使ったつもりだったのかもしれない。
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　　　　　　　　　　　　　 ,､
　　　　　　　　,r‐‐-､_,.-} ｀ヽ-‐──‐--､__
　　　 　 　 　 ｊ　　 ｒﾍ _,,ｊ;;,ﾊ、　 、　　 　 　 ｀ヽ、
　　　　　　　 |　 　 {'´　 |　　∨　|　　ｉ 　､.　　　ﾍ
　　　　　　　 |　　　|　　 |　 　 ∨､.ｰ-|､　ﾍ:::.　　 ﾍ
　 　 　 　 　 |　　　 |_,,ノ　 　 　 ||ﾍ　　|､　　ﾍ:::　　}
　 　 　 　 　 |ｉ　　 ｉ |_＿__　　　 || _ヽ._|_∨　　ヾ::　|
　　　　　　　||　　 | ｉ|ﾐ三Z゛　　 ﾘ Z三彡|ｉ＼.　|::: ﾘ　　　　　　　　　もう一度出番があったけど……
　　　　　 　 ||　　 ﾄ､|ｉ 　 ｉ　 　 　 　 ｉ 　 ｉ||'´,＼|:;/
　　　　　　　||　　 |::ゝ 　 !　,-─v､　! 　 !||__,ノ'"＿_　　　　　　　　　やっぱり死んだ人の役なのね……
　　　　　　　ﾘｉ　　|::::|ヽ、!　ゝ_＿,ﾉ_,.!.ィ´:||ﾕ-‐'´:::::::＼__
　　　　　　,ｨ'´￣ ｀ヽ| 　 ￣_ﾆｨλ　　",ｱ;ﾘ::ヾ:__;／-‐‐'´
　　 　 　 /　｀┌ヽ,〉､〉┐/"　{､ ゝ=＝'"/ｊ ￣ `ヽ｀ヽ、
　　　　　{ 　 ヽ|ｉ: u 　　ｉ|ﾉ 、　 ~｀|ﾟ|"　　 }　 __　　ﾍ、 ＼
　　　 　 ｊ　　{´|ｉ::::::::::::::ｉ|　 ヾ　　 { {　 　 ｊ'´ "~ﾍ. / ﾍ　 .ﾊ
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣|::ﾉ〃´ |ﾟ|"i|~ :|　　　　 〉　 } 　 }〉
　　　　　　　　　　 ￣￣丁:{ 　 　 | |　　::ｊ　　　　 |::　 {　 /
　　　　　 　 　 　 　 　 　 |:::;〉　　 {ﾟ{　 .::ﾉ　 　 　 ｊ:::　 | /
　　　　　　　　　　　 　 　 |/.}　　 ,| |_,ｒ/　　　　　 }:::　 |'
　　　　　　　　　　　　　　 |γ'´￣￣〃　　　 　 ,,ﾉ::::　 |
　　　　　　　　　　　　　　 ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣

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　さて、翌1994年……
　ウイリアムズ・チームはアイルトン・セナを迎え、ドライバー・コンストラクターズ３連覇を目指していた。

　しかし1994年５月１日、アイルトン・セナは事故死する。
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　　　　　　　　∧∧∧---┐
　　　　　　　　|￣￣￣￣|│
　　　　　　　　| ＼　 ／　 ヘ
　　　　　　　　|　・∠ ・　　ノ
　　　　　　　　|　──　　 │
　　　　　　　 └────┘

　　　【デビッド・クルサード（本人）】

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　ウイリアムズ・チームとしては、急遽チームの体制を変えなきゃいけない状況となった。

　そこで、テストドライバーとして契約していた若手のデビッド・クルサードを、
　レースドライバーとして契約し、出場させることにする。

　クルサードは今日ではこの画像を見ても分かるように、日本のF1ファンに非常に愛されているのだが……
　
　

　当時は下位チームでの出走経験もないドライバーであり、
　いきなりトップチームのドライバーとしてできるのか、不安要素も大きかった。
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　　　/|/|/|＿＿＿
　　　|￣￣￣￣〈 |
　　　| ／ 　＼　 | |
　　　|　・　　・　　ﾚﾍ
　　　|　 ∠　　　　丿　　　　　　　　 結局シーズン途中で降ろされちまったyo！
　　　|￣￣￣￣）|
　　　￣￣￣￣￣
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　そんなことはウィリアムズらも気になっていたのだろう。
　しばらくクルサードを起用した後、別のドライバーに依頼することになってしまう。
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　　　　　　　　　　　　_　　-―-
　　　　　　　　　　／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ
　　　　　　　 x≦.:.:.:.:.:,.　-‐…‐-ミ.:.:.:＼
　　　　　　 /:.:.-‐- '".:.:.:.:.:.:.:.:.:: : :: ｀丶､_＼
　　　　　　.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..:.:.:.:..:.:.:.: :: :: :: :: :: :: :ヽ
　　　　　　{.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: :: :: :: :: :: :: :}
　　　　　　ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＿_.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/
　　　　　 　 ｿ:､:.:.:.:.:.:.:.Ｙ´/vﾍ｀Y.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ノ
　　　　　ｰ=彡＼¨ﾆ=-∨_＿_∨--‐‐ァ爪》
　　　　 　 イ彡《 ＼: :: :: :: :: :: :＿__∠ 》乂i}
　　　　　　八从{　　≧=ァう不ゝ’=彡ﾙ川ﾘ　　　　　　　　　　　 おい……
　　　　　　　 ゞ,:{ヽ　　 ﾉ｛　}ﾊ　　　 ﾉｲ仆"
　　　　　　　　 ''|、} ___,< }　ﾚ)､ｰ=ィ〃|《　　　　　　　　　　　　　 なんで、こんな変なセッティングしてるんだ？
　　　　　　　 　 | ヽゞｚ彡辷冬≧ﾉ,ノ　ト、
　　　 　 　 　 ノ|　∧　＞一｀¨〃ｲ　　|　 ＼ｰ-　_
　　　 x=水ﾌ´　| 　込 _こ＿_ノ /　 　 }、　　}:: :: ::
　 ／ﾆﾆハ　　/|　　∨ 7 ７　 / 　　　i　ヽ /: :: :: :
‐7ﾆニ/: ::‘　/　!　　 ∨ / 　/　　 　,′ ／: :_: :-‐
/ﾆﾆ７¨ ‐-: :､_　;　　　∨　 /　　 　/_／: :¨: :: :: ::
ﾆﾆﾆ|: :: :: :: :: ::､‐-ミ.　 ∨/　 -‐ﾆア: :: :: :: :: :: :: ::
ﾆﾆﾆ|: :: :: :: :: :: :＼__｀ヽ　／,.．''": :: :: :: :: :: :: :: :: :
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　そのときに依頼されて参戦したのが、
　既にF1を引退し、アメリカのCARTシリーズに参戦していたナイジェル・マンセルであった。
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　　　　|┃三ヘlヽ/ヽレ
　　　　|┃ /´　　　　　＼
　　　　|┃/　 ∧/l／|/＼|
　　　　|┃/ │ 　　　　　　|
　　　　|┃/∨ 　＼　　／ |ヽ
　　　　|┃し| 　　・　　･ 　|丿
　　　　|┃ │ 　　　　　　|　　　　 チームスタッフとしては、これがベストだと思ったんで。
　　　　|┃　ヽ 　 　　＿_/
　　　　| (￣）ヽ＼＿_＞'ヽ
＿_____|┃( ,::`　　　　　　 ＼.　　　　　∧＿∧ 　　
　　　　|┃ 　|　　　　　　r　ノ 　　　　/　　　　｀l 　
　　　　|┃　┌───┐(丿 　　　　|　・　 ・ 　|
　　　　|┃　 |　　　|　　 | 　　　　　 （ ┬　　　丿　こなたさんはあまりアテにならないし。
　　　　|┃ 　.|＿＿|＿__|　　　　　　　（　　　　）
　　　　|┃　（　　　）　　　）　　　　　 　 ∪ ∪ﾍゝ
　　　　　　　 ￣￣ ￣￣
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　その年のフランスグランプリのことである。

　マンセルはふと、マシンのセッティングのおかしさに気がついた。
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　　　　　　　　　　　.　-―‐-ミ
　　 　 　 　 　 　 ,: ::, -‐-ﾐ: :: ::｀　、
　　　　　　　　　/ 〃[i∨i］ Y: :: :: ::＼
　　　　　　 〃´￣ ‐-ミ　､_ﾉ: :: :: :: :: :丶
　　　　　　 {: :: :: :: :: :: : ＼＼:: :: :: :: :: :: ::、
　　　　　　　、: : ,ィ＿ﾄ､＿＼ ＼:: :: :: :: :: :.
　　　　　　 　 Y ﾚ'　　｀ニ¨￣＼_ヽ: :: :: :: :}
　　　　　　　　┌ヵ　 ┬‐┬┐　　ﾄ､: :: :: ::ゝ-､
　　　　　　　 j_｣_Uj 　 |∪ﾘ ,ﾉ　 ,ノニヽ :: :: :: :: :.
　　 　 　 　 r〃⌒｀　 ゝ-'　ィ （ﾆﾆﾆﾆﾉ⌒ヽ　 ﾉ
　 　 　 　 （ﾆ乂　　ノ-‐=ﾆニ）　て_ノ⌒　厶イ　　　　　　　　　……こなたは何て言ってたんだ？
　　　　　　 辷_ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆr‐' 　 　 _＿_,ノ
　　　　　　　丶`ｰ＾ｰ＾,ニ´ 　　　-ﾆろ
　　　　　　　　　≧=‐--‐=≦ｱ＾ヾ¨´
　　　　　　　∠ア´: : ∠ﾆﾆｱ: :: :: ::ヽ
　　　　　 〃う/ﾆﾆア/⌒Ⅵ: :: :: :: :: :}





　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 （ヽ,　, ﾉi
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ノ"⌒ノ＿＿＿_
　　　　　 　　　　　　　　　　 このセッティングと逆のことを言ってました。 　　　　　　　 (ェ__-,ノ　　　　　 "ミ
　　　　　　　　　　　　　　　　……でも、あの人、アテにならないから。　　　　　　　　　　　　 ヾ　　,,　　,,　,/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 〕〕,} "''''>">,〉
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　マンセルはすぐに事情を確認した。

　どうやら、デイモンはマンセルの感じた違和感と同じことを気づき、修正を求めたらしいのだが、
　デイモンを信用してないチームスタッフが修正を講じなかったのだ。
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　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ／: :: :: :: :: :: :: :: :｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／: :: :: :: :: :: : x≦三三ミ､
　　　　　x==ミ　　　　　　　　　　　　　/: :: :: :: :: :x≪-‐…‐ミ三三℡、
　　　〃 =ﾆ==‐`ー‐-ﾐ　-‐―ｨ==x__ {{: :_≫rァﾆﾆ（　　 r｡㍉寸三三℡、
　　.ｲ{ 任三三三℡､　}}: :: :: : }ﾆﾆ}㌘У.: : :ﾚﾆﾆﾆﾌ: : : .｀ヾ’::::寸三三沁
／: : ゛ 辷三三三三℡{{: : : :./ﾆﾆ//　. : : :/㌻¨７: : : : : . 　 （r㍉》三ﾆヲ
∨ /: : ＼寸三三三三 ヾ.: :/ﾆﾆ//　.: : : ,′.::::/. :　ｰ‐=ミ､う}｀Y=-‐
: ∨ / :: :: ｰ┬三三三三}}/ﾆﾆ/:/　.: : :: :　 .:::,'　／//77ヽ)ﾘ）Y ::＼　　　　　　　バッカヤロウ！！！！！！！！
ﾆ ∨ /: : : : {{三三三三 ﾘﾆ／ /　 .: : :: :{:　　　//////／'"´ノ:: :: :: ＼
ﾆ- ∨ /: :: :l|三三三三 {lﾗ:: :; i　 .: : : : : .　 　 《////〃　／:::: : :: :: :: ::}}ヽ　　　 とっととこなたの言うように修正しないか！！！
ﾆ=- ＼: :: : {{三三三三 |l: :: :l l　 i: : : : : . ＼　 ゝ _ノ　／: :x-―‐ｔ==彡　 ’,
三ﾆ=-　⌒〃三三三三 }}: :: l {　l　　　　 _＿ヽ　　 ／: :: :/　　　 {三彡=x　}
三ﾆ=- ／三三三三三 ハ: :: : ＼x-=彡´: :: :|ﾆ〕¨´: :: :: :/　　　　 ~气少㌢
三三㌢三三三三三三　 }} : : : ::::::::／: :: :: : lニ!: :: ;　 '"　　 　 　 　 　 ｀¨´
三三三三三三三ニﾆ=- ‘,ゞ=ミ:::〃: :: :: :: :/ﾆ/:／
三三三三三三三二ﾆ=-　‘，:::::::7: :: :: :: ::/ﾆ〃
三三三三三三三二ニ=-　 ‘，: :: :: :: :: ::/／
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　その話を聞いたマンセルは激怒し、セッティングをすぐにデイモンの言うように変更させた。

　デイモンの意見のほうが明らかに理にかなったものだったからだ。
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　　　　 　 　 　 ／ '´　　｀ヽ
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　　　　　 　 　 ゝ゛: : : : : : : :　. .:i、:ヽ: :｀ヾ､_:.＼
　　　　　　　, ':i: : /: : : : :ﾄ､: i: : :.i x-ﾞi: : : :.ヽ　｀`
　　　　　　 /: :.!:/　. .,.-|:.| ∨!: : :l　ヾ:i,: :ヾ:. ｀､
.　　　　 　 i　　}l. : : /: i'| |　 !|、: | _,,⊥!: : i;::: :｀､
　　　 　 　 !. : :l: : : : : :! |:|,,.、l|ヾ:| 彳ﾊ`ﾄ､:.|｀ヾ:.i
　　　　　　 l: : !: ;l: : : :!ｯi"､ﾊ 　 ﾘ　 ､_j! l ヾ!　 ヾ
　　 　 　 　 V:|:/:.!: : :!ﾍ' ､__j!　　　　`゛ ･|i　　　　　　　　　　 なんか、マリオさんが来てから、
　　　　　　　ヾ": : !: :,! i　`''"　　　。　 ／:|　　　　　　　　　　 チームの私に対する扱いがよくなったみたいだけど……
　　　 　 　 　 i: : !: l ハﾊ.＿＿＿,.／）|:: : |
　　　　　　　　|: :!: : {: : :ヾ;|　r く,/　ﾑ:.!: : |
　　　　　　　　j:/: : :∧: : : :＼ヽ＿　｛.:ﾄ: :.!
　　　　　　 　 l/: : /==`ｰ､: ＜!三ﾐﾐヾj Υ
　　　　　　　 /: : : |=＝==≧ｼl二`ヾﾐﾐ｝｜
　　 　 　 　 /: : : : !、　　 　 |　　　｀ヾﾐ!　!、
.　　　　 　 /: : : : : :}ヽ 　 　 |　　　　　ﾉ`ヽ｀、
　　　　 　 !: /: : : :.∧｣:､　　 　 　 　 /　　　,l
　　　　　 l: /: : : : ;': /.ﾊ ＼　　　　,/　　 ／
.　　　　　l.:,!: i : : :i!:.(　　＼_〕ト､_ノl_,.ィ'｢
　　　　　l:.!|: :!: : :.!|: ;>､　 　 |`ァ''＾ヽ |く
　　　　　|:l l: l: : : l／ / `ｰr-l∠ィ"＾ヾ、ヽ

　　　　　　　／: : : :／ : : : : : : i: : : : : :ヽ : : : : ｰ ､ : : ＼
　　　 　 　 /: : : ／ : : : : : : : ,ｲ : : : : : : :l: : : : : : : ＼- ､:＼
.　　 　 　 /: : : / : /: : : : : : / |: : : : : :| : |､: : : : : : : : ＼ ＼
　　　　　.' : : :/ : /: : : : : : /　 ｖ : : : : l : |斗-: : ヽ: : : : ﾍ
　　　　　|: : :/ : /| : : :― ｘ　　 ∨: : :∧ |　∨: : :ﾊ: : : : :ﾊ
　　　　　|: :/ : /: | : : : : /　｀　　|: : :/　j/-　∨: : :l: : : : : :|
　　　　　r┴､/:ヽ| : : : / 　　　　|: :/　 示旡ｱV : :|: :|ヽ: : |
　　　　　|　　| : :│: : /|.　　　　 | / 　 ﾄ::爿/ ハ: :|: :|　',: :|
　　　　　'vｰく ,ｘ┤: / :|三≧x　ｊ/　　 込;ﾘ　{ : | ∧ |　 ∨
　　　　／　　 ヽ. | /: :│ ,／ 　　 　 ' 　　 .:・} : |/　i/　　　　　　　　　　　　ま、いっか♪
　　 　 |　　／⌒}:Ⅵ : :ﾍ:.:.:. 　　 ー'ｰr' 　 ／: : |
　　 　 {　　　 ／´}_ﾑ: : :≧ｒ ､ .. _ ｰ ' .. ＜/: : : |
　　 　 ヽ　　　 ／　}ﾍ: : ＼＼ 　 厂}ヽ._/ | : : : |
.　　　 　 ＼ 　 __／　 ＼: : ＼＼x-┴く ヽ| : : :.′
　　　 　 ／　　 /ヽ 　 　 ＼ : ヽ ＼ 　 | 　|: : :/
　　　　/　 　　 {ヽ}} 　　　　ヽ: : }　 ＼ l 　|: :∧
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　この一件があってから、ウィリアムズチームの、デイモンに対する扱いが変わったようである。
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　　　　　　　　　　　　　　☆彡　　　　　　　／￣￣￣｀ヽ.
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　　　　　　　　　　｀Ｙ´ 　 　 .／／:.／:.:.:.:.:.,iﾍ:.:!:.:.:.:.:|:.:.|:.:.:.:.:＼:.:.ﾊ
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　　 _＿　人　＿ _　　 ／/.:.:.:.:.:.:.〉　ﾚﾘ／ヽﾐ|／ﾐ/　/:.:.:.:.:.:./ 　＼ 　 //:.:| _＿　人　＿ _
　　　　　｀Ｙ´　　　 .／:.:/.:.:.:.:.:.:{三ﾆ／ 　 ／/　/　/／(:.:./ 〈＿__ ＼/:.:.:.:i　　　｀Ｙ´
　　　　　　i　 　 .／:.:.:./:.:.:.:.:.:.:〔二/＿__/.　〈　/　((　　 ＼i　　／:.￣:.:.:.:.:.:ｌ.　　　 i
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　そしてこの扱いの変化は、彼の成績にも反映されていく。

　まずこのフランスグランプリで2位になると、次のイギリスグランプリで優勝、
　ハンガリーグランプリで２位、ベルギー・イタリア・ポルトガルと３連勝し、さらに日本グランプリでも優勝する。

　まさしく「破竹の勢い」と言ってもいいような活躍だった。
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　　　　　　　　　　　　　,,､､ィ＜＿
　　 　 　 　,ｨｲ'''"￣,￣　　　　　｀`ｰ-､
　　　　　 /　　　,ｨｲ　　　　　　　　｀ゞﾐ,､ゝ
　　 ,r‐'"´　ヾ､　　　　　｀`ゞミミﾐゞ､ヽ　｀`''ｰ-,
　 ,/　　,　　,tr`ヾr''"｀`ヾ　　 ＼　　,　　ヽ､　 ｀`ヽ
　 ,!　　l　 〈　i　((jii,ヾ　　i　　 `ﾄ､ゝ ｀ヽ　　＼｀`''ヾ!
　/　　j!　 ,l　 ヽゞミﾐl　i jﾄ､　　 `､　　　丶　　｀`ゞY
.,j　　,ﾉ　　lj　　`ﾄ､ミ,j　jii; ,ﾐゝ､ﾐ､ ＼ﾄ､　　｀`三二t､
.ﾘ ,ｲ/　 ,f/,!ﾄ､,k ﾄ､ﾞヾ!　N/ヾ;;:;:ヾ､,,,ｨ j　　　｀`''ｰ〈ﾘ
　>'ﾞ　　 _ノ li l l|　,j`ﾄ､　ヾミﾐ`ヽー-,ｲﾚ'三ヾ≡三〈
　i　,r'"´　　ﾘ川 /　ﾘ^ﾘヽゞミ三彳ィ'´-ｧ''ゝミﾄ､｀`ヽ　　　　　　あの者は、朕がいなかったからこそ勝てたのだ。
　ﾚ',　 ､,__ ノﾉﾉｿｰ=＝ﾆﾆﾆｿ''´)j`ﾄ､`ｰ'ﾞ　,ｲｨｲｿ 〉;:;:.ﾄ､
　| l　　 >ﾆ三从ｰ<_,ゝｰ'ﾞィ´　 ,ﾘ ｀ﾘ　　 　ゞ;;:　ｿﾘソ'　　　　　 大体、出場停止の原因となった失格も、
　ﾘ'ヾ;;..:jiil(⌒ヾ ＼　 ￣　　　 　 　 ヽ　　　|;:;. 〈　　　　　　　　朕が勝つことに不都合がある大貴族たちの陰謀ではないか。
　　　`ゞ;:;:;ゝ､ゝ>''´　　　　 　 　　　_ '　　　!ゞミ!)
　　　　 ｀''ゝ;;:.ﾂﾒ､　　　 　　 　　 _ _,, 　 　,'　jﾘ`t,
　　　　　_ ソi|　,ji ﾄ､　　　 　 '"´ ＿,　　 /　,ｲ
　　　　　　'ﾞj ﾄ　ヾ`i ＞､　　　　 　　 　 /ゝｰｭゞ､
　　　　　　　ﾘヾ ,j lil　　　｀`ー---,r‐ｧ'′　　(､「´　　,． '"´￣￣￣￣￣￣￣￣｀＞、
　　　　　　　　　￣｀`i　　　　　 ／／　　　　,r'´＞r'ﾞ´　　　　　　　　　　　　　 _／　　 ヽ
　　　　　　　　　　　「jヽ 　 　／／　　　　／／　/＿＿＿＿＿___＿＿,． '"´　　　　＿」
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　もっとも、この「破竹の勢い」には裏がある。

　実はライバルであったミハエル・シューマッハが、
　失格や、それに伴う処分によって、出場してないレースがいくつかあったのだ。

　一説によると、ベネトン・チームとシューマッハに勝たせたくない勢力が、
　失格をでっち上げたという話があるが定かではない。
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　　　　　　ﾄﾞｯｶｰﾝ!　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
　　　　　 (⌒⌒⌒)　　　　　　　　　　 　 　 　 |　　あなたも分からない人ですね。
　　　　　　｜｜｜　　　　　　 　 　 　 　 　 　 |　　Ｆ１のような世間的に広く認知されているスポーツを
　　　　 ＿＿＿＿_　　　　　　　　　　 　 　 　 |　　好きな人が「オタク」な訳ありません。
　　 ／::::::::::::::::::::::::::＼ ～ﾌﾟｰﾝ　　 　 　 　 　 |　　「オタク」とは美少女アニメとかギャルゲーとか、
　 /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼ ～ﾌﾟｰﾝ　　 　　　　|　　そういうのが好きな人のことを指すのです。
　 |:::::::::::::;;;;;;|＿|＿|＿|＿| ～ﾌﾟｰﾝ.　 　 　 　 |　　私は断じて「オタク」ではありません！
　 |;;;;;;;;;;ノ∪ 　＼,) ,,／ ヽ ～　　　　　　　　　|　　単なるメカ好きなＦ１フリークです！
　 |::（ 6∪ ー─◎─◎　） ～　　 　 　 　 　 .|　　あなたのように何でもかんでも「オタク」呼ばわりしたら
　 |ノ　　（∵∴　（ o o）∴） ～　　　　　　 　 .|　　世の中は「オタク」だらけになってしまいますよ！
　 |　∪<　∵∵　　 ３　∵>　ﾑｯｷｰ!　　　　＜　　野球好きな人を「野球オタク」なんて言わないでしょう？
　　＼　　　　　　　 ⌒　ノ＿＿＿＿＿_　　　 |　　それと同じです。私は断じて「オタク」ではありません。
　　 　 ＼＿＿＿＿_／　| 　 |￣￣＼　＼　　|　　
＿＿_／　　　　 　 ＼ 　 | 　 |　　　　|￣￣| . |　　ちなみに今年のシューマッハの処分は陰謀です。
|:::::::/　　＼＿＿＿　| ＼| 　 |　　　　|＿＿| . |　　あれはシューマッハに勝たせたくない勢力が連携して、
|:::::::|　＼＿＿＿＿|つ⊂|＿_|＿＿／　／　　|　　ヒルを勝たせるように仕向けているのです！！！！！
|:::::/　　　　　　　　|￣￣￣￣|　　〔￣￣〕　　 ＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

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　まあ、そんなわけで、いわゆる世間のＦ１ファンのイメージ的には、
　シューマッハが実力的には圧倒的に上だが、それが気に入らない運営に嫌がらせをされている。

　そしてそんな嫌がらせの結果、デイモン・ヒルが棚ぼた的に勝ち星を挙げている……

　そんな風に見られていた。

　今になって思えば、バカらしい話ではあるのだが、
　そんな風に見られていたのである。
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　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿
　　　　　　　　　 .,　-‐ '"::::::::::::::::::::::｀＞ 、
.　　　　　　 　 ／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
　　　　　　　 /:::::::::::::::::::::::ｨ:::::::::::::::::::l::::::::::::: ＼
　　　　　　　,':::::::::l:::::::::::::/|:ﾄ,:::::::::::::: ﾄ,::::::::::::::::｀ヽ
　　　　 　 イ::::::!:::|:::::::ｌ ム+!-、:::::::::::| V::::|:::::::::::::トゝ
　　 　 ／:::::::::: |:: |:::::::!/　 _L　 、::::ｲ厂l::/:::::::.:::::}
.　　／::::::::ハ::: !:::ｌﾊ::::ﾚ'朽.ヾ　 ヽ/,ﾁﾓﾐ〈|::::::::::::/
. ／::::::::／　.ヽ }::::::::ヽﾄ弋_ソ　　 　 ﾄ' ﾘ 〉ｌ:::::::,ｲ　　　　　　　　　ああ、こなちゃん。
/::::::::／　　　 Ⅵ::::::::: |　,,,,,,　　　,　 ｀´　ｲ レ':∧
::::::::/　　　　 　 ｌ:::::::::::|　　　　＿_　　"" ｊ: |ｌ::::::: |　　　　　　　　　これあげるわ。
:::: /　 　 　　 　 !::::::::::|　　　 ヽ...ノ　　 ノ::::|ﾊ:::::: |
::./　　　　　 　 　ｌ:::::::::|＞､ 　　　　　イ:::::::::ハ::::: !
'　　　　　　　　　入:::: ｌ｀ヽ､｀' ‐ｒ＜　 |:::::::/　 ｌ:::::::!
　　　　 　 , -＜　　|ヽゝ　　,ィV,､ ト､_ｌイ/　　 !::::::ｌ
　　　　 ／　 　　　 |　 ﾄ　 / 〉仆､ｊ　 ｌ＞､_　　 !:::::}
.　　　 /　　　　　　 ＼　ヽ' //ｌ!!ﾄ､ｖ　|;;;|　＞､ .!:::::l
. 　 　 {　　　　　　　 く　　V〈/.ﾊｌ } |　|;;;|　　 }　!::: |

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_,. ニ＝.-:､`:ヽ.、 ＿_　　　　 j!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ,. :'':´: : : : : :,:-'': :./: : : : : : : :｀:`:ヽ<､
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　': :／j: :.:::|: :.:::/j:./-‐_!:l. !: : :.j! 　 ∨:.!:::::::. : :l: : :! ',|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/, '　　|: .::::l: :::/ヤ示亦ｌ|　i: : :i!　　　V:lＶ::::::. : !:. :.!: i
あ、あずにゃん、ありがとう♪　　　　　 　 　 　 　 　 　 '゛　 　 !: :::::l: ﾊ　ﾞrＪ::V　l　 Ｖ: !　､　　ヾl.ﾞi;:::::: :j:::. :ﾄ､!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l: :::::}:l::::!　Lﾆﾉ　　 　 ヾ!　ﾐミニ ﾞ'j::V: : |:V: !ハ
この小箱は……おまじないの物だね。　　　　　　　　　　 　 　 V:/Ｎ::::!　　　　　'　　　　　　￣．l::::::V: !: :V|
ご利益ありそう。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　 ﾞ'　|:| ::l.　　 　 ｰr ､___,　　 　 　 l:::::: |Ｖ|: :.Ｎ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 |:,!: ::`:...、　　ヽ　ノ　　　 　 ,ｲ::: ::l:::i＾ヾ!
（一緒にもらったタントラのビデオ、どうしよ……）　　　　　　　　　 |':l: : ::::::l:::`i:.. 、　　 _,,... イ::::l::: : j::: }　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 j: :!: : : ::l::;/´iﾉ ￣　i! ヾ､|::::j:: : :.!::./　 '´￣二､ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ｉ: : !: : : :.!　　l.　＿　|　　 ｀i|: : :.l:: l　　　　　-―-'､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ,': : ∧､: : i　　 ｢　　.｀| 　 　'!: : :.!:::ﾍ　　　　 ´￣_,)'′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ,': :.∧:ﾍ:､: |　 　l.　 　 !　　 /: : ∧:: :.|　　 T ´￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ,': :/　ヾ､ﾍ: |.　　 l.　　j　　 /: :,/　 V::| 　　 |
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　そんなF1フリークの世界の中では非主流の側にいたジョージは、
　かなり熱心にデイモン・ヒルを応援したようである。

　チャンピオンが決まる最終戦の直前には、
　タントラのビデオとおまじないの小箱をあげたようだ。
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　　　　　　　　　　　／◆、
　　　　　　 　　　／◆◆◆、
　　　　　　　　／　　｀◆◆◆
　 　 　 （ﾟ」ﾟ）ﾉ　　　　　｀◆'
　　　　ノ|　 |
　　　　　」 L
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣

　　　　　　　 ∧_∧
　　　　　　　( ' A` )二二二/
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　（;;;（(=二==（;;;◎）--（;;;◎）
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　緊迫した状況の中、1994年11月13日、この年の最終戦、オーストラリアグランプリが行われた。

　この時点で、ミハイル・シューマッハとデイモン・ヒルのポイント差は１ポイント。
　たった１ポイントだけシューマッハのほうが上回っていた状況であった。
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　　　　　　　　　　　 ／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
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　　　　　　 　 　 ::::::::::ｉ:::::|:::::::{:::::::::::∧:|＼:::::|:::::::::}＼.　　 /　,/　 /　/｀）
　　　　　　　　　|::i:::::i:|:::∧::::j|::::::::/´　|_｀ ::::j::::∨j:::::ヽ　/　,/　 /　/　/
　　　　　　　　　Vi:::::i:|:::|　|::ハ::::/　ィんiﾊ∨::::::|∧::::::∨　/　 /　/　 ′
　　　　　　　　　∧:::从::lｲんiﾊ∨ 　 弋:ソ '|:::(⌒＼:::::/　⌒　｀ヽ(　！　　　　　　　 こんにちわ、かがみん！
　　　　　　　　　|:::::::::ﾊ小弋:ソ　　　　　､､│:::＼　 ∨　　　　　　　　{
　　　　　　　　　|::::::Vﾍ∧　､､　　′　　 　 |:::::::|:ﾊ　　　　ー--､　　 ,′　　　　　　 ＣＮＮの取材です！
　　　　　　　　　|:::::::ﾊ::::::::ｉ:、　　 ﾏ::ﾉ　　 ｲ|:::::::|_,∧　　 ｀ヽ　　　　/　　　　　　　　今日のレース、こなた選手の勝ちですよね？
　　　　　　　　　|:::::::| l::::::::i个ト,､　　 . イ＼|:::::/i/ 人　　　　　　　/
　　　　　　　　　|:::::::|八::::::ｉ:|ﾉ^八 ｀´／　　|イi:ｉ|.:｛::.{{`ー　　_...イ｝
　　　　　　　　　|:::::::| __＼/｢::｛.　｀)く.　 　 ﾘ::|:i:ｉ|::.::Vい、＿_／//
　　　　　　　　　|::::／.::.::.::.:/.::.:|　/大＼　 /.::.|:i:ｉ|::.::.::.:.＼＿_／o:〉
　　　　　　　　　∨.::.::.::.::.:〈.::.::.:∨/}|小 Ｖ.::./|:i:ｉ|ヽ::.::.::.::.::.::.::.::／
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　,.､-‐＝ニン′:　.　:　｀ 丶 ､
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　　　　　　　何言ってんのよｗｗｗ　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ,'/　 | : | : ﾊ 　 _ _ 　　　　,､=≡ミ`,: .:ﾄ､乂 卞´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ′　1: ハ:|バ'´｀｀`　,　　　　　､､　｀;.:| :}: : .￤
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ∨ 　｀ゝ｝　ﾞ´ 　 _　‐､　 　 　,__ﾚノ: : ﾉ│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 _込､_　 　ヽ _丿 　_ イ:／: : .,.'　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 f'~ﾞ'''ｰ汀ニ─-r‐ ´〈,／ : : ,:ｲ: . 　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_|::::::｀"ﾞﾞ｝::_;／/廴__/ 　 :／く;|: i. 　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∠,r‐‐､;;;;;;{イ　f~￣／　　./／~｀}: l. 　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 / r'"_ｿ:.丿{　,!　 / / 　 〃　　　|: l.　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 人　　_〉ノ}､ ヽ|　/ ｲ 　 .,'　! 　 　｛: !　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 〔ヽ､＼少´|}＼ |,/／{ 　 ｛ ,ｉ　　　　|: |　 l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　　〈＼_二__／|＞ゾ＜从　 | :ｌ 　　　　{: l　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　}　｀￣　 /: : : : : : `､ ヽ:! | 　 　 　 {: l.　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　　　/: : ／ヽ: : : ヽ　｀| 　 　 　 ｛: l　{

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　【柊かがみ（ジャッキー・スチュワート）】

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　この日、ジョージはわざわざオーストラリアに向かい、なじみのドライバーや、報道関係者に会っている。

　テレビ中継の解説のために来ていたジャッキー・スチュワートの中継ブースも訪問している。
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　　　　　　 　 　 　 　 　 　 .　-‐　　　￣￣　　‐-
　　　　　　　　　 　 　 .　 ´　　　　　　　 　 　 　 　 ｀丶.
　　 　 　 　 　 　 ,　'　　　　　　　　　 　 　 .　　 　 　 　 ＼
　　　　　　　　／　　　　　 　 　 　 　 　 　 !　　　ヽ　　　　ヽ
　　　　　　　/ 　 ,　　　　　,ｲ　　 　 　 　 ｲ　 　 　 ',　　 .　 ﾊ
　　　　　　 ,' 　 /　　　　 / i　　　　　　 / ',　 i　 　 i　　 ﾄ ､　',
　　　　　　 i.　 ,'　　　　 ﾑ-|　　　　 　 /`'''!　.!.　　 |　　 !⌒ヽi
　　　　　　 |　 i　　　　/　　|　　 　 　 ,'　　.! .ハ　　!　　 !__`Y¨ヽ
　　　　　　 |　.| 　 　 /　 　 i ｉ.　　　 /　_　 i,'　 ',　 ｉ　　 | _,. {　　ヽ
　　　　　　 |　!!　　　!　 __　ﾐ|.ヽ　　/　 ,. ''_ﾑｭ,,_i　,'　　 .!,／{　　　ﾍ
　　　　　　 .! ｉ ',　　 | ,r'ラ㍉ﾐ　ヽ　! 　 ,彳.)`ヽ`!/　　 . ﾄ､彡!　　　 ',
　　　　　 　 !i　ﾍ ､　!ﾍ {｀〔::ﾘ} 　 ヽ!　　 {:ﾄ::::ｨﾘ ﾘ　　 i　! i:/ ',　 !　　',
　　　　　　 /|　　N＼',　乂__ｿ　　　　　　ゝ=イ　,'　　 i　i ﾘ'　 ',　| . 　 ',　　　　　で、本当のところ、今日のレースはどうなの？
　 　 　 　 ,'　! 　 　 ∧　 , , ,　 　 ,　 　 　 , , ,　 i　 　 !　!'　 　 !. ｉ　　　',
　　　　　 ,'　 !　　　　ﾊ 　 　 　 　 　 　 　 　 　 i　　　|　!　　　 ',.i 　 　 .',　　　　 やっぱりこなちゃんで決まりよね、ねっ！
　　　　　,'　/i　　　　 ∧　　 　 　 r＝ヽ　 　 　 !　 　 ! .i　 　 　 ! 　 　 i. !
　　　 　 i ,/,ﾊ　i　　 　 !ゝ.　 　 　 `ｰ ′　　　ｨi　 　 ｉ ,'　 　 　 .! 　 　 |!.i
　　　 　 i/ ' ∧ !　 　 /　　 ＞, ,.　 　 　 . ＜!ヽ|　　 ,'/　　　　　|　　　 |.!i
　　　　 /　　　Nﾑ 　 {＿＿.../ |ﾊ ｀ = ´　／ ﾞ! !　 /ﾒ ､.............._ !　　　 | !i
　　　　,'　　　ﾉ'´　＼ ',　　 ./　|　＼　,　'´ 　 ! .! / '　　　　　　 ヽ　,'　 ｉ. !i
　　　 ,'　 　 /　 ヽ　　ヽ　 / 　 !　 ｨﾆ)､　　　i　 '　!　　　　　,　　 ∨.　 !　ｉ!
　　　,'　 　 i　　　 ', 　 　 /　　 | /',ｲ.}ﾍﾞ､　　i　　　',　　　／　　 　 !　 ,'.　i!
　　 .i .,i 　 i　　 ､.. ヽ　 ,.ゝ､ 　 / ｨ 「| ﾄヽ_r‐‐ ､　,ノ　 , '　 　 　 　 |　,'　　!
　　 i .i !　 j　　　 ヾ､／"￣.)../ /.! ｉ | |.Y 　 ｀　 i'.、 , '　　　　　　　i. ,'　　 !
　　 ! i .Ni´　　 　 　 |　　´ ,r'《 ｰ' ﾘ |. i.( ヽ　　　i 〃　　　 　 　 　 |.,'　 　 !
　　 | !　 ﾍ　　　　/´i　 　 　 ﾉゝィ | | .|ム　　 　 |`!　　　　　　　　 i'　　　 i

　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ノ|
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　　　　　　　　　__,.-‐":: :: :: :: :: :;/:: : :: :: ::｀ヽ､
　　　　　　　,ィ´,:: :: :: :: ::/: :: :: ;ｲ､:::､:: .: :: :: :: ::＼
　　　　　__,/::_:/::; ::/:: ::/:: :/|:::/| ∨:|:: :: ::.､::.:ヽ､::｀ヽ
　　　 ／;;;;ﾏ;;/:.:/:::ｉ: :: :⌒://:/ |　 |::|;⌒:: ::.ｉ:: :: ::ヽ､::＼
　　／;;;;;;;,|;;;;|::/|: ::|:: :/:／__'"　|　_|/_ヽ､: :; :|:: : :: :: :ﾄ‐-｀
　　ヽ､_;;/{_;;|;/;;| ::|:: ;ヤﾁﾃｫ゛　　 'ｨｧﾔ:7∨::|: :: ::ｉ: ::|　　　　　うーん……
　　　　ｊ:::∧;: ::{ |:.:|/ ､込:z:;i　　 　 ﾋ::z;ｊ, ﾊ:;ﾘ::: :;/:::/
　　　　|:: ::∧:弋|;/, 　 `-‐'　　　､　｀‐" 〈_）:|: :/|:;/　　　　　　マシンの性能はこなたのほうが上。
　　 　 ｊ:: :: :∧:: :ﾍλ 　 　 　 　 ．_　　 丿::::|;/　'´　　　　　　 ドライバーの技量は多分ラインハルトのほうが上よね。
　　　　|: :: :: ﾊ:: : :∧｀＞ ､ __　　 |:| ,.ィ´::ｉ:: ::|
　　 　 |:: :: :::ｉλ:: : ∧__,.-‐ｊ.　 Τ|:|､_.|:: ::ｉ.: ::|　　　　　　　　　でも、あの金髪の儒子、
　　 　 {:: :: :ｉ:|　ヽ;: :: :｀ヽヾ＝=="|:|　｀ヽ;:!:: ::}　　　　　　　　　時としてかなりアブナイ運転するからなあ……
　　 　 |:: :: :ｉ:|　 ,ｆ´｀}:: ::ﾊ　　　　 |.|　 :ｉ, ﾍ;: ::|
　　 　 ｊ:: :: :ｉ:| 丿　　|:: : :} 　　 ,ィ´~ﾍ |:　 〉:.:ｊ　　　　　　　　　こっちはそれやるな、ってうるさく言ってるんだけど。
　　　　|:: :: :ｉ:〈´,,,,　　|::ｉ:.:|　　丿　　λ|__,<}: :|
　　　　|:: :: ::ｉ|{><}＿,,{::|:.:| ／　　,ノ´`'ｉ::　ﾍ:: |
　　　　}:: :: ::ｉ| ~|~ γ|/|/´　　,∠_　　 |;__ ハ::|　　 ＿＿＿ _＿_＿
　　　　|:: :: :: |　ヽ､　　　　 ／爪　｀￣´　　 ,}::|　　|　　　| /　　|{lll}|
　　　　|:: ::|￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣

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　　　　　　　　　　,　 ..' ´ :: :: :: :: ｀.. .. ..､
　　　　　　　 ,　':: :: :: :: :: :: ::i :: :: :: :: :: ::｀.. .､
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　　 .,ﾘ:', :|::, :: :|　 ､　　　'.,:: :!　ノ ヽ,:|:: :: ::|,-, :: :|:: ::|
　　.,' :: :V! ::ヾ,|　　｀　　　ヽ,| ´　　 ｀!:: :: :|　 , :: !:: ::!
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　　|:: :: |. |:: :: :ヽ,　　　　　　　　　　/|:: :: ,' 　 　 | :: :|　　　　　　　 かがみんってさ、以前、
　　|:: :: |　ﾘ:: :: |　> ,　　_ -　 　,.／　!:: ::,'__.　 　| :: :|　　　　　　　 安全対策がなされてるから、きっちり追えるって、
　　|:: :: i　, ! :: :!´　| ／ ｀‐ヽ_´　./ .,'!:: :'　　｀ ‐-　､!　　　　　　　 そんなこと言ってなかったっけ？
　　|:: :/´　 ヽ, |　／　　　　　｀_/　,' | :,'　　　　　　 i|
　　|:: :i　　　　｀ /￣￣ ＼　　,ﾉ /　 !/　　　　　 　 |　　　　　　　　ギリギリのラインを突くってことは、
　　|:: :',　　　　 ,　　　　　　ヽ<､/ 　 |'　　　　　　　/!　　　　　　　　逆に言うと、それだけ今の車が安全だ、ってことでは？
　　|:: :: i　　　 !　　　　　　　//ヾ, /i　　　　　　　,':: |
　　|:: :: |}　　/　　　　　 　 /i' 　 | /　　 　 　 　 / :::|
　　|:: :: |i　 /　　　　　 　 //|ヾ_.//　　　　　　 /|:: ::|
　　|:: :: |{　i　　　　　　　/,'　| 　 ,'　　　　　　 / .|:: ::|
　　|:: :: |ヽ.|　　　　　／　i　　　/　　　 　 　 /　 !:: ::!

　　　　　　　 ,. .-'_",...,．‐: : : : : : .::|: : : : :､、: :｀:丶､
　 　 　 　 ／-''".　'"　　　　　: : :::;.!: : : : : ::ヽ: : : : : ヽ
　　　　／'´,,,,／　　..... . . , : : ::/::/ i: : ､: : : :::ﾍ: : : :.ヽ:｀､_
　　　　 ／;;; ′. :.:::::/: :./: : :::/!::;'　 !: ::|i､: : : ::ﾍ.: : : :.ﾍ;ﾎ;;;＼
　　　 ヾ;;;;/: ::/:/::::/: : :i,:-‐:7-:::!　　V: l.i.>‐:-:､;i: : : : : :V!;ヾ;;;＼
　　　　 У:,;ｲ:/::::/: : .::j: :.::/　|::!　 　 Ｖ:l i. ＼: :.:j:. : : : : '{!;;;;ﾍ;;/
　　 　 ,/:./;;i:j:::::::i: : .::::!: :/ 　 l:!.　　　 Vj ﾞ:、 ＼::}:. : : :j:. {;;;;;;;;;;,　　　　 ギリギリまで車を追うのはいいんだけど……
　　 　 〉/;;;;;!i:::::::j: : ::::;l:,;/二__|!　　　　 ヾ __ｚ‐ﾆゝｨ: : :.|';, !;;;;;;;;;〉
　　 　 !' ヾ;;!!:::::::}: : :::{.丁勹ホト　　　　　/'"｣不｢ﾊ:. : :.!';;;,j;;;／　　　　 問題は、車が安全になったゆえに、
　　 　 　 　 i!:::::ﾊ: : :∧　｢::し'::|　　　　　　｢::し'::|　,!: :./:!;;:ｲ　　　　　　 特攻めいたことをすることなのよね。
　　　　　 　 ,!:::j: :i; :::!ハ ヾ:,,,,:ｼ　 　 　 　 ヾ:,,,:ｼ　/ｌ :/: : : :!
　　　　　 　 l:i::|: :::l､:ト-:i 　 　 　 　 '　　 　 　 　 厶|/: : :.|:.|　　　　　　 今の車ってさ、ちょっとぶつけたくらいでは、
　　 　 　_　 |:Ｎ: :.::!ヾ:::::iﾄ､　　　　　ｏ　　 　 　 ノ:::::}!:: : : l:.|　　　　　　 死亡事故とか起きないから。
　 　 　 l　l　||: : : :::!: :::::::il　｀丶 ､　　　,.,. -: '"|i::::::::,!::: : : ｌ:l
　　　　 ｌ　l　!!: : : ::|i: : ::::::!　_,r'"´l ﾞ¨ﾞ　!｀ヽ、.j!::::: :j!::: : : :l:!　　　　　　 それくらい安全になったことをいいことに、
　　　 ,-:、 !、!: : :.:::!:i: : : ::f'´　 |'" 　 　 ｀|　 ﾞ/:: : :,'|::::: : : jl　　　　　　　今度はぶつけてリタイアさせようって感じで、
　　／i. ,ゝ-ヽ!: : .:::|:::j: : : :.!　　 l''"￣｀` l　 /: : : :,､|::::: : :!:|　　　　　　　卑劣な行為が行われるようになるのね。
　 ｛ 、ﾞ､>ｧ　 !: : .:::l, '`i: : : :i､　　l.　　　 j　./: : : :/:久::: : :!:l
　　ﾞ:r`‐'　　 ,! : ;ノ　　 '; : : l､＼　!　　 j　,ｲ: : : :/'゛　ﾞ､: : l:.!
　　　ﾞ':,　　　{'"　　　　:..',: : :l､＼`:i 　 i／,ｨ: : :./i:/　　ヽ: |:|

　　　　　　　　　　　　 ,. . -―--､ , ､ _,.. :―-
　　　　　　　　_,.. -: :´: : : : : : : :／ :.|: : :＜＿
　 　 　 　 ,. :´: :／￣｀: : : : : : : : : : :{: : : : : : : ｀ヽ､
　　　　／: : :／: : : : : : : : : : : : : : : : !: : : : ､: : : : : :＼
. 　 　/: : : :/: : : :/: : : : : : : : : : : :l: : !: : ､: : ｀ヽ￣ ⌒ヽ
.　 　,' ＿ /: : : ,ィ: : : : : : : : /:_:_/＿:ﾄ､: : :＼: : :＼
..　　l////: :／ /: : : /: : : :/: : :/,.ィミ､ ヽ_: : :＼￣｀
. 　 ////／///: : :./: : : :/: : ,ィ´ Ⅵ㍉　 　￣ }:.､
　 //////{//l: : : /l: : : /: : :. :| 　 弋>'　　　　{: : ヽ　　　　　　　　　まあ、今年はななこ先生のああいうこともあった訳だし……
　 {/////:.!//!: ://.!: : /l: : : :/　　　　　 　　_ ﾉ､: :.!
　　＼//: :|//|://: :|: /(lj: : :/　　　　　 　　´ ;　 ヾj　　　　　　　　　 やっぱり私としては、
　　　 　 |: :ヽ.//: :､j/､_,...Ⅳ　　　 　 　 　 　 {　　　　　　　　　　　　 これ以上ああいうのは見たくないのよね。
　　　 　 |: : : :|､: : :. :.ヽ'　　 　＿､　　　　_,.. ´
　　　 　 |: : : :| ＼: : : : ＼／　　　{ 　 T　　　　　　　　　　　　　　　 っていうか、もう一生見たくない。
　　　 　 |: : : :|　　＼: : : : ヽ　　　 |　　{
　　　 　 |: : : :|　 　／ ､: : : :.ヽ　　 ヽ　 ヽ
　　　 　 |: : : :|　 　ヽ　 ＼: : : ::.　　　＼ 　＼_
　　　 　 |: : : :|　　　　_ヽ　｀､: : : :.　　　 ヽ､＿_｀ヽ､
　　　 　 |: : : :|　　　/　　　　 ',: : : :.　　　　 {::::::::::::::}
　　　　　}: : : :i　　 ,'　 　 　 　 ,: : : : ､ 　 　 |::::::::::::::ト､
　　　　　|: : : :l 　 /　　　　　　 ヽ: : : :ヽ　　 !::::::::::::::::::::ヽ
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　おそらくジョージのことだから、今日のデイモン・ヒルの勝算とか、勝てる可能性とか、
　そんなことをスチュワートと話していたのではないかと思われる。
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　　　　　　　　　　 -―-
　　　 　 　 　 ／ 　(M)　 ｀ヽ
　　　　　　　 ヽゝニ二ニﾌ/
　　 　 　 　 　 f.| ≡　≡ |ﾗ
　　　　　　　　　ヽー^ー'ﾉ　　　　　　　　　　　　　まあ、彼ら二人でやってくれ。
　　　　　　 ィ⌒≦｀ ¨ ´≧⌒ヽ
　　　　　 / ―.|:|　　\　　|:|―.∧　　　　　　　　　俺は俺のレースをするだけだから。
　　　 　./　 /| └‐――┘:|ヽ, ∧
　　　　〈　 / .|: : -――-: : | ./　 〉
　　　　 ﾍ　.ﾍ|: :: :: :: :: :: :: : |/　./
　　　　 　 ヽ .ヽ : : : : : : : : /　/
.　　_　　-―{＝ }ヾ、: : ,,ﾉ {＝ }ー-　　_
　 〈.: : : : : : ﾍ　i.j: :/⌒ヽ l.i　/: :: :: :: :: : 〉
　 .∨: <---―ヾj i　//　i l_/ー---ゝ: :/
　　 ∨: : .}　　　　{ //　 }　　　　{.: : : /
　　　.∨ ∧　　　 ∨　 .ﾉ　　　 / : : /
　　　　∨___＼.　　 ｀¨´　　 .／___ ;/
　　 ≦´＿,､__} 　 　 　 　 　 {__,､＿_｀≧
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　前日の予選一番手はナイジェル・マンセルだった。
　彼を先頭に、2番手シューマッハ、３番手デイモン・ヒルと並ぶ。
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　⌒ ー-､
　　　　　　　　　　　　　　　 ／　　　　　　　　 ､_}´｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　 /　　　　　　　　 ⌒ヾ'r'　　 ＼
　　　　　　　　　　　 ､＿ノ　　　　　 　 i　　　rミ､　　　､ }
　　　　　　　　　　　　フ　ノ ;　 i　　＿ﾉ;　　 (　{ﾉ:;　　 乂
　　　　　　　　　　　 ( ／;//　 ﾉ l l フ′;}　　 Y /　 !　＼ヽ
　　　　　　　　　　　 }'//; ;　＜ ﾉ} }八 (/ /;　　){! ｛ ト-ィ )ﾉ
　　　　　　　　　　　 ∨// / イノ厶､_V∨/ ／__乂ヽ‐ｧ　(
　　　　　　　　　　　　｛〃八 /(_たtｯ‐≧{/(f'tッ ラ イｲ{ ト
　　　　　　　　　　　　 V {ヽ(ﾍ(´　　　　 ′{　　　　ノノ/ﾉ
　　　　　 　 　 　 　 　 ヽ乂 ｀Y　　　　　　 |　　　 ｲｲ/´　　　　　　　　　　 ったく、邪魔なヒゲ親父だ。
　　　　　　　　　　　　　　 _ )ﾉﾊ､　　　　 ｰ '　　　/乂_
　　　　　　　　　　　　　　　7/　| ＼　　´￣｀　 ,ｲ)ト- ｀
　　　　　　　　　　　　　　　Ⅵ(ｰ､　 ヽ　　　 ／|Vﾉ
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 _ﾊ}　｀ｰぇ≧､r'彡ｲ{､　　　 yｘ───-　　 ＿
　　　　　　　　-─-ｘ､　　ィ代 ﾄ､_)Yr‐､Y|!| r‐(ぅ)ー‐rく　 ＼＿＿＿＿＿
　　─　´　　　　　 ノﾉ}くヽ　　｀ミｘ〈＿ﾉﾉ{[ト｀¨ﾟ/　　/ ﾉﾉ＼ |
|ヽ＿　 　 ─ 　 ´￣ 人 ＼ー=＝ミヽ＼/r=ヽ{ レイ彡'ﾟ丿 ｢::｢::｢T‐r-r-r‐r‐
|　|　　　　　　　　ィ个|::|＼ 　￣｀ーｘ)__}! |　} |＞　´ ／ 　 |:::|:::|::|::ｉ|::ｉ|::ｉ|::ｉ|
|ヽト─r::T::｢:｢:|::|: |: |::|::|　 ＼　　　　　　￣￣　　￣　　　　|:::|:::|::|::ｌ|::ｌ|::ｌ|::ｌ|
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　決勝スタート直後、マンセルは出遅れ、
　２番手シューマッハがマンセルを交わしトップに立つ。
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.　　　　／／　　　　　 　 　 　 ＿／_,∠＿＿
　　　 /.:/　　　　　'" ￣￣ ヘ　　　　　＿＿　¨.二ﾆ=-､
　　　 {::{　　／: : : : : : : : : : : : :＼: : : : : : : : : :｀丶、
　　 　 ヾ　 /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ　 ／＿
　　　　　>′.::.::.::.::.::.::.::.::.ヽ.::.::.::.::.::. ＼-.::.::.::.::.:＼_.::.::.＼´ ／
.　　 　 /.::.::.::／ :.::.::.::.::.::.:: |.::.::.::.::.::.::.|::＼.::.＼.::.::.:＼｀＼∨
　　　　|.::.:: /.::.::.::.::.::／|⌒:j.::.::.:.:::.::.:: |.::| _＼.::.ヽ.::.::. ヽ
　　　　|.::.:/.::.:: /.::.::.::.: | .:/ ＼.::.::.::.::.:ﾚﾁ斤| ﾄ.::.',.::.::.::.:l
　　　　|.:/.:,'.::.::|.::.::.::.::/|:/__　　ヽ.::.::.::|ち:::|　{.::Ⅳ＼.::.j
.　　 　 Y.:/! .:: l.::.::.: / ｨチ行 　　ヽ.::.| Vﾋｉ　',::.l　　 ∨
　　　　 ﾚ.::|.::.::.|.::.::.ﾊfﾍﾉ:::::ハ　　　∨　 　 ・}.::.ｌ
　　　　 lrｰゝ､∧.::.ｌ∧　V;少''　　 　 _'　 　 ｲ.::.:|
　　　　 j ＼　＼∨.::. ヽ, -、　 　 こ.ノ　∠l | ::.:|　　　　　　　　　 マリオさん、お先行きまーす♪
.　　 　 ,'.::.::.（￣｀ヾｰ､_/　/、 ＿＿　／//}│ .:l
. 　 　 /.::.::.: (￣ ヽﾉ　 　 {＼　　　ハ　/V/│.::.!
　　　/.::.::.::.:r'¨`ｰt'　　　ﾉ.::. ＼ｰ‐'´|　川{　∨ﾘ
.　　/ :.::.::.::. `ﾄ ー′　 ｲ ＼.::ヽ＼　| // ﾉ
　／.::.::.::.::.::.:人ゝ､_　　 lﾉ　ﾊ.:.:}∨ヽ!シｲ
/.::/.:::.:::.::.::〃　＼ ＼／　/） V二ﾆ¨´¨`ヽ
.::/|.::/.:::.::.::{{　　　＼三／人　　　 /　　}　 ＼
/　V.:::.:::.:::.:::ヾ　　　　　 ｲ　 ｀　　（　　 {｀ヽ､_ ＞
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　デイモン・ヒルもまたマンセルを交わし、シューマッハを追走する。
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あ、あいつら、早すぎ……　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　(⌒　　　　　　　,彡彡ミミ
　　　　＿＿__　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　♪ 　:'´:￣::｀ヽ　　　　　　彡彡ミミミ
　　　 Ｌ＿_o__|＿　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∩i:::::/l/ﾘヽﾊ　　　　　　川｀∀´川　
　～ （　；´３｀）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ |:iｲ=ω=.ﾘ|7　　　　　ﾉ⊇=出=⊆つ
　～（ つ　⌒ つ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /｀ヽJ|:l:l: 氷./‐┘　　　ノ　G＿＿,,|ゝ
　～ 人　 Ｙ 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ´｀く/////ム　　　　　　'⌒　|_　|_　|
　　 （__（＿）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀｀｀｀｀) ）　♪　　　　　 （＿_)＿_）
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　シューマッハとデイモンは、後続をどんどん突き放していく。

　まさしくF1最終戦は、チャンピオンを争う２人のがっぷり四つの戦いになった……かのように見えた。
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　　　∴∵　∴∵ ∴　∵∴　　………

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　　　　　　　　　　　 /!_ 　 　 　 　 　 　　　　　 ﾄ､ ＿
　　　　　r── ─'´_ _L＿,　-‐=＝＝＝=‐- ､L.:.:.::::::｀`ｰ-,
　　　 　 ﾄ､　　　　　,､､-‐'''"´　　 ￣ ￣￣ ｀`''ｰ- ､ .:.:.:.:.::/　　　　　　　　　　　　　　　_ _ _ 　　　　_ _
　　　　 ∩ {Yィ-‐''"´　　　　　　　　　　　 ,!　 　　　. :.:.`ヽV　　　　　　：　　_ _ _ 　　　　_ _ 　　：　．
　＼　　　　|l|w/L ,r_／_,,　　　　 `ｰ=‐<7>‐=‐ '　　. :.::.:.:::〉
　　＼＼{ｗ└ ¨ ´ ／　　　　　　　　　, ′　　 　. .:..:::::::::/､　　　：　　　　　　：　　　　　：　　　　：　　　　_ _
　　 　 ＼´　　　　　彡x､　　　　　ｰ＝jk＝‐'　 .: .:.:.:.::::::::/ｪｪｭ
　　 　 ! >　 ； ’　　∠─/ﾄ､＿ _　　　　　　＿ ,ｲ.::::::／三三!　　　　　　：　　_ _ _ 　　　　_ _ 　　：　．
　　　／　　　　　　}|‐''"´.:l/:::/:://ﾆヽﾆ7 /:::/::/.:,:イ三三三|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_ _ _ 　　　　_ _
　 ／´ヾ,　　r､r‐|＾` :.:.::::::/:::/:://三三/ /:::/::/.::::〉ヽ＿＿_,/
　　　　　/／　 }´ ﾞ､　　　｀`"´　〕.:::b7　｀"´´.::::/
　　　　/ 　 　 　 　 ', r─ ‐＝‐ !:.::抂! ‐＝┐.:/
ドカッ！　　　　　 　 ',　　　　 　 〕:::::/　. :.:::::!/
　　　　　　　　　　　　 ＼　　　　〔.:;;;;〕　.:.::::::/　　　　　　　　……　　　・　・　・　　……‥　　‥‥
　　　　_ _ _ 　　　　_ _ 　 ＼　　 」｡:::!　.:::::::/　　　　　　　　　　　　　　∴∵　∴∵ ∴　∵∴　　………
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　ゝ圭7´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　‥‥
　　　　　　∴∵∴∵
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　レースに動きがあったのは、レースも中盤に差し掛かったくらいの頃であった。

　トップを走っていたシューマッハが、突如ドライビングミスを犯し、
　コンクリートウォールに衝突してしまう。
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　　　　　　　　　　　　　　(⌒)
　　　　　　　　　　　 　 (こ○こ)　　　　　　 ,-､
　　　　　　　　　　　　　　(___)　　　　　　　てOう
　　　　　　　　　　　　　　　　 ＿　　　　　　‘ｰ’　　　(⌒)
.　　　　 　 　,-､　　　　 　 ／/⌒　　　／　　　　　(こ○こ)
　　　　　　 てOう　 　 　 〈.::.{　　__, ベ.ー-＜　　　‘ｰﾍ_ﾉ
　　　　　　　‘ｰ’　　　　　 ,ゝ'´.::.::.::.::.::|.::.::.::.::｀丶、
　　　　　　　　　　　　　　/ :.::.::.::.::.::.::.::j.::.::.::.:: く￣
　　　　　　　 　 {ヽ　　　,'.:/.::.::⌒/|.::.::ハ⌒.::.::.:ヽ　ﾊ
　　　　　　　 　 ∨＼_　{/.::.::/:./　|::/　ヽ＼.::.::|.::V　}
.　　　　　 　 　 /　／ ∨ｲ.::/≡≡l/　 ≡= ﾊ.:.|ヽ｢∨
　 　 　 　 　 　 ヽ_{ 　 　 |.:ハ::::::　､_,､_,　::・{:.Ⅳ　∨　　　　おっ、これはチャーンス！
　　　　　　 　 　 　 ＼.　 |ﾍ.::.:l､　_（_ ﾉ_　イ.::|　　/
　　　　　　　　　　／.::.＼　ヽ::| 　 ∨{　 / |.:/ .ｘく
　　　　　 　 　 ／:／.::.／＼ ヾ＼　｢］ /| ﾉ'／.::.::l
　　　　　 　　/.::./.::.／.::.::.: _} 　 |lヽＶ/ l|r'´.::.::l.::.|
　 　 　 　 　 l_;斗-く :.::.::. 〈 j 　 ＞ω＜.| :.::.:: l.::.|
　　　　 　 　 V`ｰく¨ヽ.::j≧ﾍ 　/　 ∧　}| :.::.:: l.::.|
　 　 　 　 　 /.::.::.∧/∨l|　　Ⅵ_／　 ﾚく :／l.:|l:ﾉ
.　　　　　 　 |.::／l.::ヽ_,,斗‐'´／ 了丁 //　　リ

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　さほどダメージはなかったのだろうか。
　とりあえずシューマッハの車は、コースに復帰することができた。

　しかしシューマッハのミスと、マシンのダメージを、
　後続のデイモンは見逃すことはなかった。

　これを千載一遇のチャンスと考え、シューマッハを抜き去ろうとした。
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　　　 ﾚ/　　　,､r,r'ﾞYx'､'ﾞ　　　_,-'ﾞ　　　>､≧三ｼ'ﾞ　　　　!l　　,!　　　　 i
　　　 ﾘfﾞ ノ ,r,r'ﾞ`～-ニ=＝三'',";'　 ｯｲノ/　/ ,i ,!　　　ヽヾ、/;'　 ;'　　 |
　 ､.__｣ﾚ'ﾞ 〃　　 _,､-‐'''"￣　'';';'_,:ｨ'ﾞ 'ﾞ,／,イ,ｨ Ｎ　 　 　 ﾄ;､ヾ ';　;';　　 l
　　＞　　　 　 ／ｨ'"　＿,,､､ｧ=ﾃ､_ｪﾆ-‐'ﾞ /ｲﾊ い,ﾞ!、 　ﾉ ｌﾄ,ヾ!'; ';';';';';　i
　/ﾞ/　〃　 ／／,､-''"｣｢ iﾞ iﾞ ;'ﾞ　　￣｀`''-､_ﾞ!､ヾ､`ー''",ノﾉ ﾞ!ｌl ';';'i, ;';':　`:､
. l/ﾞ/; '　　　 /／,;､-^､ ､ヽ_ﾄ､!　　　'"~`T''ｧｯ'ﾐ=､ﾆヽｉ｢´,´　,ｨ ﾘ 　 ヾ, ﾞi､｢i`ｰ'
　!/ l l　　,　; /rｨ"iﾞ ⌒､ﾞ､ﾞ'tｰゝ　　　　 　 `''ｰﾞ-`　｀i｢ ﾘノｨﾉ'ﾞﾚ｢　!、　ヽ,ｉl ;!|
　Y l 　 　i fﾞff ;';| ﾘ´,ﾊ ﾞ! ヾ;　　　　　　　 　 `　 　 -'"彳ﾃミ,_ﾄﾐ,_ヽ ﾞいﾘﾊ!
　 ヾ 　 　i ! || !.!| ヽ（. 　! ;lﾞ'|　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 | ｀`ﾞｰ　ﾉ,:ﾝﾗ | l'′
`ｰ'ﾞ,､　　,　　ﾞ!ﾞ!ﾞ!＼`ヾ､| ,ﾊj　　　　　　　　　　　　　 　 l　　ｰﾃﾞ-彡ｨ'ﾞﾘ
＞'ﾞ ,r',,r'ﾞ　　　ﾞ　 〃:､ﾞﾘ/ ｿ　　　　　　　　　　　　 　 　 i,　　,｢" '"´ 'ﾞ
, ｨr'ﾞｨ'ﾞ　, //　 | ,〃　 ﾌf　　　　　　　　　　　　 　 'ﾞ￢,r'"　 /ﾄ=‐'
ﾀﾞｨ'ﾞ , ///　,;! ;l ﾊ|　　 lﾞ､　　　　　　　　　 ,､＜`ｰ-ﾆ､　　 /ﾘﾉ
fﾞ/////　 ,;'ﾀ,ハ!ﾞ:!　　 ! ＼　　　　　　　　!､_　￣｀¨`/　 /ノ'′　　　　　　　　　　させるかっ！
/!　,r' ,､-'ノｨﾞ`''-､_　　 i　　＼　　　　　　　　￣｀¨`''′ /
`L/!／-‐''"`'-､_　`'-､!i　　　 ＼　　　　　　　　　　　 ,:'
　ﾐ＼　　　　　　_`'-､_　`'-､_　　 `'-､_　　　　　　　／
　　`､＼　　　　'"￣`ヾ`-､_ `'-､ 　 　`'-､__　　 ／
　　 -'　 ＼　　　　　　|l　_....`-:､_`'-､_　/ﾞ ﾄ｢￣
　　　　　　 ＼　　 -‐'ﾝﾞ",､--､,_ `'-､_ Y`iﾉ､`ヽー-､
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　ここでシューマッハは、思いもよらない手段を取る。

　急激にデイモンの方に幅寄せしたのだ。
　ttp://www.youtube.com/watch?v=f-Mw_NQuIrQ&feature=related　※リンク切れ
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／ 二ニヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 /.:／　　 　｀＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 |:/
　　　　　　　　　　　　　　 _ , ;; -―――‐--'-、',{　　　　.-;
　　　　　　　　　　　 ,.　''´: : : : : : : : : : : : : : : : : : ‐--'´: : |､------- ..__
　 　 　 　 　 　 　 / : : : : ／: : : :／: : : : : : .: : : : : : : : : : : /　: : : : ＜´￣￣
　　　 　 　 　 　 /: : : : :/ : : ;／. . .: : : : : :/:: : : : : : : : : : /:::. : : :ヽ: : :＼
　 　 　 　 　 　 /: : : : :/: .: :/ : : : : :.: : : /:: : : : : :./: : : /|: : : : : : : :＼: : ＼
　　　　　　　　 !: : : : :/ : : :/ : : : :λ:: :/:.: : : : : ;ｲ: : : :/ .|:: :|､:l: : : : :ヾヽ : ＼
　　　 　 　 　 .l: : : : :/.: : /:.: :/: /　|:.:/:::＼:;／ /: : : :/　 |:: :|:｀!: : : : :ヽ ＼ ヽ
　　　　　　　　| : : : /: : /: : / ::（__,ﾉ:/:_:_;／＼/: : : :/　　,|;イヽ |: : : : : :ヽ　＼!
　　　　　　　　|: : : |: : /: : / :: : : :;:ﾏﾃ弐ｧ､　/: : : :/　, ∠ｊ:;/∨'.!､ : : : : 丶
　　　 　 　 　 .|: : : |: : |.:.:/|: : : : :./'´f‐':ﾊ;;:}` !: : :/　 ,ｨﾁ弐テ7: : :| : : : : :ﾉ
　　　 　 　 　 .|: : : | : :|/:.:.| : : :.ｲ 　 Vゞｨ:;ﾘ /: ／ 　 .ん';ｭ:} ,'ﾊ: : : |.: : : :/
　　　　　　　　ｊ: : :::|: : :|.:.:.:|: :/V´ , 　｀-‐'"/／　　　 V:ｨ:;ﾘ,/:| |: : : | : : :/
　　　　　　　　|: : :.:|: : ::{|/.|;/　　（ｊ　゛　　./'　　　　｀　`ｰ"/:::| ,|: ::/} : :/　　　　　　えっ、ちょ、ちょっと……
　　　　　　　　|: : :.:ヽ: ::ヽ､__,,　　 　 　 /´￣`ｰ--､,　　 ・ .{:::|　|:;/　|:./
　　　　　　　　|: : : ::|:ヽ､:.: : : :ヽ｀ゝ.､__ ヽ､_＿＿_:;;ﾉ　　　 ｊ:::|　ｊ/ 　ｊ;/　　　　　　　ら、ラインハルトさん！！！？？？？
　　　　　　　　|: : :.::|::::::::;>-──-､:ヽ ＞‐-､_ 　 　 　 ,.ィ´::::|　　 　'´
　　　　　　　　|: :.:.::|:;ｒ,'´　 　 ｒ-‐､ ＼.:.:.| :::::∧:::爪:::.:/|::::::::::|
　　　　　　　　|: ::::;/'´　　　　　 　 ｀~⌒＼:.:.:ヽﾍ:::ﾉ:::/ .|:::::::::| 　 　 　 　 　 　 　 ,r‐‐､
　　　　　　　　|::／{　　　　　　　　　　　　　＼:.:.:ヽ ￣￣￣￣￣￣｀ヽ┬┬､　_,ﾉ ,/二__
　　　　 　 　 ／　 ｊ　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ＼:.:.:ヽ　　　　　　　 　 ﾍｉ　|　|~　　 ｒ‐-‐'
　　　　　　　 ＼　 ｀ヽ　　　　　　　　　　　　　　 ＼:.:.:ヽ　　　　　　　　 }　|　|　　 ﾒ､

　　　　　　　/:. :. :. ,ｨ:. :. :. :./:. :. :. /j:／＼f:. /　|:. :. :. :. :. :. /　 | :. :. :./ :. :. :. :. :. V :. :.
.　　　　　　/:. :. ／/:. :. :. :./:...:...ｨ´へ　　　N　　|:. :. :. :. :. :/ 　 .| :. :. / :. :. :. :. :.}:. .{ :. :.
　　　　　　i:.:／　 ,':. :. :. :. i:. ｨ" j ミﾐ≧､　 !| ＼ !:. :. :. :. / 　 　.L:. △二⊥ :. :. }:. :.l :.:.
　　　　　　|/　 　 i:. :. :. :./|/ﾘ:. l 　 ﾞ ﾐ≧､ ｀　　 |:. :. :.:./-一 ￣|:.:/　'; :. :. :. :. :.ﾘ. :. l :..
　　　　　　　　　　|:. :. : /　/:.:.:j‐ァ≡≠≧ﾐr　　 ;:. :../　　＿, -t≠ﾆ i:. :. :. :. :.∧:. :.| :.
　　　　　　　　　　|:. : /　 /:. :/　'¨￣￣　　｀　　 }: / ,ｫ≦三三三ミ'、〉:. :. :. :/:. V:. ! :.
　　　　 　 　 　 　 ';./　 ,ｲ:. :/　　　　　　　　　 　 '´　 ｀ヾﾐ>､　　　　/j:. :. :.:./:. :. :',:.:} :.
　　　 　 　 　 　 　 '　　,:. :..人　　　　　_＿, イゝ、 　 　 　 ｀ﾐ≧､　/:. } :. : /:. :. :. :.',} ./
　　　　　　　　　　　　 j:. :. :. :. >､　 　 /　　＿＿ ＼　　　　　・ヾr/:. :. }:. /ん:. :. :. :ﾙ
　　　　　　 　 　 　 　 {:. :. :. :. /:. ＞､/'´￣　　　 ￣〉　　　　　　/:. :. :. ﾚ:ム ):. :.//
　　　　　　　　　 　 　 |:. :. :. ;ｲ:. :. {:.i´＞-､　　　　 /　 　 　 ＿/:. :. :. :.／ イ:. :.∥　　　　あ、アンタなにやってんのさぁぁぁ！！！！！
　　　　　　　　　　　　 |:. :. :/ |:. :. :.N,-一'::::/ﾃ＞-'ーァニて/:. :. :. :.／￣:. :. :./
　　 　 　 　 　 　 　 　 l:. :. {　〉7´/ {::::::::::::/＿　　　　'y　／:. :. :. ／:./:. :. :. :./

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　急激に幅寄せしたシューマッハのマシンは、デイモンのマシンと接触、
　シューマッハのマシンはコントロールを失い、そのままタイヤバリアーへと突っ込んだ。

　当然、シューマッハはリタイアとなる。

　ttp://www.youtube.com/watch?v=f-Mw_NQuIrQ&feature=related　※リンク切れ
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＼　　 ,ィ´゛｀γ´:.:.:.:.::.:.:.:.:∧ 〈.　""　　＼´　ヽ冫　 |:.:.:.::.:.:|:.:.:..::|　　　まともに走らなくなっちゃったぁー！！！！！！
:.:.:｀ヽ/　　 ／:.:.:.,f～´~"｀ヽ:ヽ.＼　　 　 /　　 　 ・,/|:::,ｨ:.:/:.:.:.:.::|
:.:／::|　　/:.::,ｨ:|´ ／::::;-‐ァ‐ﾑ.ヽ､＼__,ノ　　　 ,ィ´:.::|/:.∨:.::.:.:.:/
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:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/~　/~´／　　 　 ＼　　　　　　/:｀ヽj:.:.:.:.:{.::.:ｉ:.:.:.:,ｲ
:.:.:.:.:.:.:.:.:/　 /　 /　　　　　　　＼　　　 /:::::::/:;ｲ:.:.:.|:.,ﾉ:.:.:〈::{､
:.:.:.:.:.:.:.:.:|　 〈　　＼　　　 　 　 　 ヽ.　/:::::::/|::ハ:.:.:.|:.:.:.:.:.:.ﾄ､::ヽ､
:.:.:.:.:.:.:.:.::|　/'"　　　＼　　　　　／　/:::::::/　|:|　|:.:..:ﾄ､:.:.:.::|　＼:.:ヽ
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　一方、デイモンの車のほうもダメージが大きかった。
　車はまともに走らず、ピットに戻るのがやっとの状態だった。
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　　　　　　　　 　 　 　 ＿
　　　　　　　／￣ヽ／∧　￣ヽ　　　　　　　　　　ﾉi
　　　　 　 ./　　/`´　 {_ﾉ　　　､＼　　　 　 　 　 (_ﾉ
　　　　　　i　／!　　　　　　　 　 ﾞヾ、
　 　 　 　 ∠ｨ .|　､＿　 ＼ｰ- _　　 ￣`ｰ ､__　　ノ〉
　　　　　　　 | :j i ヽ.　＼__＞´:＼　　　　　　 ￣ ヾ.
　　　　　　　 ∨ヾ､　ﾄ-!　!'ﾌ　.i＼:.　　　 ＼＝=ｰ-ｒゝ
　　　　　　　　　　 ヽj　|　| {＿.}､__∨i::::iﾊ　∧／不
　　　　　　　　ﾉi　　 　 |　l　|　|　.| iﾞＹl-! !＼. !:::i:::| .＿ ._
　　　　 　 　 (_ﾉ　　 　 ﾚ’ｒ‐ .ﾉ　f .} ﾚ｀jﾉ_,ｲ `ｰﾞーf i__[!_ヽ
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ￣　　￣　　　　 ﾞー‐一ﾍt_人__ｊ
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　結局、そのままマシンを降りてしまう。

　そしてそれは彼が敗北した瞬間でもあった。
　シューマッハが１ポイント上回っている状態で、両者リタイアしたならば、
　ポイント差が縮まるはずがないのだから。
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　　　　　　-―-----　､_,.. -l｀ヽー―― - ､
　　　　　　｀￣二＞ ': : : : : :.|: : : : : : : : :'｀ヽ､:ヽ
　　　　　　 ／: : : : : : : : : : :.:|: : : : : : : : : : : : :＼:ヽ＿
　　　　　／: : : :,: : :,: : : : /: :.!: : : : : : : : : : : : : : :∨!//ヽ､
　 　 　 /: : : : :/: :./: : : :/: :/|: : :l: : ＼: : : : ､: : : : ∨-､//!
　 　／,: : : : :/: : :,': : : :/: /　l: : :|､: : : ヽ: : : :',: : : : :ﾍ//ﾆヽ､
　　 l/l: : : :.ｲ: : : l: : : /ヘ､　 ､: :.! ＼: :ﾍ＼: : l: : : : : l/////}
　　 ヽl: : ://!: : : ,!: :下云≧､ ':,:.|　　＼: , -､-:!: : : :.:|/////
　　　 l: :///.|: : :.ﾊ: : l　ト::::心　＼ ／≦云矛､∧: : :!//／
　　　 |:/､//.|: : /: ヽ:| 弋_zソ　　 　　 弋zｿ　 j: :',: :/: :/
　　　 l'　 ￣ ',: :l,: : :八　　　　 　_' 　　　　　　ﾊ: :∨: ,ｲ　　　　　　 あー……あいつ、やっぱりやりやがった。
.　　　 　 　 　∨l: : : : :l＞ ､　　　 　｀ 　 ,.　＜ l: : : :.,: |
　 　 　 　 　 　 l:!: : : : |＿_　｀,　 ー '"´!　 .-- |: : :.:.|: |　　　　　　　まあ、テンパッてただけかもしれないけど。
.　　　　　　　　,':|: : : : :!　 /　 l　 　　|　|　 } 　 |: : :.:.|: |　　　　　　　後味悪いわ、こりゃ。
　　　　　　　　,: :!: : : : |　 {　 ,'　　　 ,　 ヽ |　　,: : : :l: :|
　　　　　　 　 l: :|: : : : l 　 !´ 　　　　　 　 / 　 !: : : :|: :!
.　　　　　　　 ／!: : : : |　　ヽ　　　　' ー　!　　l: : : : !: :!
　　　　　 　 /　 |: : : :.:|　　　l＼＿＿ ,.／|　　l: : : : l｀ヽ､
　　　　　 　 l 　 |: : : :.:|　　 /::::::::: ::::::::: ::::|　　|: : : : !　　l
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　接触事故での決着。

　あまりに後味の悪いチャンピオンの決まり方に、
　報道関係もファンも、あまり祝福するような雰囲気ではなかったようである。

　むしろ、この辺りからシューマッハに対する批判的な意見が出始めたともいえるであろう。

　ジャッキー・スチュワートは後に、ミハエル・シューマッハをこのように評している。
　「ミハエルは自身の生命をもて遊んでいる」
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　シューマッハのコースアウトを見て、＞
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 優勝できると考えましたか？＞
　　　　　　 　 ／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : `:-.‐.‐: : :‐.-. . ,,_
　　　 　 　 , ': : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :`: ＜￢ｰ-｀`ヽ
　　 　 　 .:': :/: : : :／: : : : : : : : ::: : : : : : ﾍ: : : : : : : : : : : :.　｀ヽ
　　　　 /: :/: : :.／　　　　: : : : j::: : : : : : : :!: : : i:.. : : : : :　 ､　　 ＼
　　 　 ,': :/: : ; '　　. . . : : : :!: :.j|::: : . . .　　 !: : : V::.　　　　　ヽ　 　 ヽ
　　　 ,': :.i: :,:'. . : : : : : : : : :i: :/ |::|: : : : : : : |ﾍ: : :.V:::. . . i...　　 ヽ　　 ｀､
　　　.i: : i.:/: : : : : : : : :_;,,;/:_/　.!:|: : : : :.l: : |　v‐'个-:.､: :V::. : :Vﾍ丶、 `、
　　　j: : l/: : .::j: : : :':´: :./l:./`ﾞ　!j: : : : :.!: : l`'゛V: :.!::::::. : :.V::.: : V:ﾍ　 ＼ﾞ、
　　　l: :./: :.::::j: : : : : : :/.j:/　　 :||: : : : ﾊ: :.j　　∨:.|V::::. : :.i!:::. : :.!､:ﾞ',　　 `
　　　!:./: .::;:イ: : : : : :/_/ﾞ-―　 |!: : : /　!: !--- V:.| V::::. : :.!::::. : :!｀、!
　 　 !:l: :／_:l: : : : r主圭王羊　.|: : :/　 :|:.E玉圭主ｮ∨::. : j:::::. : :!　Vi
　 　 lj:/|:./ i: : : : :У.|:::::;;;;::::|　 l: :./　　 !:,!|::::;;;;::::,!/ λ::: : :!:::::: : l 　 ﾞ}
　 　 }': j: ﾍ !: : : :∧　!V　 С　 !, '　　　j/ lV　С　 /:::i::: : l::::::: :.j
　　　l: :l: : :ﾞ|: : :∧::l　ヾ、__ﾂ　/'　　　　　 ヾ､_,ﾂ　 ,'::::::ｉ:: :ﾊ:::::: :,!
　　　.!:.!: : : |: :/:::ﾍ::i　　‐''"´　 　 　 、 　 ｀`'''‐ ・ i:::::::::!:/　!::: /　　　　　　 いや……
　　　 !j: : : :.|∧: :::ﾍ:j.､　 ' '　　　　　　　　 　 ' '　,ﾉ::::::: l/　 |:::/
　　　 li: : : : .::|ﾍ: : ::ﾍi:::;＞:...,_　 　 ´｀　_ ,,. ,-::''ﾞ:|:|:::::: : :! 　 !/　　　　　　　 程度が分からなかったから……
　　　 }: : : : : :|::ﾍ: : : ﾍ . 　 {'゛｀` ''''' {´| `ヾ{::::::::::!|:: : : :.| 　 '′
　　　.!: : : : :,:-＜ﾞ､: : :.ﾍ　　l ｰ-､　　,-l　 　 ｀ﾌ7||: : : : l
　　　l: : :.／　　　ヾ､: : :ﾍ.　 !'´￣￣￣|　　　// |l: : : : l
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　リタイア後、デイモンは精神的にショックを受けていたが、
　ある程度落ち着いたところで、メディアの前に立ち、記者会見に応じた。

　質問はやはり、シューマッハのコースアウト時から接触までのことが中心であった。

　彼はその質問に淡々と答えた。
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　横から衝突された気分は？＞

: : 　　 /　　　. . ../: : : / |: :::: : : : : : : : | ヽ::. . . .i...　　 ヽ　　　　 ｀:､:、: ＼
　　　.j.: : : : : : ::/ : : /　 .|::i: : : : : : :: : :|　 i:::. : : i:::. : : : :ヽ . 　ヽ　 丶＼: :ヽ
. : : :::l: :∧: : : :/: : /　 　 |::l: : : : : :j|: : j　　i::::. : :l:::::. : : : :.i:::. : : ﾞ､　 ｀、 ＼:｀、
: : .::::l /　 ｉ: :./: :/　 　 　 !:l.: : : : :.l |: : !　　 ｉ:::. : l;:::::. : : : :.i::::.ヽ: :i: : . ヽ　　ヽﾞ:、
: : :::::!:ｌ　　,!:/_:/　　　　　|:l: : : : :./｜: l.　 　 i:::_:,,L!-: : : : :.|::::::: i: :i: : : :.:.　　 ｀:ﾞ:,
.: ::::::|: `ｰ:':/:/ ￣｀`''''ー'lｼ: : : :./丶!-l‐''''''"´l:: :.|. l::::. : : : j::::::::::.i: l::. : : :i　　　 `}
: ::::::;|: : : ://＿＿_,,,,,,...　|i : : : /　　|:.L,,,,,,,＿_l:_:j.　l:::: : : : l::::::::::::.ｉ:l､::. : : i
.:::::/!|: : : ﾔ┬十示示｢　|: : : /　 　.|ﾃ十干平羊ｧ　!::: : : :l::::::::::::::.ｉ| ﾞ:;: : : l
::::/:;l:l: : :ハ. |:::/!　　,┘｜: :/ 　 　 |!　|:::/　､::::l/ /,ｌ::: : :./::::::::::::::::}　 ',: : :|
:://,｣:l: :ﾊ　　l::| ｀､ノr:ｉ　| :/　　　　　　|::ﾊ._,ﾉこ　/. l::. : /::::::::::::::::::|　　i: : |
:':::l　|::i ｉ:::i 　 Ｌ.ﾆ='-┘ j/　　　　　 　 ﾋﾞ_､.ノ:/　i　,|: : /::::::::::::::::::::l　　 l: :j
::::::ヽj:::i|::;;;i　　　　　　　　　　 ､　　　 　 　 ｀` ・ ! _,l: :/::::::::::::::::::::::i　 　 l: !　　　　 は？
::::::::::j|::::::::::!　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ,'::::::l./::::::::::::､:::::::::;' 　 　 ﾘ
::::::::::l:|: ::::::::ﾄ.､　　　　 ,:‐------‐ ､　　　　 ／l:::::::'ﾞ:ｉ:::::::::::ハ:::::;'　　　　　　　　　 ……誰よ、今、質問したの？
::::::::::l::|: : :.:::l:::i:｀:丶.,､ヽ-―――--'_,,. ..r:'"::::::l:::::: : j:::::::::/　 ∨
::::::::::|:::l: : : : l:::l:::::::::|::::｀::l' ‐--‐ ''ﾞ｢:::|:::::|:::::::::::l:::: : :.!:::::::/

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　「横から衝突された気分は？」
　不意にそんな質問が、いずこから聞こえてきた。
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　　　　　いや、誰も……　　　 　 　 　 ∧,,∧　　∧,,∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　.∧,,∧( ･ω･ ) ( ･ω・ ) ∧∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　( ・ω･ )　 Ｕ)　( つと ﾉ( ･ω･ )　　　　　 そんなこと言ってないよね？
　　　　　　　　　　　　　　　　　　｜　Ｕ ( ´・ω) (ω･　)　(　　 U
なんかうちらの後ろから 　 　 　 ｕ-ｕ （ 　U)　 と　　ﾉ　`u-ｕ
声がしたような？？ 　 　 　 　 　 　 　 `ｕ-ｕ'.　`ｕ-u'

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　しかし、記者はだれも、そんなことを言っていなかった。

　自分たちは言っていない。でもどこからかそういう質問があったのは事実。
　記者たちは、周りを見回した。
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　l|　 　 |////////|
　l|　 　 |////////|　　....-──‐-....
　l|　 　 |////////|／.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::＼
__j|＿＿|////////|.::/.::〃.::.::.::.::.::.::.::.::.:.ヽ
__j|＿＿|////////|/.::/{.::.:.{.::.::.::.::.:}.::ヽ::.::.',
　l|　 　 |////////|.::/-∨八.::.::.::.∧.::.l:.::.:.}
__j|＿＿|////////|んf心　　}.::／- }.::.}:.::.ハ
77777||,'////////|l　 ﾋｿ　 ﾉ'´心xﾉ::/.::/.:: |
/////||,'////////|l ,.,.,. 　 　　ﾋソ ∨.::/ｌ::.::|
/////||'////////圦　 　_'　　,.,.,.　/: /.::ｌ:.::.|　　　　　　　　　横から衝突された気分は？
/////||,'////////|个 、ｰ'　　　／.::/l.::.:l::.::|
77777||,'////////|∧　_アＴﾊ´ 　}:/:ｲ.::.l::.::|
/////||,'////////|　夲　 /::.:|＼ﾉ／ |.::.l.::.:l
/////||,'////////|{[人]}/::.::.:|::.::.＼　|.::.l.::.:|
/////||,'////////|// V::.::.::._|::.::.::.::.ヽ.::.l.::.:l
/////||,'////////|/{ /::.::.「´::.::.::.::.::.::.｝.:l.::.:l
/////||,'////////K /::.／::.::.::／::.::.::/l::.ｌ::.:|
/////||,'////////| ∨´::.::.::.:/::.::.::.::/　!.:l::.:|
/////||,'////////|　|、::.::.::./／::.::.:{　 |.:l::.:|
/////||,'////////|　| }＼::/::.::.::.::.::ﾉ　 |:l.:..l
/////||,'///////人_ ﾉ::.::.＼::.::.::.:/　 　ｌl.::.|
/////||,'////////|／o::.::.::.::.::.::.::.}　　　l!.:.l
/////||,'////////|＼::.o::.::.::.::.::.:ﾉ 　 　 |::.|
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　やがて、その場にいた人たちは、物陰に、ある人を見つけた。

　それはジョージだった。
　ジョージが物陰から、「横から衝突された気分は？」と言っていたのだ。
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　 　 　 ,. :'",,. -‐ァ'": : : : : : : : : : :|: : : : : ::::ﾍ: : :.i : : : : : : : : ､: :｀:､
　　 ,〆 ' ´　 ／: :,: : : : ; : : : : /: : |: : : : : :::|::|V: . :i.　　　　 ｀､丶: :ヽ
　／　　　 , ' 　 , ′　 /　 . . /: .::;ｲ: :l: : : : :l::| ∨: :.i:. : : .　　 丶｀、: i
　　　　　/ 　 ./　　　.:i: : : :.::;': .::/｜:::l: : : : l::!　∨: :i:::. : :ヽ: : : `、:. : !
　　　　/　　イ　 . : :.::i: : : .::::i: :::i　｜::jl: : : ::l:!　　Ｖ: :ﾄ;::. : :ﾞi:. : : :.i::.ｉ: |
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　 　 ,' , '　 i: : j: : .:::::|: : : ::`ト-i-‐'ﾞ　i::|. V: :｜　　￣､:ｌ ∨: : i::. : : ﾄ ヽ
　　 ,'/　　 !:.:;ｲ: : ::::::|: : :.::::ｉ | l　　 　 !|　 Ｖ: :!　　　　ヾ　∨: :l:::. : :.l::､ﾞ､
　　/　 　 .|: :i |: : :::::::l: : .::::i　!|　 　 　 ﾞ 　 ヾ: l.　--‐―― V: :!::::. : l::!ヾ!
　　　　 　 |:::l. l: ::::::::::l: : ::::l　--‐――　　　 ヾｌ　 ﾄ::'::;;:..:ﾘ V:ﾄ;:::. :.|l
.　 　 　 　 l::l　l: :::::::::::}.: ::::ﾄ 三三三三　　 　 `　´―-"'　 ・ﾊ:|::i::: :.{
　　　　　　 !j　 i.::::::::::jﾍ: ::|:::.　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 l:::l|::|:i:: :!　　　　　　　……答えないよ、あずにゃん。
　　　　　　 ｛.　 ヾ:::::::|:`ﾄ:::|:::l 　 　 　 　 　　　　　　　　 　 ,ﾉ:::::: |: i: |
　　 　 　 　 　 　 ヾ::::|: :!ﾍ:l::::ﾄ.､　　　　　ー'ｰ一'　　　,,..イ::l:::::: :|: :.N|
　　　　　　　　　 　 ﾄ::l: :l: :ヾ:l:::::::｀`:::::-....,､,,__,,. ,-:::'"::::::::l:::l:::. : :!:: :|
　　　　　　　　　　　l::N.::l: : :::l::::::::::::::::／r| 　 　 !｀ヾ::::::::::l::l: : : :j::: :|
　　 　 　 　 　 　 　 ｌ:|: :::i: : : :l:::::::::;ノ　 |'′　 　 ﾞ|　 ＼:::ｌ:l: : : :j:::: :|
　　　　　 　 　 　 　 l:!: ::::i: : : :l;､く 　 　 l'''""""'''j　　　//|: : : :j::::: :l
　　　　　　　　 　 　 ll: : :::i!: : : :ﾄヽヽ　　 i.　　　 j　　 // ｲ: : : ,{:::::. :l
　　　　　 　 　 　 　 ,!: :.:::|ﾍ: : : :iヽヽヽ 　 i.　　 i　 // //l: : : ,〈l:::::: :.l
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　これには、デイモン・ヒルも苦笑いしながら、
　「答えないよ、ハリスンさん」と答えている。
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　　　　　　　　　　　＜ : : : : : : : : : : : : >､
　　　　　　　 ，‘: : : : : : : : : : : : : : : : : : : :＼
　　　　　　 , : : : :/ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :＼
　 　 　 　 /: : : :/: : : :,: : ∧: : : : : : : : ､: : : : : : ::､
　　　　　/: : : : ' : : : /: :/　∨: : :!: : : : }: : : ﾄ､ : ハ
　　　,:^v: : :!: : |: : : ‘: :,'_＿ ∨: :|: : : :∧: : :!::::，: : :.
　 ／ : r=::､|: : :!: : : ! /　 　 ｀∨:| : : /´｀.: :,::::::.: : : :.
／: : : /::::::::|: : :i: : : |/x≦ミ､　 .::! : /　　∨:::::::|: : : i
: : : : / ∨::::!: : :ﾄ､: ::!' んr'::， 　 ､ /　x≦ミ､:::::! : : ,
: : : / 　 ∨:l : : |: ＼{ 弋: ン　 　 }'　'ん': :} 》::::,: : :/!
: : /　　 　 ､!: : :!: : |｀ , , , ,　　　　､　ゞ=ﾟ'' /／|/}/ |　　　　　　　　 スポーツマンとしてのドイツ魂は
: /　　 　 　 ! : : : :｜　　　　　　 　 　 ' ' ' ' ! : :!: : : ，　　　　　　　　　　　　　　　どうしちゃったのかな～？
/　　　　　　 ，: : : :|　　　 　 ､＿,､_,　　 　 ,: : :|!: : : :.
　　　　 　 　 ’: : : :|､　　　　　　　　　　 ／: : :ﾘ， : : :.　　　　　　　 そんな精神は消え失せちゃったのかな～？
　　　　　　 　 ‘､ : { r}＞　　　　　 　 イ : : : :/ ，: : : i
　　　　　　　　___＼::､＼　　　　ｧ､ ´　|: : :／　 ’: : : ；
　　　　＿, - ´　! ∧｀　 ｀'　　 {　∨={!:／　　　 ∨ : {
　　／　､　　 　 | 　∧､　　/,爪ヽ {　 ､>､　　　　 ∨: : ､
　/　　　 :. 　 　 ! 　 ∧＼/ /ｲﾊ∧!　 }　}＞、　　 ∨: : :､

　　　 ／: : : ,./: : : : : : : :/: : : :/: : , '/!: : : : : : |: : :|: : : : : : : : :
　　, ': : : :／/: : : : : : : :/: : : :/＿/ / l: : : : : : :|: : :|: : : :l: : : : : :
　 /: : :／　/ : : : : : : :/: : : :/´: :/ l｀　|: : : : : : |: : :|､: : : !: : : : : :
. /: :／ 　 /,ｲ: : : : : /: : : : /: : /　!　　l: : : : : ∧: : ! ＼: :!: : : : : :
/／　 　 // |: : : : : :!: : : : ,! : /　 !　 　 !: : : :/ ヽ: :|　ヽ｀ヽ､ : : : :
　　　　　!'　 l: : : : : l: : : :/.|: ,' 　 !　　　 !: : : ! 　 l: |　 ヽ: ヽ: : : : :
　 　 　 　 　 | : : : : |: : :/ !|/'ｰ- |､　　　 l: : l　　 ', l　　 ヽ: ヽ: : : :
　　　　 　 　 | : : : : |: :/l　 |__　　 |　　 　 !: |.　　 ､'|　　　ヽ;!､: : : :
　　　　　　 　|: : : : :,!: !: l　 r ' 　i !　　　　| |　　　/｀''―- ､ヾヽ: : :
　　　 　 　 　 !: : : ｲ|/: :,!　 !ヽ-'/ 　 　 　 l:! 　 　!_ 　 　　 /l: :∧: :
　　　　　　　　',: : l l |': / 　 ｀ ｰ'　　　　 　 |　　 r‐' 　 i　./ ,' / : l : :!
　　　　　　　　 ヽ:| | |: :!　　　　　　　　　　 　 　 l､ ヽ.ノ,. ' /:/ : : | : l　　　　　　　 いや、それには答えないってｗｗｗ
　　　 　 　 　　　'.| | |: : ＼　　　　､__　 　 　 　 　 `　'´　/:/ : : : ,!: |
　　　 　 　 　 　 　 | |: : : : |ヽ､　___　 `ｰ'　　　　 　 　･ /:/: : : : :/!/
　　　 　 　 　 　 　 | |: : : : |: :／／ ヽ　　　　　　 　 ,.. /:/: : : : :/´|: :
　　　 　 　 　 　 　 | |: : : : |/ /　/´.,'‐;!ー――,.i' ´-.//: : : : :/ : :|: :
　　　 　 　 　 　 　 | |: : :/7 /　/　/　l｣　,.. ''´:::::::::::::/': : : : : / : : |: :
　　　 　 　 　 　 　 | |: : !　　 　 　 　 |／::::::::::::::::: , ': : : : : , ': : : : |: :
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　さらにジョージが、

　「スポーツマンとしてのドイツ魂は？」
　「そんな精神は消え失せたのかな？」

　というと、デイモンも周りの記者も大爆笑してしまった。
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　　　　 　 　 　 ／ '´　　｀ヽ
　　　　　　 　 //
　　　 　 　 　 !i　　　　　／:ヽ-.‐: : :ﾆ二＝‐
　　　　　　　　ﾞ､　,. : ':": : : : : : ､: :、　_ .｀.ヽ､
　　　　　 　 　 ゝ゛: : : : : : : :　. .:i、:ヽ: :｀ヾ､_:.＼
　　　　　　　, ':i: : /: : : : :ﾄ､: i: : :.i x-ﾞi: : : :.ヽ　｀`
　　　　　　 /: :.!:/　. .,.-|:.| ∨!: : :l　ヾ:i,: :ヾ:. ｀､
.　　　　 　 i　　}l. : : /: i'| |　 !|、: | _,,⊥!: : i;::: :｀､
　　　 　 　 !. : :l: : : : : :! |:|,,.、l|ヾ:| 彳ﾊ`ﾄ､:.|｀ヾ:.i
　　　　　　 l: : !: ;l: : : :!ｯi"､ﾊ 　 ﾘ　 ､_j! l ヾ!　 ヾ
　　 　 　 　 V:|:/:.!: : :!ﾍ' ､__j!　　　　`゛ ･|i　　　　　　　　　　　 あの記者会見のとき……
　　　　　　　ヾ": : !: :,! i　`''"　　　。　 ／:|
　　　 　 　 　 i: : !: l ハﾊ.＿＿＿,.／）|:: : |　　　　　　　　　　　 あずにゃんは、「狂気」を見てたんだろうね……
　　　　　　　　|: :!: : {: : :ヾ;|　r く,/　ﾑ:.!: : |
　　　　　　　　j:/: : :∧: : : :＼ヽ＿　｛.:ﾄ: :.!　　　　　　　　　　　 事故に浮かれて騒ぐ人たちの態度を見てさ。
　　　　　　 　 l/: : /==`ｰ､: ＜!三ﾐﾐヾj Υ
　　　　　　　 /: : : |=＝==≧ｼl二`ヾﾐﾐ｝｜
　　 　 　 　 /: : : : !、　　 　 |　　　｀ヾﾐ!　!、
.　　　　 　 /: : : : : :}ヽ 　 　 |　　　　　ﾉ`ヽ｀、
　　　　 　 !: /: : : :.∧｣:､　　 　 　 　 /　　　,l
　　　　　 l: /: : : : ;': /.ﾊ ＼　　　　,/　　 ／
.　　　　　l.:,!: i : : :i!:.(　　＼_〕ト､_ノl_,.ィ'｢
　　　　　l:.!|: :!: : :.!|: ;>､　 　 |`ァ''＾ヽ |く
　　　　　|:l l: l: : : l／ / `ｰr-l∠ィ"＾ヾ、ヽ

　　　 　 　 　 　 ,ｨ,"二､ヽ、
　　　　　　　　 /'′　　 ｀ヾ:、
　　　　　　　　 l!、 ＿_　　 　 _,.､
　　　 　 　 ,. :':": : : ; : :,: :｀:`: : : l‐-. .､
.　 　 　 ／: : : : : : : ／ : : : : : : : lヽ￢`-
　　　 ,/: : : : : : : : /: : : : : :i :/: . .l　 ｀:、
　　　.ｉ: : : : : : : :./: : : :.:: :./:ｲ:.j: : !: :ﾞi: :ﾞ:、
　　　j: : : : : : : /: : : .::::: :〃.|;ｲ: /:::. :.!＼::.
　　　.!: :i: : : : :i: :,ｲ.::::: :/'゛ /' !:/::,!、:|　　`
　　　 !: |: : : ::.!ｨﾞ::|:::::./!|　厶 lｲ:/　l:.j
　　　 ｌ: !: : :.:: ゛i"|::;/:::j:!　￣　ヽ　 l/_　　　　　　　　　　　　　　　 でもまあ、それはそれで、おもしろかったし、
　　　 j:.!: : .:::: :.|`!/|:::: lj　　 ｰ'/　　 | Ｌ._　　　　　　　　　　　　　　いいんじゃないかな？
　　 　 !ｌ: : ::::: :.!::::;ﾊ:: : l-┬:::'l|　　∩ ､_,_）
　　 　 l!: .:::::::: |::/｀`V: :l!>ﾐ:::::l|　　 ヽ.　 |
　　　 j: ::::::::::::k'ﾐ:､、 V: |　ヾ!:::!-、　 |　 |
　　　 !: ::::::::::/ﾆミﾐﾐﾐ V:.|ﾞ:、',';:|　〕,,_,!　 |
　　　j: :::::::::::!　　　`ヾ`V:|:､ﾞ､',ij////　 /
　　　! :::::::::::l　　 　 　lj｀VヾﾐVi{jﾞjﾞi′ /
　 　 ! :::::::::/　　　　　ﾞ{　　　 >{|`┴`''′
　　｜.:::::::ﾍ、　 　 　 ,ﾉ　　/　,!ヽ
　 　 ! ::::::::::::l三三三!　　 〈　 ,!、,!
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　後に、デイモン・ヒルはこのときのことをこのように述懐している。

　「あの時、ジョージは「狂気」を見ていたのだと思う。」
　「事故に浮かれて騒ぐ人たちの態度を見てね。」

　「実際、おもしろかったよ」
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　　　　　,,. : .／. . : : : : : :/: |: : . . . : : : : |: : : : /i:.:.:.:.:.:.:.:
　　　 ／:.:.,,/:.:.:.:.:.:.:/:.:.:./:.:./!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:i:.:.:.:.:/ .|:.:.:.:.:.:.:.
.　 ／:.:.／/:.:.:.:.:.:.:/:.:.:./:.:./　|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./ヽ:.:.(__ﾉ:.:.:.:.:.:.:.:
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./／　　/:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:|:./ヽ、_､|:.|:.:.:.:.:./　　 ヽ／:.|:.:.:.:.:.| |
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　　　/:./　|:.:.:.:|:.:.:/| |j＿＿､　!|　!;:.:.| ＿＿＿|ヽ!:.:.:.:.:| |
　　　|/　　!:.:/'|:.:/:.| ≡≡≡　 |　ヽ:.| ≡≡≡|:.:ﾞ|:.:.:.:.|:.|
　　　'　　　ﾚ'　!/:.:.}　　　　　　　　　　　　　　･|:.:.:|:.:.:.:|_:|　　　　　　　　あ……、また２位かぁ……
　　　　　　　　 |:.:,,､,､　　　　　　　　 　 　 　 /ﾉ:.:.:|:.:.:.|''}|
　　　.,‐i'ﾞi　 　│:| r i|､　　　　､_,､_,　　　　/':.:.:.:./|:.:/ノ:|　　　　　　　　やっぱり、頂点には向いてないのかな、私。
　　　|　| |　　　|:.:| | || |:.＞. . _　　　 _＿,/:.:.:.:／/|/:.:.:.:.|
　　　|　! |　　 ｌ｀iﾉ/ ｀}.|:./￣｀｀,,ﾉ￣,,,7/:.:.／:／:.:':.:.:.:.:|j
　　ｌ⌒ｌ　'i　　 ', /　　| 〉|||　　/_,／／:.:／／ヽ、:.:.:.:.:.:.||
　　|　 '　/ヽ　　!､!／/＼||　/ /／:.:.／'"￣￣｀ﾞi:.:.:.:.:.:.|!
　 　!､__////＼./ //　//ヽ///:.:／　　　　　　　|:.:.:.:.:.:.|
　　　 ////　　/ //　// 　}｀ヽ/,,　 　 　 　 ヽ　 |:.:.:.:.:.:.|
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　打倒シューマッハを目標にした翌年1995年シーズン。

　しかしこの年も結局シューマッハには勝てず、
　デイモンは結局シーズン２位で終わっている。
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　　　　　　　　　　　　　　　　 -――――-　　　　　　　　♪
　　　　　　　　　　　　　／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼　　　／
　　　　　　　　　　　　.:::::::::::::::/::::::::::::::::::ヽ::::::::::::::ヽ
　　　　　　　　　　　/:::::::::::::::;':::/:::::::::::::::::j::::::::::::::::::::.
　　　　　　　　　　 ,':::::::: /:::/|:::::::::::::::::::::::|＼::::|::::::::::i
　　　　　　　 　 ／|:::::::ｉ::|::⌒|:::{::::::::i:::::::/|⌒i:::|:::::i::::|＼
　　　　　　　　/::::::|:::::::i::Ⅳ　|:八::::::i:::::/ j/　V|:::::i::::|::::::＼
　 　 　 　 　 / :::::::|:::::::Ｎ,ｨうﾃミﾊ :::!::/ｨうｉﾃﾄ│::::::/＼:::::::ヽ　　　　　　別にいいですよ。
　　　　　　 /:::::::::/ﾊ:::::i:::.、V::.ｿ　ヽﾚ'　V::..ｿ　:::/Ｖ　　ヽ::::::::::.
.　　　　　 /:::::::::/　 ﾚ:V^7ゝ　　　　, 　 　 　 /:ｲ ::|　　　 '::::::::::,　　　　 私が見に行ったオーストラリアGPで勝ったんですから♪
　　　　　/:::::::::/ 　 {;:::{ { い、　　 ､　,　　　∩/h::ｉト 、　　i:::::::::,
　　　 　 ::::::::::;′／∨ﾄヽ丶.＼　　　　　_ ノﾉ // ﾘ　 ＼　|:::::::::i
　　　　 ｉ::::::::::|　{　　　l::＼ 　 　` ､‐‐／　　 ／:::/ 　 　 }│:::::::|
　　　　 |::::::::::|　|　　　∨|/丶、　　}_{ 　　／∨|/　　　 │|:::::::::|
　　　　 |::::::::::|　|　　　　　∨￣＼ |八 ／￣│ /　　　　|│:::::::|
　　　　 |::::::::││　　　　 /　 　 o＼｢o 　 　 ∨　　　　 |│:::::::|
　　　　 |::::::::│ ∨ 　 　 /　　 　 　 }|　　　　　∨　　　 /│:::::::|
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　もっとも、ジョージとしては、チャンピオンを逃した悔しさよりも、
　自分が見に行ったオーストラリアグランプリで、デイモンが優勝したことのほうが、
　うれしかったようである、
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-―…‐-
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::::::::::::{:::::::::::::ヽ::::::::＼
::::::/::∧:::::::::::::｝:::::ヽ:::ヽ
:::/Ｖ⌒}:::::::::::∧:::::::::}:::::.
::ﾚ'7i心lﾊ:::::/⌒ヽ:::::i::::::}
::i{弋)ソ　∨ riかＹ::::::::八
::|(//)　 　 、ヾﾝ/ﾚ:: /＼｝　　　　　　　　　　　　　こなちゃん♪
::|　　　　　　 (//)::::∧
::|　　　`/｢h　　八/::ハ　　　　　　　　　　　　　　　これ、優勝のお祝い♪
::|＼ _fY ,i lﾊイ:: /:::::::::}
∧　 ｛ !　　 }〉∨::/ :::::|
　 ＼ﾊ　 　 j. 厶ｲ:::::::::|
∨/} }ﾑ＿_/　　│:::::: |
/《/7`ー─ﾍ.　　| ::::::::|
∨/::.::.::.::.:: /}　　|::::::::,′
／::.::.::.::.::./::ﾉ　　|::::::/
::.::.::.::.::.::.ﾉV　　 /::::/
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,/: : ／./:/: : .:,': : : :,': :.i: : /　!::::l:. : : : : !: j ｀、: : : : :i: : : . . . 　 V:i: : : : : :.!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/: , '　 .i:,': : : ::j: : : :.!: : i: :./　 l:::::},: : : : :|: i　 ｀、: : : :.l: : : : : : : : :i: !: : : : : :!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .':,:'　　 .!;': : .:::::l: : : :.!: : l: :.;'　　l::::j∨: : : j:.i　 　｀､: :_; -ｯ‐::. : : : : :.!:l: : : : : :|
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 !!: : :::::/!: : : ::!: : ,!:l　　　 l::|　∨: : !!　｀　　　 ヾ: :.! ｀､::::. : : : :l!: : : : :.!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 l!: : :::/｜: : .::l: :,'マ二三ヨ:|　 ∨:.:|!　　,ニニ三ゞｷ,,,λ:::. : : : !: : : : :i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｜: ::/　 l: : : ::! jl. |l　l::::::::::::|　　V: |　　￣丁:::::::::ヤｱ!::ヾ:::. : : l: : : :.j
　　　　　　カセット……ってことは、　　 　 　 　 　 　 　 　 　 !: :/　　 i : :.::Ｎﾊ ﾞ'　!つ;;:'::|　　 V:|　　 　 !っ:;;;:'::::ｿ.i:::::/ﾍ:::: : l: : : j
　　　　　　音楽、だね？　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　!:.i 　 　 ﾞ、: :!::::::! 　 _Ｚﾆ-'　　　ヾ!　　　 _ｚ_－ ::/ ｉ::::/:::::ﾍ::. :|: : :i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾞ:|　　　　ﾞ、::!: :::j　　　　　　 　 　 　 　 　 , , ｀`''　j:::/:::::::::::ﾄ: |: : i
　　　　　　ちょっと聴いていい？　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾞ{　　　　 ﾞ､::!: :::!　　　　　　 '　　 　 　 　 　 　 ・ i::/:::::::::::::lﾊj: :.j
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ﾄﾐ、:::`:..、　　 　 ー'ｰ‐'′　　　　 　 i::,'::::::::::. :.l: :|: :j
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l: :`:::::::::::(⌒ﾞヽ,_　　　,.ィ''"￣｀ヽr＜l:j:::::::: : : :,!: : : l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 !: : : ::::::::!i:.、　Ｖ＞'"　　 ,..-r'''′＼!!::::. : : : :j|: : : l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l: : : : :::::l|'"}　''´　　　,.く　　`|　　　|!:: : : : : :j::|: : :.!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ｌ: : : : ::::|. ﾉ　　 　 　 　 `!　 |　 　 |: : : : : : :!:::|: : :|

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　あまりにうれしかったのか、ジョージはその日、デイモンにあるものをプレゼントしている。

　それは、１本のカセットテープだった。
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/: ;.-‐￢‐-｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　 ,. . -: :‐. . .､∨　　　　　　ﾘ
　　　　　　　　　　　 ,. :':´: : : : : ; : : : : : : ｀`::ｰ: :￢__,,......_
　　　　　　　 　 　 ,.': : : : :j.-'". 　　. : : : , : : : : : : ,!､-―‐｀`ヽ､
.　　　　　　 　 　 /: : :,: :': :,:. : : : : :,.:.:::; ': :/:. . . : /: : ｀ヽ
　　　　　　　　　/:.:／;.ィ" : : : : ,∠_;.:': ;〃:. : : . /. 　　　｀ 、
　　　　　　　　 /:,:':／/: : : : :／,.　/｀ソ/::/.: : ;./!: : : : : i. .
　　　　　 　 　 i/:': : /: :: : :/／　/;／ /::/: :,/:/‐l、!: : : :.!: : :i.
　　　 　 　 　 ｲ／: :j: : : ;ｲ 　　／ 　 /:'.:／::/　.!:/:: : : : lヽ:.:.l
　　　　　　　／,.:-/ﾞ!: :./::|:!　　　　　/:／ ::/　　j/:::: : : : l　｀､:!
　　　　　 ／'".: : :ヽ!:/:::: l:! ｨ三=ﾐ /'" 　/ 　 　 ,|::.: ;!: : :l
　　　　　　　,l: :.::::::::lﾍ:: : :l|　　　　　 　 　 ｨ=､ /,{::: ハ:.:i
　　　 　 　 /: .::::: :/:.ハ: : ﾍ　　　,､_,__ 　 　 ・:ﾞ::!|:::/　l.:i　　　　　　 へえーっ、いい曲じゃない。
　　 　 　 /: : .::: :/:/:::/'ﾞヾ: ﾍ::,.､ `ｰ'　　　_,ノ:: ｌ:j:/　　ﾘ
　　　　 /: : : :: ://:::/　　 ,.＞ゞ､::｀::¨ﾌ刀:/::: : l '′　　　　　　　　　あずにゃんの新曲？にしては声が違うような……
.　　　 /: : : : : 〃::/　 ／'／´￣｀ヾ:ｼ'゛ |/::: : ,'
　　　/: : : : : :/:::/ ,,:',,:' /　 　 　 　 !　　|':: : :,'
　　 /: : : : : :,'::/=''// /　　　 ､、 　 l 　 !: : /
　　/: : : : : :.i/三ﾆ/ / !　　　　　｀`¨ヽ､l: :/
　 /: : : : : : l　　　￣　l　　　 　 　 　 　 ヾ

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　それは今までに聴いたことがない、でもなんとなく懐かしいメロディであった。

　デイモンはこの曲がなにか尋ねた。
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　　 　　／::::::::::::/::::::::::::::::}::::::::::ヽ::::＼::::::::::ヽ_
.　　　 /::::::/::::::/:::::::::::::::::::l､:::::::::::ﾊ:::::::ヽ::::::::::lへ
　　　/:::::/:::::::/.!::::::::::::::::/j∧:::::::::::l:::::::::::l:::::::::|:::::ヽ
　 　 |::::/:::::::/__l::::/:::::::/l:/⌒＼::::::!::::::::::l:::::::::|:::::::::丶
　 　 }:::':::::::/´　!/j::::::/ /　　 　 V::|:::::::::::!::::::::|＼:::::::::＼
　　　|::l::::::::l　　_　l／　　 ,ｨfう「ﾟ圷}:::::::::::}Y:::ﾘ 　 ＼:::::::::＼
　　　|::l::::::::l　ｨfﾔ心　　 　 弋ぅツ ｌ:::/:::::l }::/　　　　＼::::::::＼　　　　　 なんで、私の曲に、
　　　}∧:::::::ﾍ 乂ぅﾂ　　　 　 ´,,,, /:/::::::/／　　 　 　　 ＼::::::::＼　　　 唯先輩の声を入れなきゃいけないのよｗｗｗ
　　　i!　}从:::::'.　,,,,,　､　　　　　　l:/:::::/´　　　　　　　　　 ヽ:::::::::ヽ
　　　　　ヽ::V:::ﾍ　　　 ､‐ ｧ　　　 j:::::/､_　　　　　　　　　　　'，:::::::ﾞ,　　これはね……実はビートルズの新譜よ。
　　　　　　八:.:.:人　　　 ｀　　　 ィ｝:/≦丶　　　　　　 　 　　 l:::::::::::l
　　　　　　／丶:.:＼:.:.:＞ ≦匕..-──--ﾍ　　　　　　　　 　 l:::::::::::l
　　　　 ／::::::／＞､ｊ｀　,斗≦--､:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼　　　　　 　　　}:::::::::::!
　　　／::::::／　　　　__/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ﾍ:.:.:..:.:.:.:.:.:.:.:.:＼　　　　　　 |:::::::::/
　 ／::::::／　　　　 li´/|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.'.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l　　　　　 ﾉ:::::::,′
／:::::／　　　　 ＿ﾌ´:.}:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:',:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.{　　　 ／:::::／
:::::／　　 /'´￣_フｶ:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:V:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.| 　 ／:::::／
／　　　　　　((　/i:.:.:.:l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:Ｖ:.:.:.}:.:.:.:.:.:.:./::.:.|.／:::::／
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　ジョージは、それがビートルズの新譜であると答えた。
　そしてそれが近々公開され、発売されることも。
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　　　　　　　　/::::::|:::::::i::Ⅳ　|:八::::::i:::::/ j/　V|:::::i::::|::::::＼
　 　 　 　 　 / :::::::|:::::::Ｎ,ｨうﾃミﾊ :::!::/ｨうｉﾃﾄ│::::::/＼:::::::ヽ　　　　 まだ、ビートルズ関係者ぐらいしか知らないものよ。
　　　　　　 /:::::::::/ﾊ:::::i:::.、V::.ｿ　ヽﾚ'　V::..ｿ　:::/Ｖ　　ヽ::::::::::.
.　　　　　 /:::::::::/　 ﾚ:V^7ゝ　　　　, 　 　 　 /:ｲ ::|　　　 '::::::::::,　　　だからお祝いにこなちゃんに聞かせちゃう♪
　　　　　/:::::::::/ 　 {;:::{ { い、　　 ､　,　　　∩/h::ｉト 、　　i:::::::::,
　　　 　 ::::::::::;′／∨ﾄヽ丶.＼　　　　　_ ノﾉ // ﾘ　 ＼　|:::::::::i
　　　　 ｉ::::::::::|　{　　　l::＼ 　 　` ､‐‐／　　 ／:::/ 　 　 }│:::::::|
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　':.:.:./　　　　　ﾍヽ　｀　ゝ'ﾟ　　　　　　　≦　三　ﾟ｡　ﾟ　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ┛
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　　　　　　　　　　　　　　 ｧ,　　　　　　　　　　≧=-　。

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　噂に聞いていたビートルズの新譜……
　それも、関係者以外、誰も聞いたことのなかった曲……

　ファンじゃなくてもびっくりしたであろう。
　まして、元々音楽好きで、自らもギターを弾くデイモン・ヒルにとって、
　それは目玉が飛び出る、心臓が飛び出るくらいの衝撃だったのではないかと思う。
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　　　　　　　　　　　 ./ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : 　　　　 ﾊ
　　　　　　　　　　　/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : 　　　　　ﾍ
　　　　　　　　　　 .ｉ: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :　　　　　ﾍ　　　　　　　　　 おや……これは？
　　　　　　　　　　 |　: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :　　　　　.}
　　　　　　　　　　　ｉ　 : : : : : : : : : : : : : : : ､. : : : : ＿　　　　/
　　　　　　　　　　 ,.-'´￣￣｀''' : : : : : : : : : : : ｀￣　　 ￣｀'ヽ'
　　　　　　　　 ／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :　　　　 ヽ,
　　　　　　　 /: : : : : , : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : 　　　　 ﾊ
　　　　　　　,ｉ: : : : : |: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : 、: : : :　　　　ﾊ
　　　　　／´: : : : : : }: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ: : : 　　　　 ﾊ
　　　　/: : : : : : : : ｉ': : : : : : : 〃: : : : : : : : : : : :　　 ヽ､: : : 　　　　 ｉ､
　　　/': : : : : : : 　 ｉ: : : : : : : '": : : : : : : : : : : : :　　　ﾍ: : : : 　　　　ﾊ
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　ノ'　: : : : : :　 ／ｉ　: : : : : : : : : : : : : : : : : : 　　　　　 ﾍ: : : : : :　　　 ﾊ
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　さて、ビートルズ解散から２５年経った１９９５年に、なぜビートルズの新譜が発売されることとなったのか。
　きっかけは、ある人物が自宅を片付けていたとき、あるものを発見したことであった。
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　　　　　　} /.,::::::::ヽ　　　　　, ,:::::::::::､ ',　　　　　　　　 ＼
　　　　　/　{ {:::::::::i i　　　 　 i i::::::::::::}　}　　 　 　 　 　 　 ﾍ
　　　　 /　 ゝ ー 　'　　　　　ゝ　-‐ ' ノ　　 　 　 　 　 　 　 ﾍ.　　　　　　　　　これは、テープだお？
　　　　{　　　/　　　　　　　　　　　ヽ　　　　　　　　　 　 　 　 i
　　　　i　　　{　　　　 i　　　 　 　 　 } 　 　 　 　 　 　 　 　 　 }　　　　　　　　　一体何が……
　　 　 {　　　ゝ_＿__ノ ゝ __＿_____ ノ　　　　　　　　　　 　 　 ﾉ
　　　　ﾍ.　　　　 ゝ、 ＿＿ 　ﾉ　　　　　　　　　　　　 　 　 ノ
　　　　　 ＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／
　　　　　　　＼　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 _. -‐ ´
　 　 　 　 　 　 ﾞ＞ ､_　　　　　　 　 　 　 　 ／￣　￣ ヽ、
　　　　　　　　　　i ／　　　　　　　 　 　 .／　　　　　　　 ＼
　　　　　　　　　/ /　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　ヽ
　　　　　　　　/ ./
　　　　　　　/　.i
　　　　　　　i　/　　　　　　　　　　　　　　　　ヾi.
　　　　　　　i /　　　　　　　　　　　　　　　　　　i.
　　　　　　　i/　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 i.
　　　　　　 ./　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 i
　　　　　　/　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ∧

　　　　　　　　　【やる夫（オノ・ヨーコ）】

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　テープの発見主はオノ・ヨーコ。

　おそらくジョンの遺品でも整理していたのであろうか。
　その中にいくつかのテープを見つけた。
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　　　　　　　　 　　　　＿＿＿
　　　　　　　　　　　∠∠＿ゝ_＼
　　　　　　　　　 ／／　　 　　＼|（ ;;;;(
　　　　　　　　/｛_｛ 　 ＿ノ　 ヽ__＼) ;;;;)
　　　　　　　 ｜,へ＼（●） 　（●/;;／　　　　　　　　　これは……唯ちゃんの声だお。
　　　　　　　 ｜|∩|ノ) （__人__） l;;,´|
　　　　　　　 /　（　　ﾉ　　～━・　/＼　　　　　　　　　でも、この曲……聞いたこと、ないお。
　　　　　　　 (　γ　/　　　　　　　ゝ　 >
　　　　　　 丿＼　 /　　　　　　　|｀ﾞﾞ´
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　ヨーコはそのテープを一本一本、聴いてみた。

　多くはソロ時代の曲の別テークとかだったりしたのだが、
　中にはヨーコも知らないような曲もあった。
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　 　　　＿＿＿_
　　　／　　 　 　＼
　 ／　　　　 　 　　＼
／ 　　　　　　　　　　＼　　　　　　 唯ちゃんのファンなら喜んで聞いてくれると思うけど……
|　 　　　＼　　 ,＿　　 |　　　　　　　曲としては中途半端な感じがするお。
/　　ｕ　 ∩ノ ⊃―）／
(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |　　　　　　　　一体、どうしたもんだお？
.＼　“　　／＿＿|　 |
　　＼ ／＿＿＿ ／

　　 　　　　 |
　　 　＼　　__　　／
　　 　＿　（ｍ）　＿
　　 　　　　|ミ|
　　 　 ／ 　｀´　 ＼
　 　　　＿＿＿_
　　　／⌒　　⌒＼　　　　ﾁｰﾝ!
　 ／（ ●） 　（●）＼
／::::::⌒（__人__）⌒::::: ＼
|　　　　　|r┬-|　　　　　|　　　　　　　　　　　　　そうだ！
/　　　　　`ー'´　　　 　 ∩ノ ⊃　　　　　　　　　とりあえず、あの人に聴いてもらうお！
(　＼　 　 　 　 　 　 　／＿ノ
.＼　“　　＿＿＿＿ノ　 ／
　　＼_ ＿＿＿＿　　／

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　このテープをそのままお蔵入りにしてしまうのはもったいない。
　少なくともファンに聴いてもらったほうがいいのではないか？
　ヨーコはそういう風に考えたようだ。

　しかしそれを自分だけで判断して売り出すのはどうか……

　そこで、ある人物に相談することにした。
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　 ヽ､_ ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／（● ） （● ）　＼
　　　　　　　　　　　　　　　と、いうわけで、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／:::⌒（__人__）⌒:::::　＼
　　　　　　　　　　　　　　　ちょっと聴いてもらいたいんだお。　　　　　　　　　 　 　 　 | 　ｌ^l^lｎー'´　　　　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼ヽ 　 L　　　　　　　 ／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ゝ 　ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ 　 /


　　　　　　　　,.....::::─:::::-....._
　　　　　　／:::::::::::::::::::::::::!:::::::::丶、
　　　 　 /:::::::/:::::/::::::::::::::ﾄ::::::::::::::::ヽ
　　　　 ':::::::::'::::::;'::::::::::::;;:::! ＼::::::::::::::．
　　 　 |::::::::::|::::::|:::::::::::ﾊ:|:| 　 lﾊ::::|:::::::．
　　 　 |::::::::::|::::::|::::|:::厂|| ! 　 ! T::ﾊ:::!::::、
　　 　 |::::::::::|::::::|;;ル'　 ﾘﾉ　 ﾉ　l/_j:::|:::lﾞヽ、
.　　　 ‘;::::::::l:::::::kテﾐx　　 　 ィ心ﾞ!ﾚ'::::i
　　　　 i:::fﾆi::::::::代:::ｿ　　　 弋:ｿ　,':::::|　　　　　　　　　　　　 へえ～っ、唯のデモテープかあ……
　　　　 |:人rﾞiﾞ＼|　 ,,,　　　 ,　 ,,,　!::T~
　　　　 |:::::::｀:i::::::!　　　　._ _, 　 　从l　　　　　　　　　　　　　　興味深いわ、是非聴かせて。
　　　　 |:::::::::::!:::个i 、　　　　　／::::;’
　　　　 |:::::::::::|:::::!´ﾄ、＞- ,ィ´:::::::::;’　ryV'i
　　　　 |:::::／:|::::i=j　＼　 |ヌﾆ:(⌒＝⌒ﾞ┴ミ、
　　　　ﾉ:'´ 三|::::!=|　　 ＼ﾞX.＼ﾊ　　　　　/斗
　　 ,イ:=三三i::::|:=! __ 斗xヽ|ﾑﾐ个=ﾆz=イ ,ィ
　　{ =三三三|:::|=´三＼〈　l| >!:=!:::!=入_ノ=|
.　　!:=三三三|:::!三三三ﾑﾞ ||/ |=i:::|（=三三ﾊ、
　　ﾑ=三三三|::|=|三三三＼　 !ﾆ!::!=|三三三}
　　|::l::三三三|::|ﾆ|三三三三∨:ﾆ|::!X!三三=ﾘ
　　|:::ヽ:=三三!::!ﾆ|三三三三三:ﾆ|ﾉﾆ|三三ﾆ{

　　　　【秋山澪（ポール・マッカートニー）】

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　ヨーコが相談を持ち込んだのは、ジョンの盟友であり、
　一番親しかった人であり、ライバルでもあった、ポールであった。

　ポールはヨーコの申し出に興味を抱き、
　テープを一本一本、丁寧に聴いてみた。
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　　　　　　　　　　　　　.. -――-　..
　　　　　　　　 　 . 　´　. .-‐…‐ミ: : ｀: .､
　　　　　　　　／　. . :´ : : : : : : : : ｀ヽ　　ヽ
　　　　　　 ／ . :´: : : : -‐……‐-　: : :＼ 　:.
　　 　 　 〃 ' : : . :´　　　　　　　　　　 　 ﾍ　ﾍ:.、　　　　
　 　 　 〃 ／　　/　　　　　　　　　 　 　 　 V∧:.:.　　　　
　　　　' //　 　 /　　　　　　　　　 ＼　　　 ∧ＪV:.:.
. 　 　 |//　　　　　　　　　　　　　　　 ＼　　＞ﾍﾍ:.:.i　　　　
. 　 　 |/　 　 　 ｜　ヽ＼　　　　 　 ｀ヽ　Y 　/∧∧ﾄ､　　　
.　　　/　i　 　 　 |　 i　ヽ ＼　 ト .　　 ｀ヽ|　 ｉ {　i｢∩:.ヽ
　 　 ′ |　　　　 |　 ﾄ､　ヽ　＼!／ `丶、 |:.　! {　! ∪〉:.:.｝　　　　　　　　　　　　　　Free as a bird……かぁ。
　　 {　　|　　　　 |　 |　＼ ヽ く＾ヽ　,ｘ=＝|∧ 〈 ､ゝﾍﾍ:.:,′
.　　ヽ 　|　　　　 |　 | _ノ　　ヽ 　 ｧ'爪..ｨｖ| :∧ 丶=彡刈/ヘ、　　　　　　　　　　　 この曲、イイわね。
　　　 |　|　　　　 |イ厂 ー　　　　′弋r:ｼｊ/　个ﾄ==彡く: : : :/ｰ- .
　　　 |　| 　　　　| i x==ｧそ　　　　 　 　 　 　 |（　　 ||　）: : ′ 　　ヽ.＿_
　　　 |　|八八　_从ヾ＾弋ｒ:::）　　　　　　　　　从`ト...||.ｲ: : .:}　　　 　 ∨ハ
　　　 | ∧　　 〈　￣｀ヽ　 ~　　　 ｀　　　　　/　 ｉ |　ｉ||人: :/ 　 　 　 　∨/!
　　　 |,′∨//⌒ヽ、　 ＼　　　　　　‐　　/　　i| |　ｉ||　 V　 　 　 　 　 ∨|
　　　 {　　 　｛　　 　＼　　｀ ーr-　―一 '　 　 ｉ|∧ i||　iハ　 　 　 　 　 ヽ|
　　　 　 　 　 ',　　 　 /　　 　 ∧　　　　　　 　 ｉ|{/i ｉ||　i i∧｀ヽ.　 　 　 　 ＼
　　　　　 　 　 〉　　 /　　　　/＼＼ｰv―v―ｖ从i i ｉ||　八: .:.､　＼　　　　 　 ＼
.　 　 　 　 　 / 　 , '　 　 　 /:.: : :＼＼　　　／　// ｉ|| '　　:､: : ー‐＼　　　　　　＼
　　 　 　 　 /　／ 　 　 　 /i: : : : : : `ｰ=ミo′ //　｣||　　　 :.､: : : : :{/ヽ 　 　 　 　 ＼
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　ポールは「Free as a bird」という歌詞が入った曲が、気に入ったようである。
　とりあえず録音されていた部分の、曲の出来も歌詞の出来もすごく良かったのだ。
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　 　 /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
　　/::::::::::::::::::::::∧::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::'.,
　 ,':::::::::::::::::::/:::'　∨::::::!::::::::|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i
　 !:::::::::::::::::/|:::!　　∨:::|::::::::l::::::::|::|:::|:::::::::|:::::::::|::::::::::|
.　|:::|:::::::::::,'　!::| 　 　∨Ⅳ::::l::::::::|::|:::|:::::::::|:::::::::|::::::::::|
.　|:::|:::::::!:,'　 |::|　　　 |::l_∨:|::::::::|::|:::|:::::::::|:::::::::|::::::::::|
　 !:::!::::::|:|-‐十　　　 ｌ::| 「:T'':::::ハ|:::|:::::::::|:::::::::|::::::::::|
　 ｌ:::!::::::|:|　　ｌ|　　　 ヽ| |__||斗'　 |:::|:::::::::ｆ⌒∨::::::::::!
.　 !:::!:::::ﾄ　__　　　　　　 ｨ ,＿　　 |:::|:::::::::ﾚ^　l::::::::::::|
　　!::ﾄ::::! <冖ﾗヾ　　　 　 '勹 〒ﾗ|:::|:::::::::|　 /:::::::::::::!　　　　　　　 確かに、この曲はすごく出来がいい。
. 　 |!|: ハ　弋-ｊ　　　　　　辷丿　|:::|:::::::::レ':::::::::::::l:::!
　　 !ﾙ!::ハ　 ｀　　　　　　　　　　/ｨ'::::::::::|::::::::::::::::::l:::!　　　　　　　 でも、途中で終わってるのよね……
　　　　!:::::ﾊ　　　　 ,　　　　　　　　!:::::::::::|::::::::::::::::::ｌ:::!
　　　　ｌ:::::込.　　　　　　　　　　 　 !:::::::::::|､::::::::::::::::l: |　　　　　　　 これを「唯の作品」として表に出すのは、どうなのかしら……
　　　　∨::::::::＞ ､　　 ¨　　　　. イ|:::::::::::|: ＼:::::::::::!::|
　　　　 Ⅳ::::::::::: :,-｀ ｰ-―　'´ ／ |:::::::::::|: : :/＞‐--廴_
　　　　 |::∨::::::::/: :/￣＼　 ／　　|:::::::::::l: :/: : : : : : : : :｀丶
　　　-‐ '´∨::::::|: :ｒ―‐-. ＼　 　 /:::::::::://: : : : : : : : : : : : : ＼
　 / : : : : : |:::::::::|: :!―-　　　| 　 /:::::::::://: : : : : : : : : : : : : : : : l
　 |: :: :: : : :|:::::::::|: :!＿.　　　 ﾄ.､/:::::::::://: : : : : : : : : : : : : : : : : |
　 |: :: :: : : :|:::::::::|/| ､　　　　 !､ !:::::::::/ l : : : : : : : : : : : : : : : : : :!
　 |: :: :: : : :|:::::::::|　ｒ-!　　　　!＼::::::/ﾉ/: : : : : : : : : : : : : : : : : :/
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　ただ、この曲であったが、途中までしか作られていなかった。

　果たしてこの曲を中途半端な状態で世間に出すのがいいのか……
　しかし、それを補うのはジョンの作った物をぶち壊しにするのではないか……

　ポールはいろいろと考えたようである。
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　　　　　　　　　　　　　　　　　／.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.:＼
　　　　　　　　　　　　　　　　.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::／.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.:.＼
　　　　　　　 　 　 　 　 　 /.::.::.::.::.::.::／.::.::.::/:.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.＼
　　　　　　　　　　　　　　/.::.::.::.::.::.::/.::.::.::::./::.::.::.::.::.::.}::.::.::.::∧::.::l::.::.::.::.ヽ::.::.::.::.ヽ
　　　　　　　　　　　　　 /.::.::.::.::.::.:./.::.::.::::/::.::.::.::.::.::./::.::.::.::/　',::.:!::.::.::.::.::.',::.::.::.::.::..
　　　　　　　　　　　　　.′.::.::.::.:: /.::.::.::::/::.::.::.::.::.::./::.::.::.::/　　}::.|ヽ::.::.::.::.:i::.::.::.::.::.::.',
　　　　　　　　　　　　　|.::.::.::.::.::..′.::.::.::'::.::.::.::.::.::./::.::.::.::/ 　 ハ:.|　 V::.::.::.!::.::.::.::.::.::.|
　　　　　　　　　　　　　|.::.::.::.::.::.ｉ.::.ｌ::.::.::|::.::.::.::.::./::.::.::/:/　　,′|::|　　|::.::.::.|::.::.::.::.l:.:.:|
　　　　　　　　　　　　　|.::.::.::.::.::.|.::.|.::.::.:|::.::.::.::.厶　イ::/　　/　｜|、　|::.::.::.|::.l:.::.::.l:.::.|
　　　　　　　　　　　　　|:.::.::.::.::.::|.::.|::.::.::l::.::.::../　 //|/　　/　　 }ﾉ　ゝ|-::.: 」::l::.::.::.ｌ:.:.|
　 　 　 　 　 　 　 　 　 |:/::.::.::.::.|.::.|::.::.::|::.r==示ミx　　　　　 　 　 　 |::.::.:/:::l::.::.:: |:.:.l
　　　　　　　　　　　 　 /::.::.:/⌒|.::.|::.::.::|:.:{{ /ん:ｲ}　　　　　 　 ァ示ミヽ/:::.:.l::.::.::.:|::.:|
　　　 　 　 　 　 　 　 /::.::.::.|　　|.:八.::.::|　　{込少　　　　　 　 ん:ｲ} ﾉ/:::.:::.:l::.::.::./:./
　　　　　　　　　　　 /.::.::.::八　｜::.::.＼|　　ー‐　　　　　　　　込少 /:::.::::.::.l:.:.:./／
　　　 　 　 　 　 　 /.::.::.::/.:::.::ヽ|::.::.::.::.:|　　　　　　　　　　,　　ー‐ /:::｀ヽ、:l:.:./　　　　　　そんなわけで、
　　　　　　　　　　/.::.::.::/.::::.::::.l |::.::.::.::.:|　　　　　　　　　　　　　　 {:::.:::.::.{ ＼/　　　　　　　私たちがこれにアレンジ加えて……
　　　　　　　　　 .′.::.:/.:::.::.::::.l.:|::.::.::.::.:|、　　　　　　　　　　　　　ﾉ:::.:::.:.:|
　　　　　　　　　′.::.:/.:::.:::.:::.::l.::l::.::.::.::.:| ＼　　　　　(_ﾉ　　　 .:＜:::.:::.:::.:.|　　　　　　　　　 「ビートルズの曲」として、
　　　　　　　　 {:.:..::./.::::::.:::.:::.:l.:::|::.::.::.::.:|＼　　　、　　　_ .:＜:::::.::::.::::.:/:.:.|　　　　　　　　　 売り出すのはどうかな……って。
　　　　　　　　 |.::.::/::.::.::.,．－l::.:|::.::.::.::.:|　 ＼　　　丁ハハト:.、/::::.::;':.:.:.:|
　　　　　　　＿|_:厶 ＜:.:.:.:.:.: |::.:|::.::.::.::.:|　 　 ＞r‐く　　}:.:.∨:.:.|::::l:::.{:.::.:.:|
　　　　　　/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. {::.:|::.::.::.::.:|ヽ　 /人__.人　l:.:.:.:Ｖ::.|:::.l:.:.|:.:..:.:|
　　　　 　 {:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼:.:.:.:.:.:.ヽ:l::.::.::.::.:|:.:.∨/⌒ｉ ll |∧|:.:.:.:.}:. |:::.l.:.:|.:.:.:.:|＼
　　　　　　|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.:.:.:.:.:.＼::.::.::|:.:.// 　 | || |Vﾊ:.:.:.く:.:.|::.:l:.:.|.:.:.:.:|:.:.:}
　　　　　　|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.:.:.:.:.:ハ::.:.|:.:{ {　　 | || | Vﾊ:.:.:.:.〉:|:.:.l:.:.l.:.:.:.:|:.:.:|

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　しばらく考えた後、ポールはヨーコにある相談を持ちかけた。

　「この曲に、自分たちがアレンジを加えて、『ビートルズの作品』として売り出すのはどうか？」
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　., '´￣￣￣￣ `ヽ.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　　　　　 　 　　　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　⌒　 　　　　⌒ 　 .:::＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　　　　　　　 　　 　　　.:::::ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 いいと思うお♪　　　　　　　　　　 　 　 !　　....（(;;;;))　:::::　（(;;;;))....　.::::::::::!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　!　　"" 　 (___人___) 　 ""　.::::::::::!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　　　　 　 ヽ、_ノ 　 　 　..::::::::/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　　　 　　　　　　　..::::::／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　　....::::::::::.....　　::::::::＼

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　ヨーコは快諾した。

　中途半端な作品を世に出すのはジョンのためによくないだろうし、
　ジョンの遺志を受け継いでこの作品を完成させることが出来るのは、
　残されたビートルズの仲間たちしかいないと考えていたのだろう。
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　　　　　　　　　　　　　　 .．　-─　・・・　　 ‐-　..
　　　　　　　　　　 　 .　´　　 　 　　　　　　 　　 　｀　.
　　　　　　　　　　／ 　 　　 　 　　　　　　　　　　　 　＼
　　　　　　　　　 ′　 　　 　　 　 　 　 　　 　　 ＼　　 　＼
　　 　 　 　 　 /　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　、 　 丶　ヽ　 ヽ
　　 　 　　 　 ′　　　　　　　　　　　 　　 　　|ヽ 　 　'. 　 　　 '.
　　　　　　　 l 　 　　 :: 　 　 　　 |｜　 i|　　ﾊ!　|ﾊ　_ i 　 '　　ハ
　　　　　　　 |　| 　 　:.!　　　　　 |｜ 　T　X/　 l!' ﾊ　! 　 |:.:..|　i!
　　　　　　　 |　|　　　.:! 　 　 　　|｜　/|V /　　 !/_j-:| 　.:|:.:.:|〃
　　　　　　　 |　| 　 　 ﾊ　 　　　｜ﾚ:ﾆ ミ　　　　ィjﾗﾊj_/:::|:.:｜
　　　　　　　 |　|　　　 ハ　　 　 下ﾊﾉﾉj 　 　 　 ﾄv　/:..:.: ﾄ､ﾉ
　　　　　　　 | ｜ | 　　 :∧ 　 　 | 弋zﾝ 　 　 　 ｀　 :.:.:.:.: |
　　　　　　　 |　|　|　 　:｜∧　＼ ゝ　　　 　　 　' 　 |:::ト ﾉ　　　　　　　　 そんなわけで、
　 　 　 　 　｜｜ |　 　 弋_ノ`ー ゝ 　 　 　 　 　 　 ﾊ/　　　　　　　　　　 律にも協力してもらいたいのよ。
　 　 　 　 　 |　|　 　　 ｜　ハ　　 ＼　 　 ` 　 ´ . ':.:/
. 　 　 　 　 ｜｜　 　　 |　 |　　　　　 ＼　 　 ィ´:.:.:/　　　　　　　　　　　 何しろ唯ってば、曲を途中までしか作ってないのに、
　 　　　　　｜｜ 　　 　|　｜　 |:　 ＼　 ＼¨　|:::: /:|　　　　　　　　　　　　自分のパートだけ勝手に録音しておいたあげく、
　　　　　　　| ｜　　 　｜　|　　|＼ 　 ＼　 ＼j:.:.　｜　　　　　　　　　　　 「後は任せたわ」って言ってバカンス行っちゃったから。
　　　 　　 　| ｜ !:　　 ｜　|　　|_ノゝ　　 ＼ 　＼:. ﾉ
　　 　 　 　 | ｜ |: 　　｜ ｜　｜: : : `…ー｀ ー‐ ` 一　､
　 　 　 　 　|　|　|: 　　 |　　 　｜: : : : : : : : : : : : : : : : : : :ﾊ
　　　　　　/|　|　|:　　　|　　 　ﾉ: : : : : : : : : : : : : : : :: :／: : i
　　　 　　'.:｜ |　|:　　 .'　 　 /: : : : : : : : : : :: : : : : : :'': : : : :i
　　　　　l: :｜ |　|: 　/　 　 　| : : : : : : : : : : : : : : : : :; ー -く
　　　　　|: : |　|　|.: /　　 | 　 |: : : : : : : : :/: : : : : : : : :: ー:､ﾉ
　　　　　|: : |i 从 V 　 　 | 　｜: : : : :ヽ /:: : : : : : : : : : : : : :ヽ

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
　早速、ポールは動き始めた。
　まずは、ビートルズの残りのメンバー……リンゴとジョージにこの話を持ちかけた。
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　　　　　　　　　　　　＿＿＿＿＿
　　　　　　　　　　　´: : : : : : : : : : : ＼_
　 　 　 　 　 ／: :.{ﾆ二二二二二ﾆﾍ : : ヽ
　　　　　　 /: : : : !＼: : :＼: :j /:／ ∧.: : :{
　 　 　 　 //: : : :.|´￣￣｀＾ ＾´￣￣｀| : : :|
　　　　　 ′: : |: :.|　　　 　 　 　 　 _　|: : : |ヽ
　　　　　ｉ :| : : |: :.|ー-　 _,　　､__／ 　|: : :│
　　　　　| :| : : |: :.| 　 　 　 　 　 　 　 j: : : :|　i
　　　　 / (l : 八: :ﾄーtｯ‐'　 　 ｰtｯｰ/:/:..: :|　|　　　　　　 へーっ、唯の奴、中途半端に曲を作っただけでなく、
　　　／/从.: : :ヽ:l ー一　　 　 ー-/:ｲ: : : :|　!　　　　　　 自分のパートだけ録音しておいて、
.　　　 厶-∧ : : : |　　　　　　　　　　 | : : : | ﾉ　　　　　　　勝手にバカンスに行っちゃったのか……
　　　　　 厶ﾍ: : : トu.　　ｔｰ ｧ 　 　 ノ|: :∧j
　　 　 　 ／:::::'.; :.|::::l｀　ｰr-ｚ-=七´:::| /ヽ　　　　　　　　 そりゃ残された私たちが尻拭いしないといけないよなｗｗｗ
　　　　 /:::::::::::::∨＼|　　/ﾍ、　|::/::::::´::::::〉
　　　　｛::::::::＼:::::::::/:| ∨ 公∨|〈::::::|/:::::/
　　　　 ∨:::::::::∨:〈:::::|〈〈_ﾉ|ヽﾉ|:::〉:::|::::::ﾊ
　　　　　{＼:::::ﾉ|::::::＼|　|｣ |｣　|:/:::::|::::/:::|
　　　　　|:::::::::::::|::::::::::::|　　o　 |:::::::::|:/::::::}
　　　　　∨:::::::::|::::::::::::|　　　　|o:::::::|::::::::,′
.　　 　 　 }::::::::: |::::::::::::|　＼／|::::::::::|:::::::{

　　　　　　【田井中律（リンゴ・スター）】

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
　まず、リンゴに関しては何の問題もなく協力を約束してくれた。
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　　　　　　　　　　 , ..::::'":::::::::::~::￣￣::~:::::`........、
　　　　　　　 　,.:::'::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ、
　　　　 　 　,.::":::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
.　　　　　　/::::::::::::::::::::/::::::::::::/::::::;'::::::::::::!::::i::::::::::::::::::::';::.,
　　　　　 /::::::::::::::::::::/::::::::::::/:::::::∧::::::::::ﾄ;:::|::::::::::ヽ:::::::i!::',
　　 　 　,'::::::::::::::::::::;'::::::::::::/ ::::::/　 ';::::::::! !:i!＼::::::::!:::::::i!:::',
.　　　 　i:::::::::::::::::::::i!:::::::::::;':::::::/⌒ヽi!::::::| |/ 　 ';:::::i!:::::::|:::::}
.　　　 　|:::::::::::::::::::::i::::::::::::レ-' 　__、L;;;/ "　　⌒ヽi!::::/::::::i!
　　　 　 i::::::::::::::::_:::|::::::::::::| ,y'斧示ﾐ、　　　　,,__ `~L∧:::::;'
　　　　　|::::::::::::/, `j:::::::::::iｲ　r::ハ　　　　　　ｨ斥ﾐ、　;:::};;/
. 　 　 　 ';::::::::〈 "`jト、:::::::i!_ 込:ﾘ 　 　 　 　 r:ﾊ　}} ,':::::::|
　　　　　 i:::::::::::＼ i!:::`ヽ:::」 　　　　 　 　 　 ﾋ:ﾉ _''/:::::::::i　　　　　　　　　　律の承諾は取れた。
.　 　 　 　!:::::::::::::::`!::::::::::::|　　　　　　　　　　, 　　 i`::!:∧!
　 　 　 　 !::::::::::::::::i:::::::::::::i!　　　　　　　＿　　　　ﾉヽ!"　　　　　　　　　　 問題は……あずにゃんよね。
　　 　 　,ﾉ:::::::::::::::::|:::::::::::::|`　 、　　　　　 '　　／ 　ﾉ|
　　　　/::::::::::::::::::/:!::::::::::::i＼ ＿ `　-(￣' ⌒"　／::::i!
.　　　/:::::::::::::::／ヽ!::::::::::::|　　　 `ー-yヽ, 　　 〈＿::::|
　　 /::::::::::::／:.:.:.:.:.|::::::::::::i＼　　　 ｆ~ヽ∠ヽ＿___Vﾍ:|
　　,':::::::::::/:.:.:⌒:ヽ:!::::::::::::|:.:.:＼／ `Yiﾊ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:'i!
　 ,'::::::::::::{:.:.:.:.:.:.:.:.:.:!::::::::::::ト:.:.:.:.:＼ //| i';.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:i!＿＿＿＿＿
　 !:::::::::::::|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|::::::::::::!:.:.:.:＞.://、! |j';.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`7、
　 i::::::::::::::';.:.:.:.:.:.:.:.:.:i::::::::::::|:.:.:.:.`ヽし"`し'"ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.}
.　 !::::::::::::::i:.:.:.:.:.:.:.:.:.|::::::::::::!:.:.:.:.:.:.:.:.:.`r"~￣~`ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:/
　　!::::::::::::::ﾄ;.:.:.:.:.:.:.:.!:::::::::::i!:.:.:.:.／~`"ヽ 　　　 j_):.:.:.:.:.:ノ
　　|::::::::::::::';.:.:.:.:.:.:.:.:|::::::::::::|.:.;.ｲ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:Y―"　￣￣
　　';:::::::::::::::}`:.:.:.::.:.:.i::::::::::::i":.:.':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:}

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
　問題はジョージであった。
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　´:::::::::::::::::::｀丶
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ／::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ:ハ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　'::::: /:::::｛::::::::::::|:::::丶}::::ｉ::rﾍ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ｉ|:::::{:: /八::::::::::|＼:::::|::::|人::::＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／八::::∨＼ﾊ ::::: |／∨|::::|: ∧:::::::＼
　　　　　分かりました。澪先輩の言うように弾きます！　　　　　　　　 　 　 .::::::/　|＼{ｨﾃ心V＼|ｨﾃ心! ::|)′　､::::::::＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　 /::::::/　 :|:::::i　辷ｿ//// 辷ﾝ! ::|_　　　＼:::::::::＼
　　　　　……弾くなというなら、もう弾きません！　　　　 　 　 　 　 　 　 /::::::/　　_|::::ﾊ　　　　　 　 　 |:::ｉ|三> 　　 ＼:::::::::＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　/::::::/　　 八 :|个　　　ー(　 イ|:::ﾘ／｢ﾊ.　　　 ＼:::::::::＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　 　 　 /::::::/　　 /　 ヽ|⌒＼≧=乏三 | /　 |ﾏ∧　　　　 ＼:::::::::ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/::::::/　 　 ′ﾊ 　 　 ｛三＼三彡'´　　|│∧　　　　　 ＼::::::::::.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,′::::　 　 ,′　 }　　　　　|∥∥|　　 　 |│|:∧ 　 　 　 　 ヽ:::::::::.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｉ::::::::|　　　　 　 {.　　　 匸|∥∥|　　 　 |_|_j＿:',　　　　　　　'::::::: i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |::::::::|　　/　　　　 　 　 　 |∥∥|　　 　 |　{:}　|ﾊ　　　　　 　 ｉ:::::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |::::::::|　,/　　 　 j　 　　 　 |∥∥i　　 　 |　{:}　| ∧　　　　 　 |:::::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |::::::::| /　　 　 ,/|　　　　　:|∥∥i　　 　 |　 　 | /∧.　　　 　 |:::::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |::::::: /　　 　 /　|　　 　 匸川_川　　 　 |　 　 | ///〉　　　　 |:::::::|

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　そもそもポールとジョージの反目の原因は、
　ポールの独断専横と、ジョージの音楽性の問題があった。

　それゆえにジョンとポールの反目なんかよりも、より深刻なものがあったといえる。
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　　　　　　　,　-‐::::￣::::￣::::::::::::｀:::::ヽ　　/
　　　　 ／:::::::::::::::,:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
　　　/::::::::::::::::::::/:::::/l:::::::::::::::: ﾍ::::::::::::::::::::::::ヽ
　　/:::::/::::::::::::: /:::::::∧::::::::::::::::::|::::::::::::::::::::::::::ﾍ
　 /::::::i::::::::l:::::|＝= ⌒i:∧:::::::::::::|ヽ:::::::::::::::|:::::ﾊ
　i:::::::::|::::::/::::::l＝=/　 ﾚ ヽ:::::::::::i　ヽ|､:::::::|::::::::|
　|:::::::::|:::/::::::::|::::::/　　　　　＼:::|　 　 ヽ:::::|:::::::|
　|:::::::::|:/::::::::::|::::/Y⌒ヽ　　　　ヽ Y ヽ　|/::::/:/
　i/:::::i::::::::::::::::::/　ヽ　ノ　　　　 　 ゝノ　l::::/:〈
/:::::::::::|::::::::::::::::::|　　　　　　　　　　　　　 i:::::::::|
:::::::::::´|::::::::::::::::::|　゛゛゛　　　　　　　゛゛　 ∨::::::i　　　　　　　　近いうちに、他の３人と再結成コンサートでもやろうかと……
:::::::/ゝ|::::::::::::::::::|　　　　　　 　　　　　　 　）::::::|
::::/:::::::::|::::::::::::::::|　　　　` ー　　　　　 　ｲ:::::::::|
::::|:::::::::ﾍ::::::::::::::::|､_　　　　　　　　　　イ:::::::::|::ﾉ
ヽ|,､:::::∧::::::::::::::i　＞ー‐　　 　＜´　:/|::::::/ﾚ
　ﾚ ＿_ヽ_ヽ､::::::|＼　｀ ヽ / lヽ､＿_ノ　|:::/
　 /　　　　　　 　　.＼　/｀ﾍ | ヽ　　￣｀ヽ　　
　i　　　　　　　　　　　＼∥||.i　 l　　　　　ｌ

　　　　　【平沢唯（ジョン・レノン）】

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　例えば、ジョン・レノンは暗殺される直前に受けたインタビューで、
　ビートルズの再結成コンサートに言及している。

　少なくとも死の直前ぐらいの時期において、
　ジョンの中では、ビートルズに対するわだかまりはなくなっていたといえよう。
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　　　　　　　　　　　　 ,　へ' ￣￣ `　、
　　　　　　　　　　 ／:::::::::::::::::::::::::::::i:::::::＼
　　 　 　 　 　 　/::::::::::::::::::::ﾊ::::::::::::::!::::::::::.ヽ
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　　　　　　　 ,-|::::i::::::::::/ﾚ:ﾊ::|:::::::::|i:::|、:::::.i:::::ﾄ、
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　　　　　　,':::::ﾄ;:::i::i::::::k,'　　 i| V:::i, .!i　 l:::::::|::|::|　　　　　　　　　ビートルズの再結成？
　　　　　 ,'::::i:::| Viﾊ::::|　`ニ' i　∨ `ニ".|:::::i:ﾊ::|　　　　　　　　 ありえるわけないじゃないですか。
.　　　　　,':::i:::|　 ｿ::..v|弋ﾎテ　　 弋ﾎテ}:::::ii::::!:|　　　　　　　　　
.　 　　　,i::::i:::i　 　|:i::::} 　 ~　　　　　 ~　i::::::| i:::i:|　　　　　　　　だって、唯先輩、死んじゃったのに、
.　　　　 i::::i::,'　 　 i:::i::ﾊ,　'''　　　'　 ''' .ﾉ|::::::| |:::i:|　　　　　　　　どうやるんです？
　　　　,i:::,':,i　　 　 i|:::!| ＞　.　 ^ . ／　 |:::ﾉi　|::i::|　　　　　　　　
.　　　 i:::,i:,i　　　　　`,::|'::{ ヽ　` 7lヽ、 .ﾉノ　　.i::i::|　　　　　　　　
　　　 i:::i::i 　 ,.　- '"　/:::.i.　 ヽく、|::ﾏ`.く,　　　i:::i:|
　　　i:::i::i　 .i:: :: ::i:: ::/:: :: i　〆i|i`i.}: ::V: :: :`:.,　i:::i:|
　　 i::::i::i 　 i: :: :: i: :: ＼:: ::Y_ｿi| |ｿ、ﾉ: :: :: :: ::i　i:::i:|
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　一方、ジョージはビートルズ再結成について、常に否定的な態度を取ってきた。

　彼はビートルズ時代の晩年、「ビートルズのジョージ」であることに嫌気が差していた。
　そして解散した後、自由を手に入れた彼は、昔の自由でない自分に戻ることが嫌だったのだろう。

　それゆえに、再結成には常に否定的だったように思われる。
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　例えば、「When we was FAB」という曲がある。
　ttp://www.youtube.com/watch?v=fAJDcT7Zbok

　この曲はジェフ・リンがプロデュースした「クラウドナイン」の曲であるが、
　その歌詞だけを見る限りだと、過去の自分に対して、複雑な心境を抱いていることが分かる。

　そしてそれをずっと抱き続けていることも……
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　　　　　 　 　 　 !:::::::::::::::::::l:::::.:.:.:.;.:.:|::.:|!:.:.:||: |　　　 ,xｬｧＴ:::::|!
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　　　　　　　 　 　 |::::::::::::::::::l:::::.:.:.:. ,:.l: ,ｨｵﾃミ　　 　 ゝ-' ﾄ､:|:|
　　　　　　　 　 　 |::|;:::::::::::::::ｌ::::::.:.:.:.;:|《{ﾟし:::）　　　　　 ｀｀', `　　　　　これを失敗させると……
　　　　　　　 　 　 |::| l:::::::::::∧-=＿__! 　ー'"､ ､ 　　 ` 　 }　　　　　　唯の残したものが世に出なくなる。
　　　　　　　 　 　 |::|　l:::::::::乂|:::::.:.:.:l　　 　 ｀　 　 　,，　/
　　　　 　 　 　 　 i: |　.ｌ::::::::::::::l:::::.:.:.:.i　　　　　　　　　 /　　　　　　　 出来る限りあずにゃんのやりやすいように、
.　　　　　 　 　 　 i!::| 　ｌ : :::::::∧:::::.:.:.:i ｀　　.　 __　_　ｨ　　　　　　　　 ことを運ばないと……
.　　　　　 　 　 　 !l::|　 l ::::::::::::∧::::::.:.:.', ヽ､ 　 ﾄ､::::::: ｌ
.　　 　 　 　 　 　 |.|:|　 l ::::::::::::::∧::.:.:::.:.:',＼＼,|_ }_::::::|
.　　　　　 　 　 　 !.|.!＼ｌ :::::::::::/ :∧ .:.:':,:.:ヽ.＼　|: :}､::|
.　　　　　 　 　 　 ! ',!　 ｌ : ::::::/:. :. :.:＼:.:.':.,:.:＼ヽ!:ﾄ､:.ヽ.
　　　　　　　 　 　 ', | 　 ! :::::/:. :. :. :. :.:｀丶､:.::.:.ヽVヽ:＼!ヽ
.　　　　　　 　 　 　 '|　　l:::::,′:. :. :. :. :. :. :. :.＼:.:.:.＼ﾉ||:＼:ヽ
　　　　　　　　　　　 |ヽ　!::::|:. :. :. :. :. :. :._:._:._:. :＼ヽ:.:',|.l￣ :. Y
　　　　 　 　 　 　 　 !:::＼!::|:. :. :. :. :. ／:. :. :. :. :ヽ＼:.:}L!. :.∩|
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　ポールも、ジョージがそういう心境をずっと抱いていることは、よく分かっていた。
　そしてその原因として、過去の自分があったことも。

　しかし、ジョンが残したものを、そのままお蔵入りさせてしまうことも出来なかった。
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　この曲を完全なものにして世に出すためには、
　ジョージに譲歩する必要があるとポールは考えていたようである。

　そんなわけで、ポールは、テープを携えてジョージの家へと向かった。
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　とりあえずテープを聴いたジョージもまた、ジョンの残した音楽に興味を抱いた。

　しかし一方で、ある種の当惑も感じていた。
　これを持ち込んだポールとしては、当然「ビートルズ再結成」を意図してると感じたからだ。
　そしてそれは、ジョージの望むものではなかった。
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　　　　|::.:.:.:.ll:.:l:.:.:l:.:.:.:.l弋ｚツ　∨　　　 ::::::: |:.:.:.:!:.:.:.:.ｌ:.:.:.:.:{
　　　　|:.:.:.:.:l:.:.l:.:.:l:.:ﾍ:.l　:::::::: 　 　,　　　　　ﾉ:.::.八:.:.:.l:.:.:.:.:|　　　　　　……まあ、
　　　　|:.:.:.:.:l:.:八∧:.:小　　　　　　　_,　　　/:.:/l:.:.:.:.:.l:.:.:.:.:|
　　　　}:.:.:.::.i/:.:ﾊ:.:.ｌ:.:!:.:.丶　 　 ￣　　 　ｨ.:.:.ｲ:.:|:.:.:.:.:.!:.:.:.:.|　　　　　　そろそろ、ビートルズを振り返ってみるのもアリ、かな？
　　　　|:.:.:.::.i.:.:.:.:|:.从l:.:.∧l ≧　 　 　＜７ ﾍ |:八:.:.:.:.:!::.:.:.:|
　　　　|:.:..:.:.l:.:.:.:.i/ _ lﾉL＞.ｲ|}　　　　　 l　〉Y｀ー─､j:.:.:.:.:|
　　　　|:.:.:.:.:j:.:.: ／: : : : :./　ﾍ　　　　　 ／　 〉: : :l: 丶＼:.:|
　　　　|:.:.:.:.:l,ィ': : : : : :./:ｌ　　 ＼ヽ　 ／　　 .}: : : |: :.ﾊ: : ヽ　　　　　　 唯先輩が途中まで作って放りだしちゃったわけだしｗ
　　　　|:.:.:.:.:|: : : :}: : :./: :ｌ 　 ／ 介Y｀ヽ　　/: : : :l: : :.l: : : :|
　　　　|:.:.:.:.:|: : : :l: : /: : :レ'　／ｧｶjﾄ､　＼/: : : : ': : ::l!: : :/
　　　　|:.:.:.:.:}: : : :!: /: : : :ﾍ／／,'∧ﾄ､＼. ｝: : : : {: : : |: : :{::|
　　　　|:.:..i:.:|: : : :}:/: : : : 〈　./　{l　 l}ﾊ　}/: : : ／: : : :|: : l:.:|
　　　　|:.:.:l:.:|: : : :!:＼: : : : ∨　 {!　 l}　∨: ﾍ´: : : : : : }: : }:.:!
　　　　|:.:.:i:.:ﾍ: : :ﾊ: : ＼: : : '.､_ {!　 l} _/: : : l: : : : : : /: :.∧:l
　　　　|:.:.:l:.:.∧: : :}: : : :く: : :ﾍ　.!　／: : : : :_!: : : : : /: : /　}:!
　　　　|:.:.:l:.:.:.:.}::::/: : : : : ＼: :∨ /: : : : :／: : : : : : |: : /　 ｌ:l
　　　　|:.:.:l:.:.:.:ﾍ:::}へ: : : : : : ＼ﾄ/: : : ／: : : : : : : .ｲ: :/ 　 ｌ:|
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　　　　|∧!:.:.:/　 }: : : : 〉: : : : :/:::: : : : : : : : : : : : : {:.j　 　 |:ｌ
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　しかし、それ以上にジョンの作ったものを仕上げるという仕事に興味が惹かれたのか、
　それともジョージ自身のビートルズに対するわだかまりが少し和らいでいたのか……

　ジョージはジョンの残した曲を完成させることに同意する。
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　　　　　　　　 /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　　　　」::::::::::::::::::::: ｲ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ト
　　　　　　 ／:::::::::::::::::::::: /|: ,、:::::::::::::::::,ｲｌ::::!::::::::::::::::::::::::＼
.　　　　　 /::::::::::::::::::::::::: / .|:小:::::::::::::::/　!:::ﾊ:::::::::::::::::::::::::::::＼
　　　　　/:::::::::ﾊ::::::::::::: /¨¨ﾚΤ:::::::::::/￣j:/「Τ::::|:::::::::ﾊ:::::::::::::ヽ　　　　　　 ああ、そうだ。
　　　　　'::::::::::ハ:::|:::::::/,≦_L.ﾄ ヽ::::: !　,..L_≧}::: /:::::: ハ::::::::::::::::
.　　　　,::::::::::::'　ｌヾ＼ k/てｲ㍉　 ＼|　ﾁう¨卞》/:::::::::j　 ',::::::::::::::　　　　　　 ついでだから、お蔵入りになってる、アレ……
　　　　':::::::::::,'　 |::::::::｀ﾄヽ弋.ソ　　　　 弋::ン 彳 :::::::::| 　 ',:::::::::::::　　　　　　世間に出しちゃいません？
　　　 j::::::::: /　,ィ:::::::::::!　　　　　　,　　　　　　ｲ:::::::::::::ト、　',::::::::::::
　　　,':::::::::/　/　|::::::::: |　　　　　　　　　　 　 ﾉ::::::::::::/　 ヽ　V::::::::　　　　　　アップルの本社に眠ってる、
　　　ｌ::::::::ｲ /　　|::::::::: |＞ 、　 　 ^　　　　,イ!/::::::::/　 　 }　 |::::::::::　　　　　 ドキュメンタリー映像。
　　 ,'::::::::::! l　　　ﾄ、:::::!　 い＞ ､ _　 ,, イ /‐!ｌ:::::: /　　　 ｌ　 |:::::::::::
.　　l::::::::::|　ｌ　　　　＼ |　　い　　　　　/ / 　 |:::::/　　　　l 　 !::::::::::
　　ｆ::::::::: !　ｌ　　　　　 .ｌ　　　い　　　 / /　　 レ'　　　 　 l 　 |:::::::::::
　　!:::::::::::|　.ｌ　　　　　 |＞――-､　, ――-＜/　　　 　 / 　 |::::::::::::
　　!:::::::::::|　 ',　　　　　 !　　　　　 V　　　　　/　　　　　/　　 |::::::::::::

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／: : : : : : : : : : :｀: 、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／: : : :ﾊ: ﾄ; : : : : : : : :.ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　./: : : : ﾑ　l:.トヽ: : : : : : :l : :,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /: : : : / 　 ヽ!, x=ﾐﾘ: : : :.|: : l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i!|: : :{ｬ;㍉　　 i{ぃ;!ﾙ: : : :ﾄ; :.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l: : : 代::ﾘ　　　ｰ ' |: : : :ﾘ: : l
　　　　　　　　　　　　　　それいいかも♪　　　　　　　　　　　　　|ﾊ:,､ﾊ　　｀　　,　　|: : : :l : : |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l: ゝ　｀　　　　|: : : :l : : |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |: : 个 ､ 　 ＜|: : : i! : : |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |: : :.l: : :」　__.」: : :.l: : : :.l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |: : :ﾊﾉﾍ「ヽ　|: : :.l≧-､:l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |: : i´ ,介｀y´l: : : ﾚ' ⌒ヾ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 rﾘ: ノ 〃ﾘ／　|: : : |　　　　l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　y／　i{ xｨ′　 l: : : :l　ヽ_　 ｀l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　~　 　 　 |: : : :l　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　　　　　　　　　 .l: : : ﾊ　＼　　 ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,　　　　　　　　　　　　|: : :l　}　　　ノ　ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i|　{ 　　　　　　　 　 　 　 l: : :| .l　　　　　　 >
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ゝ　ゝ..:::::: ヽ 　　 ..:::::::::::::::}: :/ ｌ　　　　 　, ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼:::::::::::::::::::::::::::::::::::|/:::::７: :-ﾍ￣
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　さらに、ジョンが残したテープから作った新曲は、
　ビートルズのドキュメンタリー映画の公開と同時に世に出すことにした。
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　　　　　_　　　　　　_,..‐.....-.....､..._　vr 、
　　　　/:.:.:｀ヽ、, .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:／ .: ﾊ.j∧:
.　　　 ハ.::.:.:. l孑:.:.ｲ.:.:.:.:.:.,:.:'"´ .:,.,ィ´:.:.7.:ヽ、
　　　/:ﾉ:.:.:.:.l〉:.:.:.:.:.:.:.:.;〃..:.:.:／:.:.l:.:.:.:/!ヽ:.l:.:.ヽ
　　　l:.:l:.:.:.:.:.l.:.:.:.:.:.:.;〃..:.:.:／:.:..l:.:.:.:./ ヽ:.:.l:.ヽﾍ
　 /イ.:.:.:.:.:.:.:ヾ:.:-:.:.l:.:.:.:./:.:.:l:.:/.:.:.:./ 　!:.l:. l､:.:.ヾ、
　 l:.:.:l:.:.:.:.:.:,ｌヽ:.ヽ:.:.j. :.ノ:.:.:,:ｌ::.lﾑ､_/ヽ　 :.ﾊ,l:.:l:iト|
.　l:.:.:.:l :.:.:./　:.ヽ:.:.:.／V:／:.i'|__-,=‐　　_二ｿ:.l|:.ｌ
　 l:.:.:.::.ｨｿ　　!:.､:.:./r,ヾ;.:.:.:.:l f込厂　　 {ﾗ!ｌﾚヽ|〉
　　l:.:.（　　　 ,':.:!.:.ヽ ､6ｌ.:.:.:.l 　 　 　 　 丶}..j:l　　　　 （また……あずにゃんも、とんでもないもの教えてくれたもんだわ。）
　　:.:.ｿ　　　/:.:l:.:.ｲ:.:.ﾌ|ﾊ :.:.l　　　　､ _ , /:l
　　（　　　　l:.:.,':.:l_|ヽ:.:.lヘ.:.:|　　　 　　 /| ｿ　　　　　 （……ま、これに見合うだけの作品作らないとね。）
　　　　　　/:.八丿l,/‐~:＼ヽﾄ､:.. ┬‐-ｲ:ﾒ
.　　　　　 j /.:.「::Y´　｀　　ヽへ 千7
　　　　　　）:: //⌒ヽ＼　　 ',　　 ´　`‐-、
　　　　　 （／:.{　　　｀ヽ、　　　　 . ..:;　　∟

　　　　　　【やらない子（エリック・アイドル）】

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　以前、エリック・アイドルが「ラトルズ」を制作するためにジョージに協力を依頼したとき、
　ジョージがアップルの倉庫にしまわれていた、あるドキュメンタリー映像を見せたことがあった。

　そのときの映像を、ビートルズ解散から20余年経った今、公開しようということになったのだ。

　俗に言う「アンソロジー・プロジェクト」である。
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　　　　　　　　　　　　　　　 ＿＿＿_
　　　　　　　　　　　　 イ: : : : : : : : : : : :` ､
　　　　　　　　　　／: : : : : : : : : : : : : : : :. :.＼
　　　　　　　　　/: :. :./: : : :./: : : :./: :/|: : : : :.ヽ
　　　　　　　　 /: :. :./: : : :/: : : :./: :/　|: : : : :. :.ヽ
　　　　　　　　/: : :./: : : :/: : /::/: :/ 　 |::|､: :|: : : :'.
.　　　　　　　 i: : : :|: :|: : |: : /::/: :/　　 .! ! |: |: : :. 小
.　　　　　　　 |: : : :!: :!: : !: /,斗::/´ 　 `| |､|: !: : : : | |
.　　　　　　　 |/: : :!: :|: : !/＿_|/　　　　|/‐|: !: : : : | |
　　　　　　　 /: : ｲ|::::|: : !ﾔう卞　　　　だｶゝ|:.: :. :.| |
.　　　　　　 /: : :.|､|::::|､: | 弋ノ　　　　 弋ﾉ/::|: :. :.//
　　　　　　/: : : :.ヽ!: :|::ヾ､　~　　　　,　　~/: :|､: :/　　　　　　　　 で、プロデューサーなんだけど……
　　　　　 /: :. :. :. :.|::::|: : |､ ﾟﾟ　　　　　 ﾟﾟ./: : :| ヾ'
.　　　　 /: : :. :. :. :.|::::|: : |　ゝ　_　 ﾟ_　.イ: : : :|
.　　　　ｲ: : : : : :／|::::|: : |＼ 　 「ヽ: : : :|: : : :.|
　 　 ／￣￣￣　: |::::|: : |　／八ヽ}.｀‐┤: : : |､
.　　 |　　　　ヽ　　:|::::|: : |V.／| |ﾍ'　,ゝ.|: : : :.| '.
.　　 |　　　　　ヽ　 ヾ:!:::::|'く　..| |. .〉　ゝ|: : : :.|　|
　　　〉　　 　 　 ヽ　 .|: : |.　ヽ'| |ノ ／　ヾ : : |　ヽ
　　 〈　　　　　　　'.　.!:::::| 　 . | |‐'´　　　.ヾ:::| 　 '.
　　　'.　　　　　　　ヽ.|: : |　　　　〉　　　　　ヾ!.　　|
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　　　 | ヽ. 　 　 　 　 |: : |　　 　 |　　　　　 　 j. 　 　'.

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　　　　　　　プロデューサーなら、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/::::::|:::::::i::Ⅳ　|:八::::::i:::::/ j/　V|:::::i::::|::::::＼
　　　　　　　ムギ先輩（白）よりもいい人知ってます。　　 　 　 　 　 / :::::::|:::::::Ｎ,ｨうﾃミﾊ :::!::/ｨうｉﾃﾄ│::::::/＼:::::::ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:::::::::/ﾊ:::::i:::.、V::.ｿ　ヽﾚ'　V::..ｿ　:::/Ｖ　　ヽ::::::::::.
　　　　　　　はっきり言って私たちなんかよりも、　　　　.　　　 　 /:::::::::/　 ﾚ:V^7ゝ　　　　, 　 　 　 /:ｲ ::|　　　 '::::::::::,
　　　　　　　ビートルズのことに詳しい人ですよ。　　 　 　 　 　 /:::::::::/ 　 {;:::{ { い、　　 ､　,　　　∩/h::ｉト 、　　i:::::::::,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ::::::::::;′／∨ﾄヽ丶.＼　　　　　_ ノﾉ // ﾘ　 ＼　|:::::::::i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｉ::::::::::|　{　　　l::＼ 　 　` ､‐‐／　　 ／:::/ 　 　 }│:::::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |::::::::::|　|　　　∨|/丶、　　}_{ 　　／∨|/　　　 │|:::::::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |::::::::::|　|　　　　　∨￣＼ |八 ／￣│ /　　　　|│:::::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |::::::::││　　　　 /　 　 o＼｢o 　 　 ∨　　　　 |│:::::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |::::::::│ ∨ 　 　 /　　 　 　 }|　　　　　∨　　　 /│:::::::|

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　さて、ジョンの残した曲から新曲を作るとしても、
　それをどのように作るかを取りまとめるプロデューサーがいないと作ることができない。

　本来ならば、昔、ビートルズを担当していたジョージ・マーティンが担当するのが妥当であろう。
　しかし、ジョージは、ある提案をした。
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　　　　 └-i:::::::::::::::::::::::: ,.　　'"´　　　　　｀`ヽ:::::::.: : ヽ、
　　　　 __...ﾉ: : : : : : :,.ィ´　　　／ 　 　 ', 　 ヽ ｀丶､: : : :ト.､　 ,.ィ"ヽ
.　　 　 |: : : : : : : :／　　./　 /　　　　　 ',　　 ',　 「: : : : :|:.:.:ヽ: : : : : 〉ﾆﾆ､二
　 　 　 ヽ.ィ: : : :/　 　 / 　 ,'　　　　　　 l　　　',　｀丶ﾄ､:|:.:.:.:.:.|: : : : :ート､､ヽ
　　　　 r‐:':::::::/ 　 　 ,'　　,'　 　 　 　 　 !　　　.l　i'"´: : |:.:.:.:.:.:!: : : : :_:ハ ',ヽ
.　 　 　 ',_:､:::/　　 　 l　　 ｌ　　　　　　　 |l 　 　 !　',: : : :.|:.:.:.:.:.:|: : : : L_ｌ::', ',r
　　　　 　 ﾉ:,'　　 　 ,'l　　 |　　　　　l　 | l !　　! |　 ｀丶; |:.:.:.:.:.::!: : : : : :ﾊ::ヽ
　 　 　 　 /:| |　　　,' |　! .!ｌ|　　　　,'|　ｌ ｌ | l　,' ,|. ｜!´: :.!:.:.:.:.:.,': : : :r '　｀￢
　　　　　/:::,! |　　 ..L.',_ﾄ. |',ﾄ　　　/ !./l/├ /￢ ￢､).:: /:.:.:.:./: ::::::::|　　　 |:
　 　 　 /:::::ﾊ.ﾄ　、　!　 xぅ心.＼./ l/"´　ｨｱi心 |　 {: : :/:.:.:.:./::::::;:::ﾉ|　　　 !:
　　　 　 ヽ|l　',ヽ ＼ !, {{ ﾄ::::ﾊ. '′ 　 　 ﾄ//ﾊ.}}　　,ﾊr'＾,-ﾍ':::::::::}::!｜　 　.!:
.　 　 　 　 |　　　ト､ト. 　 V:::ｿ　　　 　 　込:.ソ '　| .|/j〈ィ'>》_ノ"!::l　!　　　|:
　　　　　　|　 　 l　l.|. ',　　　　　､　　　　　　　 l　 ! .|:.ヾ ﾆﾌ　　 !::l. ｜　　 |:
　　　　 　 |　　 / / |　ﾄ、　　 　 　 ＿,　　 　 ｜ ｌ|　|／　 　 　 ヽ:|　|l　 　 !
.　 　　　　|　　/ /　|　|_.＞ 、　　　 　　　_..-.､ｌ　l !　! 　　　　　　 　 |.! 　 ｜
　　　　　 l|　 /,ｲ _..ｌ　l:.:.:.:.:.:.:｀丶､ __..ィ´:.:.:.:.:.,' .,'::|　| 　　　　　　　　| !　　 !
　　 　 　 !|_ノ' r":.:.l　l:.:.:.:.:.:.:.:.:.ﾊィｭﾍ:.:.:.:.:.:.:./ /:.:::!　!ヽ、　　　　 　 .| l　　 |
　　　 _..'"ｨ´　 ﾄ､:.:.! .l:.:.:.:／｀`ヾ.ﾆﾝリ:.:.:.:.:./ ':.:.:.:.:|　|:.:.:/、　　 　 　 ! !　　 !
　　＜._ <.|　　 ! ∨ ,'_:.:'-:.:.:.:.:.:.:`￢´:.:｀`:./:.:.:.:.:.:.:.!　!;/: : ＼　　　　 ! l　　 |

　　　　　　　　　　　　　【真紅（ジェフ・リン）】

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　それは、ジェフ・リンをプロデューサーにすることであった。

　これだけを聞くと、ジョージが自分の親しい人をプロデューサーにねじ込んだようにも取れるだろう。
　しかし、ジェフ・リンは、それこそ少年時代からのビートルズのファンで、
　いつか「アイ・アム・ザ・ウォルラス」みたいな曲を作りたいとまでのたまうビートルズヲタである。

　……それこそビートルズ以上にビートルズのことを知り尽くした人間と言えた。
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿__＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／::／: : : },.......r‐.､
　　　　　　　　　　　　　　 　 ／ : 〈: : : : : :ヽ:_:ﾉ: : : ヽ__
　　　　　　　　 　,;ヘ、　　／ : r‐-':_:_:_:_:_: : : : : : : : : （_
　　　　　　　 　 （: : : ヽ／: : : : ）　 　　　　｀ 　､: : : : : : :）_
.　　　　 〃ヽ__　 ）:.r'´〉: : :r‐-'　　　　　　　　　｀　､: : : : （
　　　　 《__,ィ: : `´: |ミ|: : : : ）　 /　　　　 ,'　　 ヽ ヽ ヽ: : : :.）
　　　　　ﾒ /｀ヽ: : : |ミ| : : （　 /　//　/ / 　 ,ｲ｜　l 　ヽ: :（
　　　　　 /　,___〉: : |ミ|: : : :） ｌ　//-/､/　　 ｉ |　|　 l　　!ヽ: :）
　　　　　,'　 }: : :｀: : |ミ|: : （　ｌ ィ','⌒ヽヽ从ｲ=‐､|　 l　 ! ! }: i
..　　　　,'　.,'ヽ__ノヽ:.|ミ|: : _）|ヽl　てﾊ　　 てﾊ　ﾊ //! i/: : /
　 　 　 i 　i　| |　　{::.|ﾐ.|_:/　| 　ヽ込ﾉ　　 込ﾉ/, ｲ// /⌒´　　　　　　　 び、びびびーとととるずずのし、真紅、じゃなくて新譜！！
.　　　　i 　i　| |　　 ￣《;//| .|　/////////////| |ヽｲ
　　　　 i　 ﾚ' /　　 i⌒//く| | ｀ヽ､＿ヽ二ﾌ＿_ノVヽヽ
　　　　 i　 ／　　　.|: 〈〈　//ヽ:.:.:.:.:.:.:.《薔》:.:.:.:.:.:.:.:} ヽヽ
　　　／,ｲ |　　　　 | : :ヽV ヽミ;,;,;,;,;,;,;,;,;,{};,;,;,;,;,;,;,;,;,} 　 〉〉
.　　〈 〈　| |　　　　 | : : /Λヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:}{.:.:.:.:.:.:.:.:/|　〈〈
　　　＼V /　　　　.| :.://: :.〉 〉ヽ:.:.:.:.:／:.＼.:.:.:.:/: :|　 〉〉

　　　　　　　 ﾉ.:.ヽ:.:.:.ヽ:.:.:.ヽ:.:.:.:.:´.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::ﾊ､
　 　 　 　〈.:.`ヽ.:.:::::::::::::.::,　-‐-‐- ､.:::::.:.:.:::.:.l:.:ﾊ ::ヽ
　　　　 （.::::::::｀:.:.:.:.,.　'"´ ￣￣ ｀`ヽ.:.:.l.:::::::::.:.ﾊ:::::::::ヽ
　　　　 )　:: :ヽ:.:. ／ 　　　　　　　　　　＼.:.:.:.::〕:::::::::::::)
　. 　（ . . .:.:.:::::::/ 　 　 　　　　　　　　ヽ　入| |:::薔:::::::ﾉ｀丶
　　　 ＼.:.:.:.::::/　　　 /　′　 l　　　　　 | 　l ｢:::| |:::::::ﾉ　　 !
　　　　　 Y.:.:.′　　 ,′! l　　 |　　 　 　 |　 }ﾉ..:.| |:::::ﾉ　 　 |
　.　　　　 ゝ┤　　　|　 |｜ l　|　　　 l　　　（. .:://.::∧　 　 |
　　　　　　　 l !|　　_|＿Lｊ､ l ｜　_／|_/ l |　）//.::/　ｌ　 　 |
　　　　　　　 |八 l l l{＼|｀ヾﾄ､l､／￣l/｀刈Y北Ｌ.,′ |　 　 |
　　　　 ,ノ弋i⌒iヽヽl 丶甘´　　ヽ甘イく.＾}, |　ﾋｼ''′|　　　|　　　　　　　　ラッキーだわ！！！！！
　　　　（　　　　　　∧　xx　、 　 xxx,＿ｲく_ノ⌒ｰく、|　 　 |
　　　　 廴　,ハ_rz.､ 　ヽ　 .lｧｰ┐／　　|,ｧ,ｫ }-‐_イﾉ|　 　 |　　　　　　　　もう私、これで引退してもいい！！！！
　　　　　く　}ｎ:..:.::::::}　 }　i:`ヽ._／　　　/{/ }ｲ　/:.:}´}|　　　|
　　　　　　`7〈:..:..:._廴. |　|:::_}/　　　_.ノ　 /　,　ﾌ/ノ |　　　|
　　　　　　 {入彡-―‐ﾐi 乂/　　 /´　 ／　ル厶{┐ |　　　|
　　　　　　 `弋|　　 　 ﾘ　/　　 /　　ん､_ノ¨7彡'/,　|　　　|
　　　　 　 　 　 i　　 　 |,/　 　 .′　 |′ 　 / ,厂　　|　　　|
　　　　　　　　　l.　　 ／ 　 　 .′ 　 |　　 ,ん,′　　 |　　　|
　　　 　 　 　 　 |　 /　 　 　 /　　　 {　　/.　ヽ.　　　|　　　|
　　　　　　　　　 i　 　 　 　 /　　　　 i　∧_,.ノ´　 　 |　　　|
　　　　　　　　　 ヽ.　　　　/{　　　 　 }ノ　｀¨¨ﾌ　 　 |　　　|
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　当然ながら本人のテンションも、まあこんな感じである。
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　　　/:::::/::::::::/:::::::::::::::::::;/:::::::::::::::::::ﾉ ﾊ::::::;:::::::i::::::::::i::::::ヽ
　　　i:::::/::::::::/::::::::::::::::::;/:::::::::::::::::ハ　 iヽ:::i:;:::::::i::::::::::i::::::::|
　　　い::::::::::i:::::::::::::::::::;/:::::::∥:::::/i/　 | i:::从::::::|:::::::::|::::::::|
　　　i::::::::::::/:::::::::::::::::;/::::::::/|:::::/ y　　| i:::i i::::::儿::::::|:::::::::|
　　　i::::::::::::::::i:/:;;:::::::;/:::::::::_::::::/´/　　ﾉ i:ﾉ｀i::::::i、i:::::|::::::ﾉ|
　　　i::::::::::::::∧:;;;:::::;i;::::::::/ |:::/　ﾉ　　　 ｙ,　i::::/　|:::/i:::/|/
　　　i::::::::::::/＾i::;;;;:::::i　_ィ ==ｚｧ　　　　　　ィ==ァ /;;;;;i::/ /
　　　i::::::::::;;|　|::;;;;:::::i　 ヽoＪ;;}　　　　　　{oJ;}/　;;;;;;;i:/ /
　　 八::::::::;;;ヽi::;;;;;:::::i　　ゝ‐´　　　　　　.ゝ‐´　/;;;;;/
　　//|::/:::;;;;;;;;;;;;;;;;＼i　　゛゛　　　　　　　　゛゛　ﾊ;;;;;i　　　　　　　　　　　　 （大丈夫かしら……この人）
　　i/ |/:::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;i　　　　　　　　　｀　　　　∨:::i
　 （　 i::::::;;;;;;;;;;;;;;;;;ハi ゝ　　　　　　,　、　　 ノ::::|i::/
　　ヽ/::::::;;;;;;;;;;;;;;::::::::|ヽ ＞ 、　 　　　　　＜::::::::|/＼
　　/:::::::::;;;;;;;;;;;;;;;|:::::::|/ ＼　 ｀ ヽ　　　´|　　|::::::| ‐ﾍヽ
　/:::ゝ ⌒ ー ／|:::::::|　　 　 　　　ﾉ/ 　　　 |::::::|　‐ハ
　 ´　　 ,＼　　　|:::::::|　　　　　｀ヽ/　　 |　　|::::::|　 　i |
　　＼／　　　　 /::::::::|ヽ　　　　／♀＼ |　　ヽ:::ヽ/ 　ﾊ
　　　　｀ヽ／ ヽ　＼::::|　＼　／／,∧ヽ、　　　ヽ:::i　　ハ
　　　　　　　　　　　｀　　　　　　　　　　　　　　　｀
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　そんなジェフ・リンを見たポールは、
　おそらく内心、とても心配になったのではないかと思われる。
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　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 _／｀丶、
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 _∠ﾌ::.::.::::::}::＼
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 厶::.::.::.::.::.::.:ハ::.::＼
　　　　　　　　　 　 　 　 　 ／￣｀::.::.::.::.::.:`ｰ'⌒Ｙﾊ
　　　　　　　　　　　　 　 _/::.:__, -─－……‐-､:Ｌ_:＼
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 >´／　,　 '´　　　　 　 ＼}:ヽ`┐
　　　　　　　　　　　　 ／／　／ ／　　　 　 　 　 /了}ヽ＼
　　　　　　　　　　　 〃/ / , ′/　 /　　 ｉ　　　 ヽ＼ｿ::.:j::::｀个‐‥''＾ヽ_
　　　 　 　 　 　 　 /' / / /　 /　 / 　　 '　　｜　 ｉ！ヽ::|::::::::l::.ｰ─－‐｛
　　　　　　　　　　/　' / l |i　/　 /　　 /　/　！　 |｜〈::ﾉ::::::/::.::.::.::､::.::.::.|
　　　 　 　 　 　 /　 i ′ll丁Tﾄ､ｌ|　　/　,/ / /　,　! |{八!:::::/::.::.::.::.::.:｀辷′
　　　　　　　　　　　 |l　 |l |≠ﾐ､ｌ|　,/__,/ / /　/r=≠へ､::人_::.＼::.::.::.::.:ﾉ
　　　　　　　　　　　 |l　 |l |{ {_j＾ｌ| / _､__｀メ、/　}ｲ以ｆ}ﾊ}::.::.::.::.::.::｀ｰ‐Y　　　昔、ビートルズが作っただろうというコンセプトのもと、
　　　　　　　　　　　 | ヽi|〉!　　　l'　´了㍉、 >､ﾊ戈ｨくソ::.::.::,小､::.::.:: ﾉ　　　 唯さんのイメージを壊さず、かつ皆さんのイメージを生かす……
　　　 　 　 　 　 　 ,-､／ ﾊ　 '　　 　 ゝｨ斗/ｲ／／又::.::.::イ〉| |ﾄ,￣´
　　　　　　　　　　〈／／/ハ丶 _　　　　　〃厶ｲ__｣_/７,ｰイ/i|｜､ヽ　　　　　そんなわけで、こんなアレンジはどうでしょう？
-、　　　　　　,.─､ イ:::// :;;ﾍ ___rー─／ /--‐ "´' //| l// ｌ|｜ l }
. ..:＼　　　／／＼＼:〃::::ｆ抔ﾊ〉|::::::::/ , ｲ､:＼ 　 //ハl//_///_ノ/
.::.　　＼／／ ,.:: 　＼＼::::::ゞﾆ｢￣｀::/ /:/::::::`く　// ｌ　 { {─| |ー'
　: ::.:／／ .::" 　 　 　＼＼フ|:ﾊ:::::::/ /:〃:::::::::::::〉/　ｌｉ　 ヽ>｜!
　 ／／　　　／＼　 ::..　＼＼::::',::/ /://:::::_　-ｲ {.　 |l　　 　 |_{
／／　..:　／　　　＼ .::..　　＼＼/ /::::{ {／::.＿::.', ｌ　 |l
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　しかしそんなビートルズヲタなジェフ・リンだが、音楽プロデュースについては天才的である。
　この難しい仕事をきっちりと仕上げてきた。
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　　　　　　　　　　　　　 .．　-─　・・・　　 ‐-　..
　　　　　　　　　　 　 .　´　　 　 　　　　　　 　　 　｀　.
　　　　　　　　　　／ 　 　　 　 　　　　　　　　　　　 　＼
　　　　　　　　　 ′　 　　 　　 　 　 　 　　 　　 ＼　　 　＼
　　 　 　 　 　 /　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　、 　 丶　ヽ　 ヽ
　　 　 　　 　 ′　　　　　　　　　　　 　　 　　|ヽ 　 　'. 　 　　 '.
　　　　　　　 l 　 　　 :: 　 　 　　 |｜　 i|　　ﾊ!　|ﾊ　_ i 　 '　　ハ
　　　　　　　 |　| 　 　:.!　　　　　 |｜ 　T　X/　 l!' ﾊ　! 　 |:.:..|　i!
　　　　　　　 |　|　　　.:! 　 　 　　|｜　/|V /　　 !/_j-:| 　.:|:.:.:|〃
　　　　　　　 |　| 　 　 ﾊ　 　　　｜ﾚ:ﾆ ミ　　　　ィjﾗﾊj_/:::|:.:｜
　　　　　　　 |　|　　　 ハ　　 　 下ﾊﾉﾉj 　 　 　 ﾄv　/:..:.: ﾄ､ﾉ
　　　　　　　 | ｜ | 　　 :∧ 　 　 | 弋zﾝ 　 　 　 ｀　 :.:.:.:.: |
　　　　　　　 |　|　|　 　:｜∧　＼ ゝ　　　 　　 　' 　 |:::ト ﾉ　　　　　　あの人……なかなかやるじゃない。
　 　 　 　 　｜｜ |　 　 弋_ノ`ー ゝ 　 　 　 　 　 　 ﾊ/
　 　 　 　 　 |　|　 　　 ｜　ハ　　 ＼　 　 ` 　 ´ . ':.:/　　　　　　　　 今度私の曲もプロデュースしてもらおっと♪
. 　 　 　 　 ｜｜　 　　 |　 |　　　　　 ＼　 　 ィ´:.:.:/
　 　　　　　｜｜ 　　 　|　｜　 |:　 ＼　 ＼¨　|:::: /:|
　　　　　　　| ｜　　 　｜　|　　|＼ 　 ＼　 ＼j:.:.　｜
　　　 　　 　| ｜ !:　　 ｜　|　　|_ノゝ　　 ＼ 　＼:. ﾉ
　　 　 　 　 | ｜ |: 　　｜ ｜　｜: : : `…ー｀ ー‐ ` 一　､
　 　 　 　 　|　|　|: 　　 |　　 　｜: : : : : : : : : : : : : : : : : : :ﾊ
　　　　　　/|　|　|:　　　|　　 　ﾉ: : : : : : : : : : : : : : : :: :／: : i
　　　 　　'.:｜ |　|:　　 .'　 　 /: : : : : : : : : : :: : : : : : :'': : : : :i
　　　　　l: :｜ |　|: 　/　 　 　| : : : : : : : : : : : : : : : : :; ー -く
　　　　　|: : |　|　|.: /　　 | 　 |: : : : : : : : :/: : : : : : : : :: ー:､ﾉ
　　　　　|: : |i 从 V 　 　 | 　｜: : : : :ヽ /:: : : : : : : : : : : : : :ヽ
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　その仕事の完成度の高さに、ポールも絶賛したという。

　この後、ジェフ・リンはポールのアルバム「フレイミング・パイ」のプロデュースを依頼することになる。
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　こうして、ジョンが残した曲を、ビートルズのほかの3人が完成させた曲、
　「Free As A Bird」は世に出た。
　ttp://www.youtube.com/watch?v=glUFjjkYuAk

　さらにその数ヵ月後「Real Love」が発表される。
　ttp://www.youtube.com/watch?v=ujFfnKQMdQI&feature=related
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　　　　　　　_,. ニ＝.-:､`:ヽ.、 ＿_　　　　 j!
　　 　 ,. :'':´: : : : : :,:-'': :./: : : : : : : :｀:`:ヽ<､
　 ,.r:'ﾞ: :_:,,: ;　'"／: : : : /: :j: : : : : : : : : : : : :.＼
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/, '　　|: .::::l: :::/ヤ示亦ｌ|　i: : :i!　　　V:lＶ::::::. : !:. :.!: i
'゛　 　 !: :::::l: ﾊ　ﾞrＪ::V　l　 Ｖ: !　､　　ヾl.ﾞi;:::::: :j:::. :ﾄ､!
　　　　l: :::::}:l::::!　Lﾆﾉ　　 　 ヾ!　ﾐミニ ﾞ'j::V: : |:V: !ハ　　　　　　　　　 そりゃあ、そんなもの聴かされたら、
　 　 　 V:/Ｎ::::!　　　　　'　　　　　　￣．l::::::V: !: :V|　　　　　　　　　　　誰だって驚くと思うよ～。
.　　　　 ﾞ'　|:| ::l.　　 　 ｰr ､___,　　 　 　 l:::::: |Ｖ|: :.Ｎ
　　　 　 　 |:,!: ::`:...、　　ヽ　ノ　　　 　 ,ｲ::: ::l:::i＾ヾ!　　　　　　　　　　　 でも……うれしかったっけ。
　　　　　　 |':l: : ::::::l:::`i:.. 、　　 _,,... イ::::l::: : j::: }　 |
　　　　　　 j: :!: : : ::l::;/´iﾉ ￣　i! ヾ､|::::j:: : :.!::./　 '´￣二､ヽ
　　　 　 　 ｉ: : !: : : :.!　　l.　＿　|　　 ｀i|: : :.l:: l　　　　　-―-'､
　 　 　 　 ,': : ∧､: : i　　 ｢　　.｀| 　 　'!: : :.!:::ﾍ　　　　 ´￣_,)'′
　　 　 　 ,': :.∧:ﾍ:､: |　 　l.　 　 !　　 /: : ∧:: :.|　　 T ´￣
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　　　/::/:|:.:ｉ:::.:.:.:.:./_＿|ｊ＿.!_ 　 |ｉ::.:.:/　 _|ｊ_＿__ ∨:.:.}､::::.:.:.:.:.:.:|
　 　 l:/､:}:.:|:::.:.:.:.:ﾊ 「 ｆ:;::;;;::!゛`　 |:.::/　 'ｉ::;::::;;;:! 7 ﾊ:.:|::ﾄ､::::.:.:.:.:.|　　　 私が言えた義理じゃないけど、
　　　　　ﾚ'|:::.:.::/:.:ﾊ ､込ﾒ:;j ,　　 |:/　　 込:ｨ:;ｊ / ﾊ:;/.:|,ﾉ:|ﾍ:::.:.:.ｊ
　　　　　|.:.|:.:.:/ｉ:.::::ﾊ　｀￣　　 　 ´　　　　￣´ ・ ﾊ:.:.::|:::::.|　}:.::/　　　 ファンとしては、またビートルズの新譜、
　　　 　 |:.:.|:/:::|:.:::::::j　゛　　　　　 ,.-､_　　　　 　 {:::::.:.|:::.:.:|　|:/　　　　聴きたいよねえ。
　　　 　 |:.:..'::.::::|:.:.:.::ｉヽ、 　 ｀ーl＾:　 | ｀l　　　 ,.ィ:::::.:.:|::.:.:.:|　´
　　　 　 |:.:.:.:::::::|:.:.:ｉ::|:::i:｀＞‐-ｉ´ｉ　|　|　|､τ´::ｉ:|::::.:.:.:|:.:.::..:|　　　　　　それこそ再結成して、ライヴやってくれれば、
　　　　　|:.:.:.::::::::| : | |-‐´　{._ﾉ| .!　!　|　ｉ｀ｊｰ--|ｉ:::.:.:.:.|､:.:.: :|　　　　　　最高なんだけどさｗ
　　　 　 |:.:.:.::::::/|:.:.|:| 　 　 ヽ-{　　　 　 ,,ﾉ_　 /:.: : : :ｊ ﾄ､:: :|
　　　 　 |:.:.:.:::::ｆ｀|:.:.||＼　 　 ﾍ ヽ、　 ／　 ｀ハ:.:.:.::/ /　|:.::|
　　　　　|:.:.:.::::|　|::.:ｉ|＼＼　　 ﾍ　 ／ .／／　∧::/ / 　 |:.:.|

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　「フリー・アズ・ア・バード」も「リアル・ラブ」も完成度が高く、ファンも納得の出来であった。

　そうなるとファンが期待するのは次なる新譜、そして再結成ライヴであろう。
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　　　:.:.:::.:::.:::.::.::(
.. 　 　 　 :::.:::.::.::ヽ
:::::....　　　　　 :::::::::`'''‐‐--''''つ
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::::::::::::::::::::....　　 　 　 　 :::::::ヽ､＿＿-‐ ､
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　しかし、「リアル・ラブ」以降、ビートルズが新しい曲を発表することはなかった。

　いや……出来なくなった、とするのが正しいのかもしれない。
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　　　　　　　｀＞ゝ〃;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,-‐‐´　　::::::::／IIIIIIIIIII ﾉ:::::/IIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIII〉　　　　　　　　　　 ギタリストだったようです
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以上でございます、ご清聴ありがとうございました。

予告のとおり、最終話は11月29日（木）21時より投下したいと思います。

ちょっと期間が開いてしまうこと、日曜日じゃないことなどありますが、
どうしてもこの日に投下したいので、申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。

あと今回は埋めネタとして前スレに投下しました、いくつかの写真を。
まずは去年の「ジョージ・ハリスン／リヴィング・イン・ザ・マテリアルワールド」のUKプレミアより。


澪・やる夫・できる夫・律
ttp://www.zimbio.com/pictures/mjd_SsrMuCl/George+Harrison+Living+Material+World+UK+Premiere/6uiz6bl6ly_

澪ちゃん・できる夫
ttp://www.zimbio.com/pictures/mjd_SsrMuCl/George+Harrison+Living+Material+World+UK+Premiere/CEUBpNPgJlK

澪ちゃん・やる夫
ttp://www.zimbio.com/pictures/mjd_SsrMuCl/George+Harrison+Living+Material+World+UK+Premiere/QpofD96aaTt

澪ちゃん
ttp://www.zimbio.com/pictures/h0OazCG9fxM/George+Harrison+Living+Material+World+Premiere/dzUAwNW67AG
ttp://www.zimbio.com/pictures/h0OazCG9fxM/George+Harrison+Living+Material+World+Premiere/b6zhgH-6D0d
ttp://www.zimbio.com/pictures/mjd_SsrMuCl/George+Harrison+Living+Material+World+UK+Premiere/RCLyrrf3Lch

りっちゃん
ttp://www.zimbio.com/pictures/h0OazCG9fxM/George+Harrison+Living+Material+World+Premiere/ns46J19Klcr

みくる
ttp://www.zimbio.com/pictures/h0OazCG9fxM/George+Harrison+Living+Material+World+Premiere/dB7Ug-rF7La

やらない子
ttp://www.zimbio.com/pictures/h0OazCG9fxM/George+Harrison+Living+Material+World+Premiere/JacNjQjTTAe

できない子
ttp://www.zimbio.com/pictures/h0OazCG9fxM/George+Harrison+Living+Material+World+Premiere/_AuNdc3-_XV
できない子、娘にセクハラするｗ
ttp://www.zimbio.com/pictures/mjd_SsrMuCl/George+Harrison+Living+Material+World+UK+Premiere/iaxhp4gwZn2

できる子
ttp://www.zimbio.com/photos/Michael+Palin/George+Harrison+Living+Material+World+UK+Premiere/6RDzUSwf3oC

やる夫
ttp://www.zimbio.com/pictures/h0OazCG9fxM/George+Harrison+Living+Material+World+Premiere/eLUjuceAs8L
ttp://www.zimbio.com/pictures/h0OazCG9fxM/George+Harrison+Living+Material+World+Premiere/lAge0PLMfN0

やる太
ttp://www.zimbio.com/pictures/h0OazCG9fxM/George+Harrison+Living+Material+World+Premiere/m7tgSNFnEf_

やらない夫＆ちゅるや
ttp://www.zimbio.com/pictures/h0OazCG9fxM/George+Harrison+Living+Material+World+Premiere/41PdQ5YOgwl
ttp://www.zimbio.com/pictures/mjd_SsrMuCl/George+Harrison+Living+Material+World+UK+Premiere/l-HSDqV5XSE

かがみ
ttp://www.zimbio.com/photos/Jackie+Stewart/George+Harrison+Living+Material+World+UK+Premiere/e0qt7yZiuqC


同じく去年の「ジョージ・ハリスン／リヴィング・イン・ザ・マテリアルワールド」のニューヨークプレミアより。
やらない子・できる夫
ttp://www.zimbio.com/photos/Olivia+Harrison/HBO+Documentary+Screening+George+Harrison/dss5Eh4mq7D

2009年ジョージのハリウッド殿堂入りのときのイベントより。

雛苺・真紅・スミーレ・やらない子・澪・できる夫
ttp://www.zimbio.com/pictures/5xaDzqPc69P/George+Harrison+Honored+Hollywood+Walk+Fame/faW1xvTIhpE

雛苺・真紅・スミーレ・澪・できる夫
ttp://www.zimbio.com/pictures/5xaDzqPc69P/George+Harrison+Honored+Hollywood+Walk+Fame/3camevTdwlT
ttp://www.zimbio.com/pictures/5xaDzqPc69P/George+Harrison+Honored+Hollywood+Walk+Fame/69v-s8Pt1pG
ttp://www.zimbio.com/pictures/5xaDzqPc69P/George+Harrison+Honored+Hollywood+Walk+Fame/G-LDtYqTI2Y

やらない子・澪・できる夫
ttp://www.zimbio.com/pictures/5xaDzqPc69P/George+Harrison+Honored+Hollywood+Walk+Fame/MIvRR-9fUP_
ttp://www.zimbio.com/pictures/5xaDzqPc69P/George+Harrison+Honored+Hollywood+Walk+Fame/O-vxaW88y3f

澪ちゃん
ttp://www.zimbio.com/pictures/5xaDzqPc69P/George+Harrison+Honored+Hollywood+Walk+Fame/-5P1wPPcnBu

雛苺
ttp://www.zimbio.com/pictures/5xaDzqPc69P/George+Harrison+Honored+Hollywood+Walk+Fame/IcMfCNaG3Wj/Tom+Petty

ロンドン五輪より。

澪ちゃん開会式ｗ
ttp://www.zimbio.com/photos/Paul+McCartney/Olympics+Best+Opening+Ceremony/kX6ysVVwQp6
ttp://www.zimbio.com/photos/Paul+McCartney/2012+Olympic+Games+Opening+Ceremony/sdXDkD3ldhO
ttp://www.zimbio.com/photos/Paul+McCartney/2012+Olympic+Games+Opening+Ceremony/cgW4iL_e-xj
ttp://www.zimbio.com/photos/Paul+McCartney/2012+Olympic+Games+Opening+Ceremony/v79nBx5_WR2
ttp://www.zimbio.com/photos/Paul+McCartney/2012+Olympic+Games+Opening+Ceremony/_XYm1K3jxiq
ttp://www.zimbio.com/photos/Paul+McCartney/2012+Olympic+Games+Opening+Ceremony/L_A6bx_EUqM
ttp://www.zimbio.com/photos/Paul+McCartney/2012+Olympic+ames+Opening+Ceremony/T7Z5UWBXKz0
ttp://www.zimbio.com/photos/Paul+McCartney/2012+Olympic+Games+Opening+Ceremony/5pegoC174g0
ttp://www.zimbio.com/photos/Paul+McCartney/2012+Olympic+Games+Opening+Ceremony/6fXii1GpQv1


澪ちゃん暴走中ｗ
ttp://www.zimbio.com/photos/Paul+McCartney/Olympics+Highlights+Day+8/WVdcz_UUPef
ttp://www.zimbio.com/photos/Paul+McCartney/Olympics+Day+8+Cycling+Track/OVS55Yh08wJ
ttp://www.zimbio.com/photos/Paul+McCartney/Olympics+Day+8+Cycling+Track/GArv2_ZwsLP
ttp://www.zimbio.com/photos/Paul+McCartney/Olympics+Day+8+Athletics/2Ivg1y78hzw
ttp://www.zimbio.com/photos/Paul+McCartney/Olympics+Day+8+Athletics/jtUo5JkUlkg
ttp://www.zimbio.com/photos/Paul+McCartney/Olympics+Day+8+Athletics/HlgXUiP_Src


やらない子さんは元気です。（閉会式）
ttp://www.zimbio.com/photos/Eric+Idle/2012+Olympic+Games+Closing+Ceremony/RRjt6XJpn62
ttp://www.zimbio.com/photos/Eric+Idle/2012+Olympic+Games+Closing+Ceremony/6Sj0sQeCQSV
ttp://www.zimbio.com/photos/Eric+Idle/George+Michael+performs+during+closing+ceremony/7nJ8fghse-N
ttp://www.zimbio.com/photos/Eric+Idle/George+Michael+performs+during+closing+ceremony/38CkpxIHs5u
ttp://www.zimbio.com/photos/Eric+Idle/George+Michael+performs+during+closing+ceremony/Rv1tAzBDR2-
ttp://www.zimbio.com/photos/Eric+Idle/George+Michael+performs+during+closing+ceremony/nXjNFS7I-7J
ttp://www.zimbio.com/photos/Eric+Idle/George+Michael+performs+during+closing+ceremony/G3JnwHQuFhB
ttp://www.zimbio.com/photos/Eric+Idle/George+Michael+performs+during+closing+ceremony/OQMqLYRMXg7

乙でした
そうか、とうとう次回…

Free as a birdのプロモが公開された時、食い入るように見続けたことを思い出すな…

　　　 　 　 　 　 　 　 　 ＿＿＿
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　 　 　 　 　 　 ／;:;:;:ﾍ　　 　 　 二|;:;:;:;:;:;:;7
　　　　　　　／;:;:;:;:;:;:;:ﾊ　 　 　 ｀ヾ:!;:;:;:;:;V
　　 　 　 ／;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:ﾄ,　　　　　 !;:;:;:;V
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　　　　　　　 r‐ ._'.,.'／´: i.:,!: : :|:i!: ､: : :丶: : ヽ　　　　　　　, -_ _
　　　　　　　　｀''‐ﾌ= , ７:ﾚ‐!: : |:!'⌒､: : : :＼: :i　　　 　 .／ 　＞"
　　　　　　　　　　ミー j ;1! ∨: l|　ヽﾄ､: : : :ﾄﾞ:､. 　 　 ／ ＞‐"
　　　　　　　 　 { Yー‐!:{ |Lz,,Ｖ:.{ ﾆ弐ｬ:､: : !: :!　-=< r￣
　　　　　　　　 　 ト　 」iﾊ｢l､,l　ﾞ､:. ﾄイl' ハ: l ;! ノト,. Y
　　　　　　　　　　j　Tﾊl:::i└'　　` ￣ ・i: :ﾍ:|;/ﾄ ヽ ｙ'
　　 　 　 　 　 　 !　 | ノ: :ﾄ;::._ ｰｰ' .;;;;;ｲ- 、／ｲ- ┘
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　　　　　　　　 ,,イ: :／_　＿,;-;,／ ;'　／／　 `‐!　ﾊ
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　　　　　　,..'　　 ／, ーﾌ: :j;:;/ /／,イ: : : : ﾄ,＜:_:_: : : : : : : ‐: .、
　　　　　,.'　　／／　／: : :ﾚ ／／;:;! -''' フ: :＼,.　￣￣￣'''┐;:}
　　　　 ﾘ　　.{: レ:'': : : : ノ ￣,--￣.　／ノ :_: : : : ＞. ._ 　 ／／
　　　　　　　,. ': : : : :/ L,　 j　／ , -'／-_, '　ヽ; : : : : : ￣く、
　　　　　 ／: : : : : : !　_ >< ,.' ／／:￣ヽ;:ﾄ,_ ノー'''￣ '''ヾ: :トヽ
　　　　,.' : : : : : : : : :! j `　ﾚ //: : : : : : : : : : }　　　　　　ノ: : ! ﾘ
　　　　 イ: : : ＞‐"　!　　　//: : : : : : : : : : :ﾉ　　　　 ／: :,ィ:ﾚ''
　　　　　 ﾘト; L -ー !.　　/.,.': : : : : : : : : ,.:',--ーｺ''´ : :／　!!
　　　　　　ヾ__ ￣　 ゝ-ノ./: : : : : ＿ ;_／ノヽ;;;r'': : :／　　ノ
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　　　　　　　　　　　　　　ゞ ; : : : : `丶　 　 　 ﾍ;;!
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　`＜: : : ヽ‐ト、
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| !;;Y
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ! リ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾚ;;ﾉ
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ´

>>114でこなたさんのギタープレイのことをちょっとばかり書きました。

ちょっとばかりyoutube探したらいくつか出てきたので、ご覧ください。
ttp://www.youtube.com/watch?v=f-jXIYYNrZo
ttp://www.youtube.com/watch?v=mnsRSAcm8Vg
ttp://www.youtube.com/watch?v=2bRO7Kr13-8